嵌められたあの時
俺の村はごくごく普通の村だった。
貴族様に年貢を納め家畜や畑などを育て暮らしていた。
朝は、村人全員で教会に行き仕事を終える時間になれば各々で教会に祈りを捧げ続けた。
俺の親はいつもこう話した。
「神様がいつまでも見守って下さる。だから感謝しなくては、ならないよ。」
そう俺は、育った。そして数年が立ち運命の時がきてしまった。俺が神を恨み信じなくなった出来事があった。
俺は、他にも数人で都市に野菜やチーズなんかを出荷しに行っていた。俺の住んでいた村で取れた野菜や牧場のチーズなんかは安くてすぐ売れると客からも評判がいいと商人達が喜んで高く買い取ってもらえる。
そして帰りに、酒なんかを買って村人で分けるようにしていたんだ。
そして帰り道俺達の村から火の手が上がっていた。俺達は青い顔になりながらも馬を急がせた。そこに写っていた光景は、悲惨だったよ。
他の村人は、男と年寄は全滅、女子供の死体はなかった。俺達は崩れ落ちた。泣き崩れる者、失神してしまう者、そして気力を失い自ら命を断つ者まで、出てきてしまった。そして俺達がそうしている間に兵士が来てそして俺達は、捕らえられてしまう。
俺達は、出荷しに都市に行ったと言いはったが聞いてはもらえなかった。俺達の所持品に多くの金が入っていたことから俺達の手引きであの村が焼かれたんだと領主の貴族が証言したと……俺達は、処刑されることが決まってしまった。
そして処刑日当日俺達は、驚いた。俺達の村の子供が領主の隣で水簿らしい格好で涙を流していたからだ。俺は、この時理解した。あの娘は、村で一番綺麗な娘だった。領主も気に入りその娘を愛人として屋敷迎えたいと言い出していたことをそして娘はそれを断っていたことを俺達は貴族に嵌められてしまったんだと。そして次々に処刑されていった。そして俺の番に回ってきた。