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創作の素晴らしさを人類史にみる

 人類史の話を聞いたことがある人はネアンデルタール人という名前を聞いたことがあるのではないでしょうか? お決まりの猿から人に進化する二足歩行への移り変わりの図などをみて、こんなのあったなぁって思うのですが、実はネアンデルタール人は絶滅してました。私達人類はホモ・サピエンスが祖先になるのですね。私は間違って覚えてました。


 いわゆる霊長類といわれる私達の分類は、ちっちゃなネズミみたいな猿から始まり、原猿類と真猿類に進化が分かれ、オラウータンと分かれ、ゴリラと分かれチンパンジーと分かれ、人科になっているそうです。その人科からネアンデルタール人、フローレス原人、デニソワ人、ホモ・サピエンスの4種の人類が分かれ、最終的にはホモ・サピエンスが人類として勝ち残ったと言われています。


 人類の話になると、よく比較されるのはネアンデルタール人とホモ・サピエンスとなります。おそらく大量の化石が出土されたのだと思われますが、同じ人科に属しながらネアンデルタール人は絶滅したのは先に書いた通りです。では、ネアンデルタール人とホモ・サピエンスの明暗を分けたのは何なのでしょうか? その答えはある本に書かれていました。


サピエンス全史(上)文明の構造と人類の幸福  ユヴァル・ノア・ハラリ (著), 柴田裕之 (翻訳)

サピエンス全史(下)文明の構造と人類の幸福  ユヴァル・ノア・ハラリ (著), 柴田裕之 (翻訳)


  河出書房新社か出版されている本で、2017年にビジネス書大賞を取った本となります。


 この本によるとホモ・サピエンスが手に入れた武器は『虚構』だといわれています。ターニングポイントは7万年前〜3万年前、理由は明らかになっていませんが、ホモサピエンスだけが新しい思考と意思疎通の方法を獲得しています。これを「認知革命」と呼び「虚構言語」を手に入れたと言われています。


 「虚構の言語」とは、実在しないものについての情報を伝達する能力、架空の事物について語る能力の事を示し、例えば、伝説、神話、神、宗教などを作り上げる能力となります。神が実在しないというと暴言になるかもしれませんが、嘘の神様を作った人もいたと思います。お互いが異なる神を信じて戦争をしていますし、過激になったりしているのは歴史が物語っています。例え本当の神がそれを望まないにせよ……


 さて、話を戻しまして「認知革命」が7万年前に起こり、1万2000年前に「農業革命」が起こったと考えられています。狩猟などで過ごしてきたところから、農耕という文化ができたという革命です。狩猟は一緒に短期間狩る事で経験で色々な事を引き継ぐことができますが農業はなかなか難しいと感じます。言語が出来たのは5万年前頃と言われており既に伝えるという事はあったわけですから、経験則の伝承の為に虚構が使われたと考えるのが自然だと思います。


 経験則の伝承なら言語でいいのでは? という話がありますが、私は人というものはどうしても理不尽には耐えることができないものだったと思っています。簡単に言えば、何か物事が起こったときには理由を探したいものです。例えば天変地異で畑がぐちゃぐちゃになった時、神がお怒りになったなどと思えば、何かしら納得してしまっていたのではないかと考えます。


 さらに我々ホモ・サピエンスは虚構というものを手に入れることで、より未来への進歩の手がかりを手に入れたと私は考えています。例えば空を飛ぶことは昔は出来ませんでした。しかし、ギリシャ神話ではイカロスは翼を持って空を飛んでいます。空を飛ぶことに対しての憧れを抱き続けた先人のおかげで、現代の私達は飛行機やヘリコプターで空を飛ぶことが出来ています。


 虚構で仮説を立てるということができるようになり、科学の進歩に役に立った一面があったのだと思いますし、先ほど書いた虚構による実現をしたいという憧れが人々の進歩を読んでいるのではないでしょうか? 私たちは今色々な便利なものを持っていますが、簡単に歴史をたどると最近に一気に進化しています。

世界最初の写真:1827年

世界初の電話:1876年

世界初の有人動力飛行:1903年

世界初のテレビ放送:1935年

世界初のカラー本放送:1954年

世界初の市販の手持ちできる携帯電話:1983年

世界初のスマートフォン:1992年

iPhone:2007年


 さて、虚構という言葉を使ってきましたが、虚構は「実在しないものについての情報を伝達する能力、架空の事物について語る能力」ですので、これって……って思われた方がいらっしゃると思います。そうです、別の言い方をすれば我々がしている「創作」活動であると考えることができると思います。


 インターネットの普及に伴い、様々な情報が素早く簡単に入手できる時代となりました。昔の話を聞くとやはりメディアや本などが情報源でしたし、登竜門があったため新しく面白いと思われるものの普及は難しかったのではないかと思います。それが今ではホームページやブログ、YouTubeなどで創作の公開が可能な時代になっています。


 逆にいうと創作活動という我々人類が勝ち得てきた武器を比較的簡単に使うことが出来る時代となっていると言えます。さらに言えば、「なろう」では無料で作品を発表出来ますし、創作に関するサークル活動も出来るようになっています。素晴らしいシステムですね。


 私はもともと読み専といわれる読者ユーザーでしたので、私が好きな物語を漁っては読むという事を繰り返してきましたが、本当に面白い作品が多いと感じています。なろうでの物書きが、我々人類しかもっていないという武器である「創作」と考えれば、今悩まれている書き手様のモチベーションにもなるのではないかと考えます。


 是非、みなさまに素敵な創作ライフを送って頂きたいと感じます。私も頑張らないと……

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― 新着の感想 ―
[良い点]  私は不思議が好きで、宇宙や人類の起源についてネットで読みあさったことがあります。  今回は、とても興味深く読ませていただきました。
[一言] なるほど、「創作」は武器ですか! 言い得て妙ですね! でも確かに想像すら出来ないことは実現させられないというのはまさにその通りだと思いますので、これからもいろいろ妄想していきたいと思います!…
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