㉗
アジトの一番大きい家の玄関前。ローゼンとミストダガーのメンバーたちが俺を囲んでいた。二十人ほど。これが全員だったようだ。ルジーとヘレナは未だに拘束されている。荷車に寝かされて運ばれていた。ルルアたちの姿は無い。捕まってはいないようだ。
門の入り口を破壊して入ってきたようだ。
ローゼンは重々しく口を開いた。
「もう一つの鐘が見つからずに帰ってきたかと思えば」
がん飛ばす。
「お前、約束を破ったな」
「約束? 何のことだ?」
俺は両手を開いて首を振った。
短髪の強面が凄みをきかせる。
「ケイの言うことを聞かなければ、ルジーとヘレナを殺すと。しかしこのざまは何だ?」
「聞いて無いな」
「耳が悪いのか?」
「俺もお前に一つ、約束しよう」
俺は人差し指を立てた。
「ん?」
ローゼンは眉間にしわをつくる。
「今から、ルジーとヘレナを助けてくれたら、お前を殺さないでやっても良い」
「調子に乗るなよ」
静かな口調だった。彼は右手を上げる。
「全員、武器を構えろ」
弓矢、ロッド、トンファー、様々な獲物がこちらを向く。
戦おう。俺は決断した。
俺は右手のワンドを振った。
「かかれ!」
「来たれ! 遙かなる死者の怨念、変身、貴公の名は、デスナイト!」
俺の体が光りで爆発した。中から現れたのは中が空っぽの白銀の武者である。
「なんだと!?」
ローゼンは目を剥いた。
部下たちが彼に顔を向ける。指示を仰ごうとしている。
「お前ら全員落第だ」
俺はくぐもった声をとどろかせた。
「教師に代わって」
ソードを突き出す。
「残念賞をくれてやる」




