表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
5/7

ボスとの戦闘は

昨日は投稿できなくてすいません。

戦闘シーンが気に入らなかったので手直ししてました。

 オークを倒してレベルが上がったか気になったのでステータスを表示した。


::ステータス::

~夜明 弥希~

レベル 1

 職業: 英雄Lv1

 体力: 300(100)

 魔力: 160 

攻撃力: 160(300)

防御力: 160

精神力: 190(100)

魔法力: 160

器用さ: 160

素早さ: 160

  運: 160


::スキル::

・全ステータス上昇Lv1


::装備::

・憤怒の剣


 強くなったぜ!

 と、思ったら無職から英雄にジョブチェンしたのとステータス上昇のスキルでステータスが上がっただけだった。

 カッコの中の数値は装備した武器や防具の値とミルが教えてくれた。


 俺よりも30倍強い武器とはコレいかに。


 それにしても……。


「レベルが上がってないんだが?」

『レベルが上がるタイミングは戦闘終了後じゃなくて睡眠後だからな』

「そういうのは先に言ってくれよ。期待してたのに」

『あははは。すまんな、ブラザー』


 ま、いいけど。

 先に進むか。


 そう思って冷静に足元を見るとグロ注意の無残な状況だった。

 テンションが上がってる時は気にしなったが、冷静になると込み上げてくる何かがあるな。


 手を合わせておこう。

 南無。


『何やってんだ?』

「生き物を殺したから供養? みたいな感じ」

『ふ~ん』


 手を合わせてしばし黙祷をした。

 この先はこれの繰り返しだ。


 だけど、戦うことは避けらないが倒した相手を思う心をなくしたら人ではなくなってしまう。

 そんな気がする。


「行こうか」

『あぁ』


 俺は覚悟を決めて先に進んだ。


+++++++


『バインド』


 オーク2匹が地面から生えた影に縛られ、身動きが取れなくなる。

 ミルの妨害魔法のバインドである。

 拘束する魔法でオーク相手でも完全封殺することができる。


「ッラアァ!」


 拘束されている1匹の胴の真ん中を突き刺す。


「ブルアァァァ!」


 オークが絶叫し、俺を更に血走った視線を向ける。

 心の中で「すまない」と思いながら剣を引き抜く。


 血が溢れ出し、オークは地響きを立てて倒れた。


 もう一匹も同様にして倒す。


「ふぅ~。お疲れさま、ミル」

『おう。ブラザーもな』


 今回は2匹だったから少し楽だったな。

 まぁ3匹でもミルが完全封殺できるんだけどね。


 最初の戦闘をしてからこれで5回目の戦闘になる。

 モンスターを殺すことにも少しだけ慣れてきたような気がする。


『お! 200メートル先にボス部屋だ。敵はなし』

「了解。ようやくボス部屋か」


 どうやら一階層は一本道だけだったようだ。

 道はグニャグニャと曲がっていたけど。


 と、言うか賢者ってどれだけ能力高いんだよ!


「賢者ってスゴくない?」

『ボチボチだな。賢者は完全に支援専門だからそっち寄りに上りが良いんだ』


 ミルのステータスを見せてもらったが、納得の内容だった。


::ステータス::

~ミーミル~

レベル 1

 職業: 賢者Lv1

 体力:  10

 魔力:  160 

攻撃力:  0

防御力:  0

精神力:  110

魔法力:  110

器用さ:  110

素早さ:  0

  運:  10


::スキル::

