私の中での戦闘シーン
今回は徒然なるままに思った事を書いています。
色々な分野の小説を書いてみたいと思っている茂木多弥です。今回は戦闘シーンのイメージのお話です。
戦闘シーンといえば、少年漫画などに載っている個人が突出して頑張るみたいなイメージがありますが、私の中でそういうのは違和感があります。どちらかと言えば、戦闘って歴史に則って集団戦ではないのかなと思います。つまりは戦争ですね。
私の愛読書の一つに塩野七生先生の『ローマ人の物語』があります。どのような内容かというと、2000年前のローマ帝国ができてローマ帝国が滅びるまでが執筆されています。物語と題名に書かれていますが、歴史書なので最初は読みにくいと思ってしまうかもしれません。
書き方の話はさておき、ローマ帝国ができて滅びるまでになりますから、数多くの戦闘シーンが書かれています。私の戦闘イメージは大体ここがベースになります。2000年も前からどのように人間が工夫して戦ってきたかがよく分かり、また戦争というものがどういう思惑で行われているかもみえて非常に面白いです。
たしかに、日本の戦国時代や明治維新、中国の春秋戦国時代や三国志時代なども面白いのですが、どうしても英雄譚になっています。やはり司馬遼太郎先生や吉川英治先生の影響が大きいのですかね……
さて、ローマの話に戻りますが、戦いは包囲してある程度殲滅して降伏させる形が基本となり、戦争の被害もできるだけ最小にして、その場所の統治は地元の有力者に任せるという形が多くなります。なので戦ってハイ終わりって言うことにはならず、後処理が終わるまでが戦闘というのが頭の中に入ってくるため、「うーん……戦闘……」と妄想を始めると破綻します。
余談になりますが、史実ではその辺りはしっかりしていて、収穫の秋前には戦争しないとか、戦争の始まる前に口上を述べたりとか、被害をお互いに抑えたい時は一騎打ちするとか暗黙のルールみたいなものがあります。ただ、近代兵器の登場で逆に無差別の大量殺戮ができるようになったんですよね……
また、脱線しました。だから何を言いたいのという話になるのですが、私がアクションジャンルを書くとしたら、真っ先に思い浮かぶのが漫画『キングダム』のような感じの「集団の中の個人」になって、本当に上手く書けるのかなって思ったりするわけです。まあ、アニメで戦闘シーンは多々ありますし、実際に短編(『ヒューマロボティア 王女と侍女』)で真似して書いては見ましたが、大勢を出したくないので書きながらご都合主義を炸裂させて、一騎打ちばかりにしてしまいました。
もし異世界での戦闘をイメージするなら『封神演義』がベースかなって思っています。アニメで有名になりましたが、私は安能務先生の訳本で読みました。ただ……中国の物語は面白いのですが、最初に活躍していた人がいきなり居なくなったりするので辛いのです。それはさておき、個人戦闘ものだと封神演義の感じで書くのもいいかもしれないと思いました。集団戦闘ものだと北方謙三先生の『血涙』のような軍隊として扱いその中での息遣いなどを描写するのも素敵なのですが、そんな壮大な物語は書けそうもなく……
と……書いていて気付いたのですが、ある意味私も偏ってますね。なろうでの戦闘シーンはよく読んでいますので、好きな書き手様のシーンを真似る……うーん? さてさて、アクションジャンルは書けるのでしょうか……
以下、本文にあった本になります。(敬称略)
『ローマ人の物語』 塩野七生 著 新潮社
『竜馬がゆく』 司馬遼太郎 著 文春文庫
『項羽と劉邦』 司馬遼太郎 著 新潮文庫
『三国志』 吉川英治 著 新潮文庫
『血涙』北方謙三 著 PHP文庫
『封神演義』安能務 著訳 講談社文庫
『キングダム』 原泰久 著 ヤングジャンプコミックス