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カースト最底辺の狼  作者: 睡眠戦闘員
一章:狼の心得
25/94

25.焚き上げ

 



 阿鼻叫喚と恐れればいいのか、女性の恥じらう姿が見れて喜べばいいのかよくわからない感情に苛まれてます。


 背負っているウィウィに至っては頭上にハテナを飛ばしまくってスペースキャットならぬスペースウルフ状態で集落を凝視している。


 あっ、いま俺好みの女の子が上の服剥ぎ取られた。


「お前らやめろ! 下着を剥いでなんになる!?」

「いろいろあるでしょうッ!? いろいろ!」

「知るか!」


 と、その光景に釘付けになっていた時、一足先に集落に到着していたらしいコハクトが現れ、女の子の服を剥いだ女の子を取り押さえた。


 俺らは集落の中を駆け回る無数にいる追い剥ぎを交わしながらそのそばに駆け寄る。


「コハクトさまぁ!」

「フェルムか! ……アノネはどうした?」

「たぶんバッグの中で吐いてます」

「……後で掃除しとけよ」


 アノネちゃん、変な色のキノコ一気食いしてたからなあ……


 って、そんな事言ってる場合じゃねーよ。なんだこの状況。


 集落は民家と思われる小屋が数十件と言ったところの規模で、もちろんサプリングデイの街よりも住民は少ない。しかし、逃げ惑う人々、すでに全裸まで剥かれて地面で白目を剥いて蹲っている人などを合わせて結構な数がいる。


 そういえば、と思い出した。森で見たときに見たあの青い煙ってなんだったんだ?


 周囲の民家を見ても、特にそんな変な火事が起こっている様子は――


「そ、ソラ! なんかすっごいくさい!」

「えェ!? 俺この年で加齢臭出てる!?」


 ウィウィにそんなこと言われたら俺死ぬんだけど。


 しかし、ウィウィは俺の背でブンブンと首を振って慌てて否定した。


「ち、ちがうよ、ソラじゃなくて……えっと……あっち!」


 そして、俺が臭くないと証明するかのように、すんすんと鼻を鳴らしながら周囲を見渡し――ある方向へビシッと指を刺した。


 その集落のさらに奥の森林の先に、古めかしい城のような大きな建物が見えた。曇りきったステンドガラスが正面窓に嵌め込まれている。街中のギルドとは違って劣化した外壁は赤褐色に変色している。


 その建物の端の煙突から、ソラたちを導いた真っ青の煙が発生しているのだ。


「あれは教会跡地だな。どういうわけか、正気を失ったこの集落の住民が剥ぎ取った衣服をあの建物へ持っていっている」


 コハクトは捕まえた女の子と他数名の腕を縛り上げ、傷つけずに無力化しながら話した。


 フェルムは深刻そうな顔でこれがアステラの仕業だと言っていたが、まったくもって目的がわからない。確かにパンツにはロマンがあるとは思うが剥ぎ取ってどっかに持ってくのは違うね。やっぱり近くにあるからこそ……


 ぐいっ


「……?」


 腰あたりの服が引っ張られ、俺はそちらを振り返った。そこには目に一点の曇りもない小さな五歳くらいの小さな女の子が俺のズボンに手をか――


 ズルズルーーーー!!


「ぎゃあああああああッ! 俺のズボンンンッ!」

「きゃはははっははっ!」

「ソラーーーっ!?」


 女の子は純真無垢な表情で俺のズボンを引き摺り下ろした。驚いたフェルムやコハクトが顔を引きつらせて俺から飛び退く。


 女の子は俺の足首までズボンを下ろすと、思い切り自分の方向へ引っ張った。子供とは思えない腕力に足を取られた俺は地面に倒れ、地面に鼻っ面を叩きつけてしまった。足から地面が離れてズボンはベルトごと女の子に奪われた。


