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才能に嫉妬するということ

 今回は7つの大罪をテーマに徒然に書いてみようシリーズです。

 いつも私は人の才能に嫉妬しています。当たり前のことですが私にはできないことが沢山あります。嫉妬という書き方はいわゆる7つの大罪をベースに書いており、正確には羨望となります。羨望とは自らの持たない優れた特質・業績・財産などを他者が持つときに起こる、それらへの渇望の事を示します。羨望は他者が自分が持たない望ましい物品を持つときに、自己肯定感の低下という感覚を受けます。


 いきなり話が飛んでしまい申し訳ありませんが、私は学生の時に趣味レベルで絵を描いていた時があります。そして社会人になった今になり小説を書き出しました。しかしながら絵描きや書き手で生活していくという気持ちはもっていません。私はもともと読み専ですし、才能があるとも思っていません。もしかしたら、この発言は書籍化を目指している方からみたら、そんなんだったら元々書くなよと言われるかもしれません。


 では、なぜ私が書き手を始めたかというと、「作品を書く事が、どういう事であることを知る」ことが必要だと思ったからです。


 ビジネスの話をさせて頂きます。ビジネスの世界では無知であることが命取りになることがあります。たまに他社が成功しているビジネスを、他社がやっているんだからという一言で始めようとする人達がいます。成功までにどれだけの試行錯誤があったかも考えないままに始めて失敗します。単に他社ができているんだから自社でもできるという人が世の中には多いです。(信じられないかもしれませんが本当の話です)


 私はビジネス経験を通じて、必ず物事を始めるときには、それがどれだけ難しいものなのかを知るようにしています。もちろん全ての事を実現することはできませんので、知る方法はインタビューや本を読む事も含みます。そして知るほどに、それが自分にできない才能であることを実感し嫉妬します。


 それでは、何故書き手を始めたかという話に戻します。もともと読み手だった私は、なろうで小説を読むことを楽しませていただいておりました。そして、感想やメッセージを書きたいなと感じ始めました。ただ、私自身の性格上、厳しい事を書くこともあるのではと考えました。その時、小説を書いたこともない人が厳しい事をいっても、ただの批判でしかないと思ったというのがきっかけです。


 そして、書き手の活動をしてみて、書くという事がどれだけ大変なのかがわかりました。そして、もし本職になるのであれば、才能が必要である世界であることも理解でしました。まあ、わかっていたことですが……


 ただ、私は人の才能に嫉妬するタイプですが、比較的心の折り合いがつきます。挫折経験が多いので慣れてしまったのかもしれません。でも、その中で分かっていることもあります。一流と言われている人の殆どは絶え間ない努力を呼吸をするように実施しているということです。


 努力をしなくても成功する天才肌の人もいるかもしれません。ただ、私から言わしていただけると、そんな方は一握りだと思っています。チャンスを掴むまでの活動をして、巡ってきたチャンスを確実にものし、さらに持続する努力を成功している人はしています。一部それを努力だと思っていない別の天才はいますが……


 では、私のような凡人は、どうやったら才能がある人に近づくのでしょうか? 私の答えは「知る」ことでした。知ることで色々なことがみえてきます。なろうの例でいえば、私は自ら書き手になることで、書くことの難しさ、感想を頂くことの難しさを知りました。また、なろう自体がコミュニケーションの場であることを知りました。もしかしたら皆様から見たら当たり前のことを言っているかもしれませんが、私にとって「知る」ことは重要なことになります。


 嫉妬に対する折り合いをつけることは、たぶんビジネスの世界でいうとジェネラリストになるということだと思っています。ジェネラリストはスペシャリストの逆の意味で使います。広範囲の知識や技術、経験を有することでスペシャリストの方々と話ができるようになります。(実際に社会人生活としてはジェネラリストですし……)

 一番怖いのは、「井の中の蛙大海を知らず」です。私の人生においての最も教訓とすべき言葉となっています。


 では、私のような凡人には未来はないのかと思われるかもしれませんが、良い言葉があります。


「鶏口牛後」


 (むし)ろ鶏口と()るも、牛後と()()かれと言いますが、これはご存じの通り「大きな組織の末端ではなく、小さな組織のトップでいなさい」という意味です。ただ、私はこれを別の意味で捉えています。それは、「自分がコントロールできる範囲で、自分のできることをしなさい」という捉え方です。


 この考え方はビジネスでも使う方法です。たとえば、PC業界では世界中でPCが売られています。その中で1位を取ろうと思っても、非常に難しいです。あるメーカー様のPC業界のシェアは3%との事です。

 シェアの考え方は以下のようになります。

73.9%:上限目標値:独占シェア

41.7%:安定目標値:地位が圧倒的なシェア

26.1%:下限目標値:1位を狙うシェア

19.3%:上位目標値:上のほうにいると認知されるシェア

10.9%:影響目標値:市場に影響を与えるシェア

6.8%:存在目標値:存在が認められるシェア

2.8%:拠点目標値:入口にはいれるシェア


 つまり、PC業界全体からみると取るに足らない存在の数字です。ところが、ビジネス用途のノートパソコンという分野にしぼると、先のメーカー様は60%のシェアを誇っています。つまり、存在を認められる方法は考え方次第でいくらでもあるということです。


 認知されれば、本当に良い作品であれば、認められるのではないでしょうか? 目に止まればおかしい部分もしっかりと教えてくださる味方もできるかもしれません。

 このような話でしたが皆様の何かしらのヒントになれば幸いです。


 最後に嫉妬を題材とした作品のご紹介です。


若きウェルテルの悩み ゲーテ著 岩波文庫


 かのナポレオンも愛読したといわれる物語です。キリスト教が禁止してる自殺が増えたという社会的問題になった作品でもあります。好きになった人の婚約者が完璧であり、嫉妬に塗れる苦悩を書いたお話です。  

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― 新着の感想 ―
[良い点] まずは知ること。コントロールできる範囲でしっかりと行うこと。ひとつひとつがすべて沁みました。 私もしがない底辺ですが、目指すべき方向がすこし見えた気がします。ありがとうございます。
[良い点]  独自に分析し、その分析結果をもとに評価を書いている所にとても好感が持てます。  才能に嫉妬するという九話目は、わかる~となりました。私もね~、嫉妬しちゃうんですよね~笑  そんなそぶり…
[良い点] 自分が制御できないことはしないほうがいい、というのは至言ですね。 できない約束はしない、安請け合いしないということには気をつけています。 [一言] 何のために書くのか、というのは結構難しい…
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