・水魔法Lv1 ・防御魔法Lv1 ・拘束魔法Lv1 ・探知魔法Lv1 ・回復魔法Lv1



 ミルの初期ステータスは俺と同様にほぼ10だが攻撃力、防御力、素早さはまさかのゼロだ。

 たしかに、あの黒いマリモに攻撃力とかないよな。


 賢者の職にジョブを変えたことで見れるようにはなったが、上昇率は英雄には劣るものの魔法系統のステータス上昇率は高い。

 そして注目すべきは初期スキルの多さだ。


 英雄は全ステータス上昇だけだったのにな。


 ミル曰く、英雄は大器晩成型なのだとか。

 そして試練を乗り越える度に強くなるらしい。


 まさに英雄だな。


 めんどくさい職についてしまったようだ。


 そして……。


「うわ、また出たよ。この門」

『物騒だな』


 ボス部屋の扉はミルがいた部屋と同じように威圧的な模様が描かれている。


 事前にミルからボス部屋の仕様について教えてもらっている。

 基本的に挑む者が部屋に入って扉を閉めなとボスは出現しない。

 扉を閉めて数秒後にボスと取り巻きが部屋に出現し、戦闘が開始される。


 取り巻きは基本的には道中に遭遇したモンスターだが、稀に違う場合もあるそうだ。

 なので今回はオークが取り巻きとなる可能性が高い。

 そしてボスは取り巻きの上位種がボスになる。

 もちろん違う場合もあるが、事前に知る方法はないのだとか。


 脱出方法は基本的に無く、例外なのが職業で転移のスキルを持っている者なら出られるらしい。

 それを使えばボスが上位種かどうか分かるのだが、確実にスキルが使えるとは限らないのでやはり事前に知る方法はない。


「オークの上位種って何だろう? 上位オーク?」

『何んじゃそりゃ。ハイ・オークだよ』

「強いよな?」

『まぁな。でも15階層ぐらいまでならフル・バーストで片が付くと思うぜ』

「そうか。なら開始直後にぶっ放すか」


 そうと決まれば実行あるのみ。

 門を押し開く。


 部屋の中はミルがいた部屋と同じだった。

 明るく、バスケットコートほどの広さとドーム状の屋根、壁も土が固められたようなゴツゴツしている。

 

 数歩進むと扉が勝手に閉まった。

 中央に黒い靄がかかり、出現したのはオークを一回り大きくしたような化け物。

 目に知的な光が見える。

 取り巻きのオークも少し遅れて出現した。


『上位種のハイ・オークだ。やっちまえ! ブラザー』

「おう! フル・バースト!」


 爆発と同時に爆炎が出現し、威力と火力が合わり確実な方向性を持ってハイ・オークに向かって行く。


 爆音と爆炎と爆風が部屋をかき混ぜる。

 以前、3匹のオークに放ったフル・バーストより格段に威力が上がっているのが分かる。

 全力ではないのにこれほどの威力とは。


『避けろ!』


 突然のミルが叫びだす。

 それと同時に爆炎の中から何か飛び出し、俺に向かってきた。


「なっ!?」

「ブガァァァ!」


 飛び出して来たのはハイ・オークだった。

 身体や腕の鎧は吹っ飛び、全身に火傷の跡がある。


 だが、目には闘志を滾らせて俺に接近し、拳を振るう。


『チッ! シールド!』


 動けなかった俺を守る為に俺とハイ・オークの拳の間にシールドを張るミル。


 だが、ハイ・オークの拳はシールドを軽々と砕き、俺を吹っ飛ばしたのだ。


「ガハァ!?」


 脇腹辺りに直撃した拳は肋骨を砕き、内臓にもダメージを与えた。


 ハイ・オークの拳の威力は凄まじく、地面を数度バウンドし転がって壁に激突し、ようやく止まった。

  

「ふ……ざけんな、マジで……」


 ミルが咄嗟にシールドを張ってくれなかったらあの一撃で死んでいたかもしれない。


『ヒール! バインド!』


 俺の身体に緑色の光が包み込んだ。

 ミルの回復魔法のヒールだ。

 そして、ハイ・オークを拘束する為のバインドを即座に放つ。


 傷が癒えるのを待ちながら戦況を見守る。


 ミルの放ったバインドはハイ・オークを拘束するに至らず、力任せに拘束を引き千切っている。


『バインド、バインド、バインド』


 連続でバインドを使うが、ハイ・オークはこの魔法を理解したのか拘束される前に踏みつけて消し去っている。


 タイミングを計ったのかカンなのか、バインドの影が表れる前にハイ・オークはこっちに突撃を始めた。


 だが、ミルはそれを読んでいた。


『バインド、バインド、バインド』


 バインドはハイ・オークの足に絡み付くが、すぐに引き千切る。

 拘束魔法を使って転倒させようとしているが効果は薄い。


『シールド!』


 拘束魔法は効果がないと思ったのか、ミルは防御魔法のシールドを張る。


 ハイ・オークの正面にシールドが張られるが、シールドは体当たりによってガラスのような音を立てて散ってしまった。


 ハイ・オークが確実に迫っている。


『シールド、シールド、シールド』


 またもや連続で魔法を行使するミル。

 シールドはハイ・オークと俺の間に等間隔に張られている。


 だが、そんなのは無意味だと言わんばかりに体当たりで破壊しながら突進してくるハイ・オーク。


『拒絶する意思を……』


 ミルが呟く。

 

 逃げようと身体を動かそうしてもダメージで動けそうにない。

 クッソ!