「やったー! ズボンとったあ!」

「とんなあああああああッ!!」


 パンツ丸出しになった俺は痛みに耐えて起き上がるも、女の子はズボンを担いで例の教会跡地へ走っていってしまった。俺はその背中へ手を伸ばした状態で固まる。あまりの電光石火の行動ぶりに、走って追いつこうという気が全く起きなかった。


「……あの、大丈夫か?」

「これが大丈夫に見えるならお前相当やばいぞ」


 おずおずと声をかけてきたコハクトは「だよな……」と、乾いた笑いを送ってきた。


 ……え? 何この状況。


 俺は幼女に追い剥ぎされてパンツ丸出しで、それを周りの奴らから哀れまれるって。あ、パンプは腹抱えて笑ってる。


 悲しすぎるだろ……あ……ア、なんか……悲しく…………


『正気を失った集落の住人接近中。回避の推奨』


 突然久しぶりにスマホが脳内に語りかけてきたのを合図に、俺は頭を跳ね上げた。


「まだ服着てる奴がいるぞーッ!!」

「剥ぎ取ってやるわあああああ!!」


 間髪入れずに周囲から飛んできた叫び声に、続けてコハクトたちも緊迫した顔で周囲を見る。俺たちの周りは正気を失った数十人の住人が取り囲んでいた。既に正気の住人はすっかり衣服を剥ぎ取られて家の影や樽の中に隠れ、隠れ場所を見つけられなかった哀れな人はブルブル震えながら地面に蹲っている。


 服を着ている人間が俺たちしかいなくなったから、俺らに目をつけてると。


 あ、めっちゃわかりやすーい!


「かかれェーーーッ!!」

「逃げるぞッ!」


 コハクトの掛け声を合図に、俺たちは堰を切ったように走り出した。


 流石に戦闘能力の高いコハクトとはいえ、この人数を一気に相手してしまったら傷つけてしまうのだろう。


 強すぎるって、時に不便なんだなァ。


「なにか余計なことを考えてないで本気で走れ、ソラッ!」

「いやいやいや! ウィウィ背負ってこの速度、かなり本気だわ!」

「ごごご、ごめんなさいぃ!」

「あ、ごめん! ウィウィは羽より軽いから!!」


 背中にしがみつくウィウィをフォローしつつ、先頭のコハクトになんとか追い縋る。どう考えても俺たちに合わせてスピードを落としてくれているのだろうが、それでも早い。


 しかし、その速度に追いついてさらに追いかけてくるのが住民だ。まさしく死ぬ気という表情で俺らの服を剥ぎ取らんと大群で押し寄せてくる。


「あははあ、ほんとふざけた連中だよねえ。アノネちゃんがいれば魔法で拘束してくれたかもしれないけどお……しょうがないねえ」


 そんな彼らを見て一言、パンプが呟いた。あっと気がついたときには、深緑色のローブが翻っている。


「ばかッ……やめろパンプ!」

「だいじょおぶだよお」


 コハクトの焦る声を無視。パンプは間延びした返事とは裏腹な素早い動きでローブの下から何か後方に投げた。べちゃっと何かが当たる音と、短い人の悲鳴が飛ぶ。ウィウィ越しに後ろを振り返って見てみると、俺らを追ってきていた住民の先頭軍団数名の足元に、何か白い物体が張り付いていた。数回絡まるように動いた後、先頭集団は、後ろを巻き込んで大きく転倒した。


「魔物捕縛用トリモチい。便利だねえ」

「人を魔物扱い……?」


 さらりさらりととんでもないことを言うパンプに、俺らの代わりに信じられない目を向けてくれたフェルム。有能。もっと言ってやれ。


 しかし、あのパンプなら人間相手でも笑顔で住民軍団に爆弾投げ込むんじゃないかと思ってたから安心だ。ウィウィにそんなグロテスクなスプラッターを見せるわけにはいかないからな。パンプに一応の良識があってたすか——


