戦略論を見直すと色々と見えてきます
今回は戦略論です。私はこのエッセイにおいて「底辺と嘆く人に100ptを取るには」という題材で書いている事が多いのですが、戦略論を語るには原点の見直しが必要となります。それは後で書きますので、まずは「良い戦略」と「悪い戦略」について語っていきたいと思います。
「良い戦略」とはシンプルで、現状からの打開の決定的要素を見極めて「リソース」をつぎ込むことです。私はこのリソースを「時間」と位置付けています。「なろう」においては、基本的にマーケティング原理を使って、自分の作品を読み手様に見て頂ける機会を如何に作るかという事を結論としています。
では、「悪い戦略」とはどういうものでしょうか? 特徴は4つあると言われています。
・中身がない
・目標と戦略を取り違えている
・単なる思い付きの寄せ集め
・重大な問題を無視している
1番目の「中身がない」というのはとても単純で、「良い作品を提供する事により、皆に読まれるようになって100ptを突破する」という戦略のようなものとなります。何をすれば良いのかを考えていません。良い作品を提供するとは何か? 皆に読まれるにはどうすればいいのか? 全く分かりません。
2番目の「目標と戦略を取り違えている」というのは、「月間ランキング5位以内に入るようにする」というようなものです。確かにランキング5位以内に入る事ができるなら、マーケティング理論から常に目につく状態を作る事ができるので合っているように思えますが、そもそもランキングに載るぐらいなら100ptは超えていますし、具体性が全くありません。
3番目の「単なる思い付きの寄せ集め」。自分で考えた思い付きで考える事なのですが、例を言えば「なろうの読者は異世界が多いので、異世界の作品を書けば100ptを取る事ができる」と言ったようなものです。異世界作品を書いても100pt超えるなんて全く保証はされません。ただ「なろう」では、色々な方がptの取り方を実は書いているので、しっかりと調べると私のエッセイよりも具体的にやり方が書いてあります。例えば毎日更新や短編よりも長編とするといったような内容は、私も何個か実施をしましたが効果があります。
4番目の「重大な問題を無視している」は、自分の問題点を把握しているかという事になります。ミクロ視点で見れば、「なろう」の世界はライトノベルなので、読み易い文章などを書いているかというような話なのですが、マクロ視点にすると物事が違って見えてきます。
マクロ視点で見た時、戦略の見直しで重要なのは「なぜそれをするのか?」という話が出てきます。私は「底辺と嘆く人に100ptを取るには」という題材で書いていますが、実は100ptは戦略目標でしかありません。このエッセイを読まれている方に聞きたいのですが、なぜ底辺を嘆いてポイントを獲得しようとするのでしょうか?
ここで必要になってくるのがビジョンです。
ビジョンや戦略は変えていくものになりますから、「なろう」に最初に登録した時と考え方が変わっているとは思いますが、改めて「ビジョン」を見直すのもよいと思います。ビジョンというのは理想像の事であり、どのようになりたいかという話です。そのビジョンに対してポイントは何を意味しているのでしょうか?
例えば、書籍化作家になるというビジョンを立て、その指標としてポイントを参照するというのもあるかもしれません。では、戦略としてのポイント獲得の先には書籍化作家があるというと、そうではなく、スタートラインに立ちやすくなったという事に過ぎないと感じています。次の戦略は「公募」になると思います。
自分の作品が沢山の人に読まれるようになる自己満足の達成という方もいるかもしれません。ポイントの獲得はランキングに出やすくなりますので、ポイントの獲得は正しい方向だと思います。ただ、ワンパターンの作品だったりすると人は飽きやすくなりますので、次の戦略は「新しい要素」の開拓になるのではないかと感じます。
このように書くとお前は偉そうな事を言っているなと思われるかもしれません。しかしながら、ビジネスにおける戦略論はそのようなものなのです。では、私のビジョンはどのようなものなのかを書きます。
私の今のビジョンは、『「なろう」に登録することで書き手様とつながりサークル活動のように楽しむ』というものです。そもそも感想が書きたくて「なろう」に登録したので、今のビジョンに近いものがあります。当時の私は感想を書くとしても辛口になる可能性もあると思いました。その為、私も実際に小説を書くことで、たとえ辛口を書いたとしても「お前はわかっていない」と言われないようにしようと考えたというものがあります。
小説を書き始めましたが最初の長編小説も読まれませんでした。次に書いた短編SF小説も殆ど相手にされませんでした。しかし、その短編SF小説で初めて感想を頂けた時に、とても嬉しくなり今のビジョンにつながりました。感想を貰いたくて「長編コメディ」を書き始め、その途中でコメディイベントがあった事もあり、色々な方とご縁を頂けるようになりました。
イベントへの参加や感想を書き続け、小説も時折書いた結果は以下の通りです。
・長編コメディ(10万文字以上)ブックマーク100以上、10万PV
コメディ部門で日間1位
コメディ部門で週間3位
コメディ部門で月間11位
・短編童話
童話部門で日間1位
童話部門で週間1位
童話部門で月間3位
もちろん100ptを頂けております。さらにご縁を頂いた事で過去代表作として短編SFを掲載したところ、その作品も100ptを達成することができました。
私の事を書きすぎましたが、「ビジョン」の必要性が少し見えると嬉しいと感じます。では、改めて確認をしたいのですが、なぜ底辺を嘆いてポイントを獲得しようとするのでしょうか? そして、実施している戦略はビジョンに対して正しく立てていますでしょうか?
では、良い戦略を立てる方法は何かというと「仮説→データの解析→新たなる仮説」を繰り返すという事を繰り返すことになります。このサイクルを実施するるためのテクニックがありますので、ご紹介します。
・核となる考え方に常に立ち返る事
・問題点を正確に見極め、何故それをするのかを考える事
・最初の案に固執せず徹底的に見直して次の案を考える事
そして最も重要な事は行動をすることとなります。
いかがでしたでしょうか? 「なろう」の世界をビジネスとして捉え、「まだまだやれることがある!」と思われた方がいらっしゃれば、書いた甲斐があったかなぁと感じております。