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敗者復活の鐘が鳴る  作者: 齋藤翔
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 目を覚ますとそこはテント中だった。体がギシギシと痛い。


「いっつう」


 今は朝だろうか? 昼だろうか? 夜ではなかろう。


 体がズキズキする。そしてひどい風邪を引いてしまったような気分だった。オーバードライブなど二度とやらない。


 辺りを見回す。テントの中には自分一人しかいない。砂浜で寝たはずだが誰かが運んでくれたのだろうか? 痛む体を引きずって外に出た。砂浜には誰もいない。ロッジへ向かう。扉を開けて中の様子を見る。どこにも誰もいない。ひとりぼっちだった。


「そうか」


 ルルアはもういないんだ。


 地球へ行ったのだ。


「これで良かったんだ」


 何度もつぶやいた。


 涙も出てこない。


 悲しい時、涙が出るのと出ないのとではどっちが悲しいのだろう。


 分からなかった。


 ロッジを出てテントの中から武器の変身ワンドを取る。そこでふと気づいて背中を触った。


「痛くない」


 どうやらアノンがヒールしてくれたようだ。


「ありがたい」


 テントを出た。岩場まで歩きツルをつたって外に出る。太陽は空の中心にあり昼間だった。祭は終わったようだ。


「皆、じゃあな」


 俺は山を登って歩き出した。両親の元に帰ることにした。一生懸命登った。普段より汗が多く出てくる。体調が悪いせいだ。オーバードライブのせいだった。それでも何とか体にムチ打った。


 やがて山頂付近に来る


 少し離れたところに湯気が立ち上っていた。天然の温泉だった。そう言えばルルアと初めて再会したのはここである。


「よし」


 俺は岩場で服を脱いで裸になり湯船につかった。温泉の先端まで行き岩場に頭をのせる。眼下には見晴らしの良い光景。東校の校舎が見えた。三日ほどしか経っていないのに、なんだかもうずいぶん長いことお世話になった気分だった。なんだか意識がとろりとしてきた。


 ……。


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