「余計なこと考えてないでたったか走らないとお、わかってるよねえ?」

「イェスボスッ!」


 俺の思考が漏れていたようだ。俺はグルンと前を向いてウィウィの太股を支える手に力を込めて一層全力を込めて走った。


 そして気がついた。逃げるのに必死で気が回っていなかったが、俺たちは今どこに向かって逃げているのか。先頭を走っているのはコハクトだ。コハクトは、勇者というだけあってピンチに慣れているのか、汗はかいているもののその中には少しの余裕が見える。体が向いている方向は——


「コハクトォ!? どこ向かってんの!?」

「どこって普通に逃げてるに決まってるだろ! 一度集落を出る!」

「いやいやいや! 何言ってんだ、行くなら教会(・・)の方だろ!?」

「は!?」


 俺は靴の裏を地面に強く擦り付けてで急ブレーキをかけた。一気にコハクトたちから引き離されているが、構わない。俺は一眼で周囲を見渡し、教会の方向を確認。すぐにそちらへ方向転換して走った。


「振り落とされんなよウィウィい!」

「う、うん!?」


 よくわかっていないウィウィだったが、返事だけは元気よく返してくれた。


 コハクトたちがUターンしてくる足音が聞こえるが、それを待たずに俺は集落の家と家との間、路地にあたる部分に飛び込んだ。起き上がったり転んだものを迂回したり飛び越えたりした住民たちが俺らを追って路地へ入ってこようとするが、大人数過ぎて入り口でつっかえている間に、必死に走って引き離す。


 そこまで大きくない集落の建物は少ない。すぐに路地は途切れ、ついでに集落も出たらしい。走る方角はもちろん教会跡地がある方だ。


「走れ!」

「早く、早くもっと焚き上げなきゃ!」

「もっと集めろ!!」


 うわビビった!? 何こいつら!


 すぐ横、しかも一箇所ではなく至るところから発せられる言葉を聞いて驚いた。俺を走る横、前、後ろで他の住人から剥ぎ取ったのだろう衣服を抱えた奴らが走っていた。一瞬身構えるが、こいつらはさっき追いかけてきた奴らとは違って服を着てる俺らには目もくれずに一直線に教会へと走っている。


 な、なんかめちゃくちゃ目が輝いてて怖ェ……


 念のためそれに紛れさせるために、バックの中からジャージの下を取り出して、ウィウィに持たせておく。


 どうやらコハクトの言っていた通り、そして先ほど俺のズボンを持っていった幼女同様、剥ぎ取った衣服を教会に集めているらしい。


 いったい何がこいつらを突き動かすんだ……エロか、エロじゃないのか!?


 ものすごく気になるところだが、そこまで考える前に教会の入り口に到着した。人の波に従ってどこかに運ばれながら俺はぴょんぴょんと何度も飛んで周囲を確認する。


 クソッ、居ないな——


「おい!」

「ふぁっ!? あ、なんだ、コハクトかいな」

「なんだじゃない!」


 急に真横から声をかけられ、飛び上がってそちらをみる。そこには息切れで肩を上下させるコハクトがいた。


 全力で走ってきたのか、忙しいやつだなあ。


「なんだその哀れむような目は!? なんでこんな敵地とも言えるようなおぞましい場所に一人で突っ込んだ!?」

「コハクト……俺は大事なものを取り返さなきゃならないんだよ」

「だ、大事なもの……?」

「ソラのだいじなもの!」


 ザワザワと教会の奥へ奥へと突き進む群衆の中で立ち止まり、俺が真剣な顔で訴えるとコハクトも顎を引いて目に力を入れる。真剣な顔を返してきた。


 まさか夢にも思っていないだろう。俺がただ制服ズボンを取り返すためだけにこんなクレイジー空間に飛び込んだことなど。


 だって! 制服って結構高いんだもの! さらに言うと俺の金じゃないし!!