『具現化し……』


 ハイ・オークが眼前まで迫り、拳を振り上げる。


「っぐ」

『拘束せよ』


 俺は目を閉じ、迫る拳から視線を逸らす。


『チェーンバインド!』


 俺のすぐ横から物音がし、恐る恐る目を開ける。


 そこには鎖に拘束されたハイ・オークがいた。


『行け、弥希!』

「う、うぁあぁー!」


 足元に転がる剣を握り、力の限りハイ・オークの胸に突き刺した。


「ブルアァァァ!」


 心臓を突き刺したのにまだ俺を倒そうと足掻く、ハイ・オーク。

 ミルの鎖も引き千切れそうな音を立てている。


「フル・バースト!」


 刀身を爆発させ、ハイ・オークを内側から攻撃する。

 ダメージの影響なのか威力は乏しいが内臓を焼かれて死なない生き物などいるものか!


「くそ! まだ、ダメなのか!?」


 ヤツは膝を折らない。


『いや、もう終わってるな……』


 冷静にハイ・オークを見ると、立ったまま死んでいた。


「はぁ~」

『ふはぁ~』


 こうしてハイオークとの戦闘が終了したのだった。


 立ったままのハイ・オークは黒いモヤとなり消えてしまった。

 刺さっていた剣が地面に落ちる。


「死ぬかと思った」

『俺も』


 ミルも戦闘中必死に拘束しようとしていたが、あいつには効果が薄かった。

 でも最後の鎖の拘束は俺も知らない魔法だった。 


「あの鎖の魔法ってバインドの上位の魔法か?」

『そうだ。魔力的にギリギリ発動できるが、省略詠唱をしてもあの程度の拘束力しかないとはな』


 悔しそうに語るミル。


「そもそも15階層までは楽なんじゃないのか?」

『俺のミスだ。すまない』

「怒ってないよ、また助けられたしな」

『それはお互い様だぜ!』


 間違いは誰にでもあるのだ。

 今後は同じミスをしないようにしなければならない。


 その後、ミルに状況説明をされた。

 本来ならミルの思い通りハイ・オークとオーク2匹はフル・バーストで消し飛ぶはずだった。

 だが、ハイ・オークはオーク2匹を盾にしたのだ。

 もちろんそれだけで防げるほど、フル・バーストの威力は弱くはない。


 全身の防具と火傷を代償にギリギリ耐えたのだ。

 そして防御を捨てて攻撃に全てを注ぎ込んだ結果、俺たちがピンチになった。


 今になって思えば、ボス部屋に入る前に休憩の一つもしないとか考えられないよな。

 寝ればレベルが上がってもっと楽に倒せたかもしれないのに。


 俺もミルも油断が過ぎたな。

 ここはダンジョンなんだ。

 俺たちを殺すことを目的とした場所なんだ。


 正直、舐めていた。

 強い武器に何でも知ってるミルという存在があり、俺は考えることをしなかった。


 最悪を想定することを。


 用心に越したことはない。

 今回は欠点が浮き彫りになのだ。


『ボス部屋は出なけば外からモンスターが入ってくることはないから、身体を休めてレベルを上げよう』

「そういえば、ここまで気絶以外で寝た記憶がないな」


 アドレナリンとかで感覚が麻痺ってたんだな。

 血を見るとテンションが上がるとか聞いたよな気がするし。


『慎重に行こう』

「そうだな」


 敷く物なのどなく、地面に直接横になる。

 やはり疲れていたんだろう。

 目を閉じるとすぐに眠ってしまった。

補足

・英雄

 職に就いた際に全ステータスが+100

・全ステータス上昇

 全ステータスに+50


・賢者

 職に就いた際に魔力、精神力、魔法力、器用さが+100

・水魔法

 水弾を生成し射出できる。

・防御魔法

 シールドを生成し展開できる。

・拘束魔法 

 バインドを生成し展開できる。

 鎖のバインドを生成し展開できる。

・探知魔法

 敵意を感知できる。

・回復魔法

 ヒールを行使し傷を癒すことができる。


・憤怒の剣

 体力 +100

 攻撃力+300

 精神力+100

・スキル

 フル・バースト

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