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敗者復活の鐘が鳴る  作者: 齋藤翔
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 校舎を出て森を歩いていた。木漏れ日がありちょっとした森林浴のような気分である。荷物の重さも気にならなかった。すぐそこの枝に青い模様をした鳥が止まりまた飛んで行った。さわやかな空気があった。


「テントを張る場所は、川の近くが良いですねー」


 アノンがほがらかな笑みを浮かべている。


「駄目よ」


 ルルアが首を振る。


「え、なんでですか? 川がそばにあれば、便利だと思うんですが」

「誰もがそう考えるから、敵に狙われやすいでしょ」

「あ、そっかあ」


 アノンはがっくりとうなだれる。


「洞窟があればいいんだけど」


 ケイスケが言った。


「ここら森にある洞窟はもう二、三年生に発見されてると思うけど」

「だよね」

「うん」

「できるだけ山の高い場所が良いですわあ」


 ナージュが人差し指を立てた。


「そうよね」

「え、なんでですか?」


 アノンが両手を広げる。続けて、


「あんまり高い所に行くと通学に不便な気が」

「山の奥なら、敵が襲いに行くにしても面倒でしょ」

「あ、そ、そっか」


 アノンが小刻みに頷いた。


「安易だけど、それぐらいしかありませんわ」

「うん」


 それから俺たちは一時間ほど山を登った。若干斜面ではあるが見晴らしの良い草原にキャンプを張り今日はここで眠ることになった。場所をここにした理由は敵に発見されやすいがこちらも発見しやすいからである。荷物を置き今度は川を探した。食事を作るには水が必要である。水を組むための容器と用心のため武器だけ持って俺たちは川を探した。荷物番はケイスケが担当してくれていた。


「なんか楽しいですね」


 アノンが言った。先頭を歩いている。


「そう?」

「わたくしはアノンさんの気持ち、分かりますわ。まるで、ピクニックのような」

「そうですそうです」

「私は、胃が痛いけど」

「胃薬いりますの?」

「いえ、いいわ」


 俺の前を三人の女子がかしましく会話しながら歩いている。のほほんとした雰囲気が漂っていた。しかし俺は警戒していた。ケイスケに荷物番を任せてよかったのだろうか? 初対面の男に心を許せる俺では無かった。杞憂の可能性は高い。だけど荷物が心配だった。


 川で水を汲んだ帰り。


 徒歩十五分ほどのところに川があり良かったと皆で言い合っているところだった。


 草原に出るとテントが燃えていた。


「これぞまさにキャンプファイヤーだな」


 俺はぼそっとつぶやいた。


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