 そんなのを取られちゃあたまらない。今着ている上着だって大穴空いてるけど、縫えばなんとかなるし、あえて言えば俺は穴が開いたままでも構わない。しかし、その前提は制服が手元にあると言うことだ。それを取り返す。


 コハクトは不満げに俺の顔を見返していたが、少し逡巡したあとすぐに頷いた。


「わかった。仕方がない、俺も手伝ってや——」

「——ねえ勇者さん」


 ふと、コハクトが声をかけられ、そちらを振り返る。


 にっこりと可憐な笑みを浮かべた女性がそこにいた。変だったのは服をほとんど着ていない。下着丸見えの状態で一切恥じらいもせずにこちらを見ていることだった。


 せくしーだなあ。


「その鎧、お洋服……いただけませんこと?」

「は――はああああぁぁぁ!!」


 質問の内容を脳内で処理しきれずにいると、突然女性はコハクトの肩を掴み、鎧の肩部分を剥ぎ取った。不意打ちも不意打ち。一勇者(しかもイケメン)が細い女の人に追い剥ぎされると言う光景。女の人はキャッと跳ねるように笑って鎧を持って群衆に紛れて教会の奥へと走っていった。


 ちょっと飯ウマ?


「おいお前ェ! 笑ってるんじゃあない!!」

「メンゴメンゴ。でもさ、今の人なんか変じゃね?』

「ここの奴らみんな変だろッ!!」

「まあそうなんだけどさー。今の人、服着てなかったってことは剥がれた側の人ってことさな?」


 俺がそう言うと、ピクりとコハクトの動きが止まった。同時に背中に背負ったウィウィが「あれ?」と呟く。


「でもソラ、みんなのふくとってるひと、ふくきてるひとばっかりだよ?」


 うわを、さすがうちの姫。そんなところに目が行くなんてやはり知能3の天才か。


 ウィウィの言葉で俺の言いたいことをわかってくれたらしいコハクトは、顔を上げた。考え込むように顎に手を当てている。


 様になってるのはいいんだけど、このままだとまた追い剥ぎターゲットにされかねないので、今し方横を走り抜けた男が抱える服の山から一着抜き取ってコハクトの手にねじ込んだ。カモフラージュだ。


 あ、やべ。女の人の下着だった……まあいいか! こいつの服が剥がれるよりいいだろ!


「つ、つまり……最初は被害者だった人間も正気を失って服を剥ぎ始めたということか?」

「変化してんな」

「どうして……」


 まずいよなー、まだ安全でただの被害者サイドの住人でも、ヤバイ追い剥ぎ集団に染まるのも時間の問題ってことになっちまうもんな。


 そうなるとなにが”きっかけ”なのかが問題だろう。


「そのためには聞き込みじゃ! ヘイそこのパンツ剥ぎ取られてるおっさん!」


 俺はコハクトの腕を引いて群衆をかき分け、避けまくって壁際にたどり着く。そこにはたった今最後のぱんつを取られて壁に体を擦り付けて蹲っていた。俺の姿を見ると、正気を失った住人だと思ったのか悲鳴を上げられた。


「ヒイイイィィッ! これ以上オレから何を剥ぐ気だ!? 皮か、皮なのかッ!!」

「あは、おっさんの皮膚とかいらねー」

「急にすまない。この状況、いったい何が起きてるかわかるか?」

「知らねぇよおッ!!」


 コハクトの問に対して、半泣きで「オレに聞くなよ!」と切れるおっさん。そりゃそうだろうよ。


「皆変になっちまった! 急に教会から出てきたと思ったら最初は家具だの絨毯だの樽だの持って行きやがって! 今度は服か? ふざけんなよぉ!」

「え……最初は服じゃなかったのか!?」


 新事実。やっぱり情報引き出すにはゆさぶりに限る。そのうち異議ありとか言いたい。


 さて、今聞いたのでだいたい状況把握できたな。


「家具だの服だの持ち出して、しかもさっき焚きあげとか言ってたってこたぁ……」

「た、タキアゲ? まさか、教会から上がってる青い煙は……」

「うん、燃料にされてんな、家具とか、服とか(・・・)

