怠惰の罪を誤解されている方がいらっしゃるかもしれません
今回は7つの大罪をテーマに徒然に書いてみようシリーズです。
今回のエッセイのテーマは「怠惰」です。
怠惰といえば、皆様は「なまけもの」を想像するのではないでしょうか? ここは「なろう」なので、読み手様の期待値としては以下の話題が想像されます。
・2:8の法則 ※2割の働きバチの話
・動物のなまけもの ※実は夜は激しく動き回る
・リゼロのペテルギウス ※リゼロ:re ゼロから始める異世界生活
申し訳ありません。残念ながら今回はそれらの話を準備しておりません。シンプルに怠惰をテーマとして、7つの大罪からアプローチしていきたいと思います。
実は怠惰の本来の教義での意味は「仕事をせずに怠けている状態」ではなく、宗教で定められた安息日を使わず働き続ける事で、本来の自分の姿を見失うことを戒めたものなのです。
つまり、休まないことに対する罪が怠惰の罪なのです。これを知った時はビックリしました。
今の日本は週休2日の企業が多いのですが、昔の企業は週休1日でした。では、この週休1日というのはいつから日本に導入されたのでしょうか? 答えは明治時代に入ってからだそうです。文明開化という欧米近代化の時に安息日を取り入れたと言われています。
そしたら明治時代前の江戸時代はどうなんだという話ですが、盆と正月しか休みがなかったとのこと。だからと言って悲観することはありません。生活サイクルは以下のようだったようです。
・朝
近所に変わったことがなかったか声をかけて回り何かあれば対応。これを「朝飯前」と呼ぶ
・朝食後
午前中は「仕事」、働いてお金を稼ぐ
・昼食後
人のため町のために「傍」を「楽」にするために働いた。報酬がなく今でいうボランティア
・夜
明日のためにリフレッシュするための「明日備」と呼ばれる時間を過ごす
ただ、これらは武士の家の話で、町人などは日没まで働いたそうです。(雨の日はお休み)
武家は1日のサイクルで休みを上手く取って過ごしてきたという事だと思います。
安息日の話に戻しますが、これは何故休みになったのかは調べてもわかりませんでした。旧約聖書に神がお決めになったという話以外を見つける事ができなかったので、2000年以上前から自然と宗教と絡んで週に1回は休んだほうが良いという事になったのかもしれません。
怠惰の罪は、安息日という「神に祈り、自分を見つめ直す」という事をしない事の罪なので、休まない罪となります。宗教の布教が絡んでいるのかもしれませんが、休まないことが罪という考え方は面白いと思います。
さて、怠惰の罪の事は分かりましたので、次に怠惰そのもののにフォーカスしてみます。
どうやら、怠惰はメンタルヘルスの問題というよりかは習慣に問題があるとされているようです。
まず、「自尊心の欠如、他者からのいい認識の欠如、自信のなさに起因する練習の欠如、活動への興味とその効果を信じることの欠如が反映され得るとされる」とwikiにありますが表現が難しいですね。つまり、言い訳をしてやらないという事ではないかと思います。
また、「刺激や衝動などからの報酬や喜びによりドーパミンの放出や神経伝達物質の応答が増加する。これらのドーパミンがより多く放出されるほど、生産的で価値ある行動への評価および受容の不寛容性が増大する」ともwikiにあります。より面白いものがあると流されるという事でしょうか。
これらが習慣に問題があるという話であれば、できない言い訳を探す事や面白いことがあるとそちらを優先する事は、普段からそういう事をしているとそういう人物になってしまうということですね。少し怖い気がします。
そういう人間になってしまうという意味では、似たような言葉で「堕落」があります。でも、怠惰と堕落は同じ「ダ」の音でも文字が違います。
堕落とは、罪を犯す、汚れる、醜くなる、下劣になる、卑しくなる、落ちぶれることを言うそうです。怠惰が怠ける事を示すので、怠惰の罪とは怠けて堕落することになるかと思います。
ただ、宗教上の堕落で有名なのは、原罪といわれる神の教えに背いたことによる人間の堕落になるでしょうか? 原罪については諸説や解釈の違いがあるので、どれを信じるかはお任せします。
私が注目したのは、「堕落した御使いは悪魔と呼ばれている」というwikiの部分です。あの有名なルシフェル(堕天使の長であるサタンの別名)になるわけです。想像力たくましい人々からは堕落した天使でさえ美化されるという……
少しお話がずれてしまいました。怠惰というテーマ自体を注目してしまうとおかしな方向にいってしまいますので、最初の怠惰の罪の話に戻しましょう。
怠惰の罪が休まない罪というのは非常に興味深い考え方だと考えます。休みといえば、そもそも哺乳類全般は睡眠という休みをとります。この睡眠は何故行われるのかは厳密にわかっておりません。ただ、質の良い睡眠は健康になると言われています。
ここからは私の勝手な考えですが、睡眠という生理的な現象は脳に重要な役割を持っていると思っています。世の中には大量の情報があるため、どうしても忘れる事が重要になっているのだと思います。もし、大量な情報を覚えたままでいるとどうなるでしょうか? 想像するだけでも怖いと感じます。
つまり、情報を整理し必要な要約した状態を残すことで、脳が正しい動きを保ち続けることができるのではないかと考えています。よく夜に勉強して朝に復習すると物事が覚えやすいと言われるのは、この部分にあるのではないかと考えます。
それでは創作活動においては、どのような活動をすべきでしょうか? やはり思いついたことを片っ端から記録しておいて、脳が整理された状態でもう一度見直すということをするのがよいのかと考えます。思いついた状態では確かに面白いのかもしれませんが、ストーリー矛盾などが出てしまいがちです。それをいったん休むという事をすることで整理をして、見直して書き直す。なんとなく良い感じがします。
過去に仕事で14連勤務2徹ということをした事がありますが、最終日はちょっとした問題が起きた時に気を失ったのを覚えています。やっぱり人は休むということが重要なのだと思います。
休むという事を行わないという怠惰の罪。興味深い話ではありませんでしたか? 私は無宗教ですが、このような宗教的な教訓(?)などは、面白いと感じます。




