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敗者復活の鐘が鳴る  作者: 齋藤翔
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 テントの中。ルジーとケイスケは布団にくるまって眠ってしまった。テントはルジーが故郷から持ってきたものだった。俺たちのものは先ほど燃えてしまった。


 俺は心の中で決めていたことがあった。それは、そろそろ両親の元に帰ろうと言うことだ。早すぎるだろうか? しかしハイガクに来た目的は達した。幼なじみの女の子・ルルアはたくましく育っており元気な様子である。それさえ分かればもうここにいる必要は無い。前線に帰ろう。俺はテントを抜け出した。


 すぐそばのロッジへ行き扉を開ける。


 ルルアには一言挨拶をしようと思った。


 寝室の前まで歩き扉をノックする。反応は無い。ちょっと不安になった。扉に耳をつけて音をさぐる。俺は耳が良かった。しかし誰の寝息も聞こえない。


 俺は鍵のついていない扉を開けた。タンスやベッドがある。人はいない。


「ルルア?」


 俺は寝室を飛び出した。ロッジを出て辺りを見回す。人の気配はない。俺はテントのある方とは逆の方に目星をつけて走った。


「ルルアー!」


 ふと見覚えのあるネコ模様の下着が落ちていた。他にも衣服が脱ぎ捨てられている。


「これは、ルルアのパンツ!」


 よく見ると血がついている。


 胸がざわざわとした。


 女の夜歩きはなんとやらだ。


「ル、ルルア」


 俺はパンツを抱きしめた。


 ルルアがどこの馬ともしれない誰かに乱暴されてしまった。


 パンツに血がついているということはそう言うことに他ならない。


「ぐす、ぐす、ルルア」


 人の気配がした。


「あんた、何やってんの?」


 見上げるとルルアとが歩いてきていた。暗くてよく見えないが裸である。


「ルルア、ごめんな」


 俺は正座し両手を膝についた。


「な、何を謝っているの?」

「言うな。乱暴されたんだろう?」

「は? 何を言って。ここには誰も来れないし。というか、それ私のじゃない!」


 ルルアがパンツをひったくる。


「どっか行って!」

「これからは、俺が守るから」

「は?」

「お前は、俺が守るから」

「あんたに守られるほど、落ちぶれてないし。というか、さっきから何勘違いしてんの?」

「勘違い?」

「私たちは、池に水浴びに来ただけよ!」

「水浴び? で、でも、パンツに血が」

「……生理」

「……生理?」

「だから生理だって言ってんでしょうが。この、変態スケベ男!」


 ルルアの蹴りが俺の顎に決まった。


 俺はその場に倒れて気を失ったのだった。


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