「ねんりょ?」


 そうなると早く俺の制服見つけ出して救出しないと、ただの灰にされちまうわけだ。


「……ん? じゃあ、なんで燃えそうにないオレの鎧まで剥がれたんだ?」


 と、コハクトが疑問を口にしたとき、遠くから「金属は捧げ物にするからこっちに持ってこい!」という指示が飛んできた。高速答え合わせ。


「……捧げ物?」

「アステラのテロっていうのはこういうことなんだよ。まさに邪宗だろ。信者は人を不幸に巻き込んで神フィフティマに捧げるのが目的って話だ」


 へ〜、フィフティマね。神様なんだ、どっかで聞いたことある名前だな〜。


 ……はい、俺のこの世界に連れてきた(ヤツ)ね。


 創造神のユーリアシュが散々愚痴ってたけど! 信者にこんなことさせるような、ふざけにふざけたやつだったのか!? 想像以上かつお値段以上か。


 というか、コハクト今重要なこと言ったな。……信者“は”?


「じゃあなに、この奇行に走ってるこの集落の住人ほとんどアステラ信者なん?」

「んなわけあるかあ! オレたちは全員創造神様信仰だバカヤロウ!」


 ソッコーおっさんに否定された。もう涙でグッショグショだよ、この人の顔面。


「じゃあ、急に改宗したとでも?」

「しらねぇよ……集落の集まりでいつも使ってる教会の掃除にいった奴らが、急に変になって何もかも燃やし初めて……火を消しにいった奴らも正気を失って戻ってきて……変な煙は出てるし、なんなんだよもう」

「煙か……これもあまり良くないものかもしれんな」


 煙。あの集落の外からでも見えた青い煙のことだろう。たしかに、だんだんと煙は侵食してきて教会内の天井付近にも溜まっている。ウィウィの言っていた変な匂いというやつも、今なら俺にも感じられる。まだ煙が遠くても建物内というほぼ密閉状態では、病院に入ったときのようなスッとする匂いが頻繁に鼻を抜ける。


 コハクトは腰に下げている小さな袋からハンカチのようなものを取り出した。口を覆い隠すように当てて、頭の後ろで縛る。


「アステラに改宗したくなかったらなるべく煙は吸うな。命の危険よりも気を使うべきだ」

「なーる。ウィウィ、さっき渡した俺のジャージ口と鼻に当てとけ」

「ふぁいっ」

「いい返事」


 俺自身も煙を吸わないように、ウィウィにジャージの端を口に抑えてもらった。


「となると、問題はこの煙だな。いったいどう止めれば……」

「あ、いたァ! コハクト様ーーー!」


 今日すでに何度か聞いた言葉が聞こえ、群衆がどんどん出ては入ってくる入り口の方を見るとその波に溺れるようにして青い髪の男が必死にこちらに手を振っている。なんとかかんとか人混みをかき分けてこっちに来た。


「あ……すまんフェルム。ソラを追うのに夢中で完全に置いてってしまった」

「はあっ、い、いえ! まずボクなんかが勇者の足に追いつけるわけがないというか……はあ゛っ! ふ、服は取られましたがバックは死守したので! どうか見捨てないで……ゲホッ」

「すまん、絶対見捨てない」

「あはは、フェルムほぼ全裸じゃん」

「あはは〜」

「う、ウィウィにまで笑われた……」


 人並みをかき分けて俺たちのそばまできたフェルムは、ほとんどの衣服が剥ぎ取られて、下着とテイム用の鞭を下げるベルト、そして例の四次元バックしか身につけていない。俺よりひどいその有様がここに来るまでの苦闘が目に見える。


「そうだ。フェルムお前、アノネと一緒だったな?」

「あ、ハイ。ちゃんとバッグに入ってます」


 それを聞くと、コハクトは立ち上がった。向いている方向は教会に入ってきた人間が向かう、教会の奥にある階段だ。




【本田 (ソラ)

典型的な金欠男子高校生。せいふくだいじに。


【コハクト・グリフィン】

勇者。有能だけど抜けてる。


【フェルム・アナプルナ】

荷物持ちテイマー。

今は全裸になりかけながら、アノネも運搬中。


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