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歴史に学ぶとネタがいっぱい浮かぶかもしれません

 今回は趣向を変えて歴史ものを書いてみました。宗教の話が多くありますので、そういう話が苦手な方はブラウザバックをお願いいたします。

 皆様は物語のネタを考える時にどのような事を考えますでしょうか?


 昔から小説を書いている方は、本をたくさん読むことで好きな作家をオマージュすることで文章を綴る事になれ、いずれは自身の想像力で物語を書いていくのではないかと思います。その時にプロットと言われる設定を考える方もいらっしゃると思います。


 そういう時にどうやって設定ネタを考えれば良いのだろうという悩みがあるかもしれませんが、私はそれに「世界史」がとても参考になるのではないかと思いました。「事実は小説より奇なり」という話もあるように人間の心情などが、とても色濃く知る事ができるのではないかと考えてます。


 よく異世界の設定などで人と魔族の戦いなどがありますが、これを種族の差だと考えないで信じている神の差と考えるとどうなるでしょうか? 異世界物を書かれている作品がなろうには多くありますので、神という概念を語るのも許されるかと考えています。断っておきますが、私は宗教は歴史事実として受け止めており、それに対しての何がどうであるという考え方はありません。


 さて、世の中には一神教と多神教があります。一神教の代表には「ユダヤ教」「キリスト教」「イスラム教」が有名であり、多神教の代表は「ヒンドゥー教」です。仏教は基本は一神教なのですが曼荼羅にもあるように神の化身が多くあります。日本はもっと複雑で「神道」という多神教の文化から「仏教」が輸入され、神仏習合されて独特に進化しており、さらに江戸時代は神がいない教えである「儒教」が宗教に近い役割を担っていたと言われており、完全なガラパゴス状態です。


 話を戻しまして、一神教には宗教の自由に対するジレンマが発生します。万人はこの神の前に平等とされるのですが、その神を信じない人に対しては「真理に背くヤツ」ということになります。そして「信者 VS. 異教徒」という差別意識が現れるのです。「平等だ、愛だ、平和だ」と唱えつつ、異教徒の弾圧を行ってきたという歴史があります。これは小説の時代背景のヒントになるのではと思います。


 一方、多神教は寛容だが不平等を是認します。古代ローマの宗教はキリスト教と思われる方がいるかもしれませんが、古代ローマの国教がキリスト教になったのは380年であり、その前まではギリシア神話に近い神をあがめる形でした。有名な話ですが古代ローマでは奴隷がいることが普通でした。この事実からみても多神教は不平等を是認している事がわかります。


 この一神教の宗教の自由に対するジレンマは世界の歴史に沢山の出来事を起こします。しかも複雑な事に「ユダヤ教」「キリスト教」「イスラム教」は、「旧約聖書」が元になっています。ちなみに「ユダヤ教」では「旧約聖書」ではなく「聖書」になります。


 元が同じなら何故争う事になるのかとガラパゴス宗教の日本人なら思うかもしれません。そこで以下のように整理します。これには預言者と呼ばれる「自己の思想やおもわくによらず、霊感により啓示された神意(託宣)を伝達し、あるいは解釈して神と人とを仲介する者」の存在が重要になります。

 

ユダヤ教:70年にエルサレム神殿が破壊されて以来、預言者はユダヤの民に下されなくなった

キリスト教:381年に「父なる神」「子なる神イエス・キリスト」「聖霊」は三位一体であるとした

イスラム教:628年のムハンマドが最後の預言者であり、最初の人間アーダムが最初の預言者である真正宗教


 イスラム教にアーダムという名前が出てくるように、基本的に元が一緒になります。さらにイスラム教には天使が出てきますし、ナザレのイーサーと呼ばれるイエス・キリストも出てきます。でも、三位一体の神の子ではありません。


 旧約聖書では偶像崇拝をしてはいけないことになっています。なら、キリスト教で像があるのは何故かという話ですが、イエス・キリストによって神との契約が更新された為、偶像崇拝に問題がないという事と神の姿は誰も見たことがないのでイエス・キリスト像やマリア像を通じて真実を見通すので偶像崇拝をしていないと言われています。


 ここでもう一度、一神教のジレンマに戻りましょう。「信者 VS. 異教徒」という差別意識が出る事は話をしました。イスラム教から見れば預言者の一人を神というキリスト教、キリスト教からみれば628年に預言者がいるイスラム教、そもそもムハンマドもキリストも認めていないユダヤ教。そして聖地は3宗教とも同じイスラエル。これでは争いが起こるしかありません。


 さらに問題は同じ宗教内でも争いが発生している事です。


 イスラム教は後継者問題が発生しています。イスラム教ではムハンマドの弟子の中から後継者を選ぶべきだと考えた信徒たちに対し、ムハンマドの親族が後継者になるべきと意見が対立しています。親族派がシーア派と呼ばれるようになり、それ以外がスンニ派と呼ばれています。そして、この対立は戦争を起こしているという事実があります。


 キリスト教は考え方の違いから「プロテスタント」「カトリック」「正教会」に分かれます。残念なことに、考え方の違い=異端といった感じで戦争が発生しています。一神教は異端教徒に本当に厳しいのです。幸い現代では科学の発展により宗教観が変わってきているので昔のような弾劾は少なくなっています。それでも戦争は現代でも起きてます。


 本当に人が生み出した歴史は「事実は小説より奇なり」と言わざるをえません。宗教の考え方は人それぞれだと考えています。歴史は記録する側からの勝者の事実であることが多い為、本当のところは何かは分かりません。ただ、いまではYouTubeやWikipediaなどで情報を手に入れる事が容易です。


 このように話のネタを考えるときに歴史から学ぶものも良いのではないかと感じています。また、ローマ史などはヨーロッパの基本になりますので、調べるのも知識向上として良い事ではないかとも思います。


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― 新着の感想 ―
[一言] 今回も勉強になりました (*´▽`*) 歴史はネタの宝庫ですよね。 宗教も難しいですけど、偉い人にはそれをネタにして小説にして欲しいとも思いました。
[良い点] ネタ探しに歴史を読む。わたしも世界構築には歴史を参考にしています。色々な事情でヒストリカルにはしていないので、厳密には歴史に従うことはないのですが、貴族社会の構成や決り、タブーなどは十分に…
[良い点] いつも楽しく読ませて頂いています。今回も興味深かったです^^ 大学で聖書について学んだ頃を思い出し、懐かしい気持ちになりました。 [一言] こんにちは。 歴史に触れるたびに思うのですが、…
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