本の中
「わたしは将矢です、よろしく。簡単の自己紹介も済みましたし、本題に入りましょう。」
五里霧中のままで、わたしは紅茶とケーキを楽しみながら司会役の将矢さんの話を聴いた。
「この茶会に初めての方は瑩さんの他にいませんが、一応最初から説明します。よく聴いて下さいね。分からない事があったら、途中で聞いてもいいですよ。」
将矢さんは親切に言いました。
「はい、すみません、お願いします。」
わたしの緊張に対して、将矢さんは微笑みながら話し続けだ。
「わたしたちここに集めるのは、一冊の本を完了するためです。もちろん筆で書くのではない。わたしたちは本の中のキャラとして、その世界に入って、物語を編み上げるのです。」
本の中に入る⁈まあ、ありえるね。白昼夢っていうやつ?わたしはきっと寝ぽっけた、面白い夢を見ているのでしょう。こんなはっきり自分を感じる夢は初めでです。目覚めると間違いなく上に叱れるだろう。
本は好きだ。読む時自分が主人公の身になって、その嬉しさや悲しさなどいろんな感情を味わう事もあった。
ゲームなら、選択によって、違うルートに入る事ができますが、本なら唯一の結末しか辿り着くどころはない。既定のキャラ、既定のストーリ、既定の結末、そんなのは退屈過ぎ、やだな。
「あの、そのキャラって、もう既に存在してるの、それともわたしたちから始めるの?」
この問いに驚いたか何か 、みんな一斎してわたしに目をやった。ひょっとして、馬鹿なこと聞いた⁇わあ、まずいな!
この質問に一番に反応したのは侑暉くんでした。
「なに、それ?初心者の反応?驚けよ、疑えよ!乗り過ぎだろう、おばさん⁈」
何喰い上がってんの、このガキ、顔と眞反対の性格じゃん。可愛くないな!
「侑暉くん、言い過ぎ!何を聞くのは瑩さんの自由ですよ。」
ありがとう、茉理ちゃん!