繋がり
マスクさんとミラーさんは皆の前で正体を晒しました後、赤彦さんは皆にお互いの連絡方法を説明した。
それはとても面白いやり方でした。まず、目を閉じ、脳の中彼が皆に見せた紋章のようなものを描く、連絡したいひとの顔を考えると繋がるんだ。大事なのは、紋章を正しく思い浮かぶこと。もちろん、これ連絡を受け取るかどうか相手次第です。どうやら、その連絡に使う紋章は度々変化します。今度のも新しいのだ。それに、この連絡方法を取れるのはここにいる皆限定です。
「これでみどりも正式にメンバーになりましたね。」
みんなそれぞれ退場して、会議しつに残った赤彦さんはわたしに言った。
「うん、よろしくね、兄さん。」
「他人行儀はよそう、何があったら、ぼくに言ってね。一緒に帰ろう。」
赤彦さんは会議室のドアのどこで「どうぞ」のポーズで微笑んだ。
日瑠間家に戻って、わたし暫くベッドでぼっとしていた。
みどりさんによる情報が本当なら、葵さん、彩くんと唯ちゃんはちょっと怪しいかも…わたし、葵さん、いや、無月さんを信頼できる人と思うが、前回の異変もあったことで、やっばりしばらく様子をみましょかな。
楽羽のこともあるし、フウンはこっちに見つけたが、どうやって楽羽の戻り連れていくのか?仮に彩くんからフウンを取れるとして、そっちへ連れて行く術も考え付かない。
それにしても、今日集めたメンバーの中、マスクさんとミラーさんはいきなり正体を曝け出したな。元々二人のことをよく知らないが、わたしにとってはそれ程びっくりしなかった。でも、危ないと知っていて迷わずそのキャンディーを口にしたマスクさんはどうも怪しいな。そもそも、加久良さんは言い出したな、試したらって。ミラーさんもちょっと変ですね、気の弱そうな女に見えるが、その喋り方はまるで男子じゃんないか、マスクさんと仲がいいようにも見えます。
えっと、みどりさんがマスクさんのことを現実の世界で会ったって言ったな。うむ、現実世界の時間はここのとは無関係と思う。みんな同じ茶会で同じテーブルにいたって、本の中に入ってから始まる時間はばらばらですね。ちょっと待ってよ、みどりさんはもう自分が本の中のキャラの中身を見出せないと言ってなかったげ?なのに、なんでその人が現実にあった人と分かるの?
そこをひらめいたわたしは勢いよくベッドから身を起こした。
「みどりさん、みどりさん、聞こえます?」
「はい、聞こえるよ。」
「わあ、よかった。ちょっと聞きたいことがあるんだ。」
「わたしも、あなたに伝えたいことがある。一遍に沢山のことを知るのも負担になると思うので、先言えませんが、どうやらあなたが聞きたいことはわたしが言おうとしたことと一致してるようですね。」
「では、わたしから言いますね。本の中にいるマスクさんは現実にいる時と同じ顔しているね。」
「うん、そうです。」
「わたしの知人の楽羽も本人のままこの本に中に入ったよ。あと、加久良さんの写真を見たことがある、それも本物だ。なんでこの三人がそのままキャラになってるの、それとも本来この本に存在するべきじゃない人も、何かの原因でこの本に来たの?」
「それはわたしもわからないの。」
「加久良さんは楽羽がここにいったことをつい最近知ったのは二人が同じテーブルでなかった証拠になる。マスクさんは加久良さんと同じテーブルなら、お互いに認識できるはず、後、楽羽に確認する。もしこの三人全員同じテーブルじゃないということは成立したら、またルール追加ね。」
「うむ、どういうこと?」
「もしかしたら、各テーブルにひとりだけ本人のまま物語に参加する人物がいるっということかな。」
「うむ…それはどうかな?マスクさんはわたしが始めて見た本人で現れた知り合いです。それに、彼と同じテーブルではなかった。あなたの言うことは事実っと言う可能性もありますね。」
「いや、それだけじゃないと思います。加久良さんはわたしがみどりじゃないことを最初から見抜いた。わたしたちは同じテーブルじゃないのに。もしかしたら、ありのままに本に入った人達は、全ての参加者の正体を見抜けるじゃないかな。」
「あなたの脳回路はすごいですね。スピードを上げならがぐるぐる回ってるみたい。」
「はははっ、そうですね。まあ、集中して何を考えるのは好きです。ただ、仕事以外限定。」
「フフフっ、インナースペース豊かな人ですね。」
「そうでもないですよ、ただの怪人です。」
みどりさんはさらに楽しく笑う声が脳裏響いた。
「話に戻りますが、もし彼らは全員の中身を見抜けるのなら、人を憶えるには2倍の記憶をいるね。わあ、大変ですね。」
「その条件に満足する人選は、ハロウイーンから来た人だけですね。もしクリスマスで来たら、意味がないじゃないか?」
「そうですね。でも他のハロウイーンから来た同じテーブルの人たちと会ったら、認識されるでしょ?みんなはどうしてこの人はそのままここにいるのかと思わないのかな?みどりさんは何回も参加したのですね、前の時はどうなんだ?」
「前回の物語にいる時も、こんな本人のままに参加する人を見たことがないです。普通、同じテーブルにいる人達は本に入ってもそれ程遠く離れていないキャラが貰うが…それも言い切れないか。ただ、終わる時は帰ると決める人達はもう一度茶会で会うのです。」
「じゃ、物語が終わる時、本に残ると決めた人はもう茶会に戻らないのですね。」
「うん、そういうこと。」
「戻ったら、どうになるの?」
「茶会に行く時点から再開します。」
「ああ、じゃ、戻ったら、今月の給料が貰えるんだ。よかった!」
「あなたは本当に面白い人ですね。」
「そうですか?ああ、そうだ。終わる時さ、残る人と帰る人、どっちの方が多いの?」
「うん、半分半分かな。折角の人生やり直すのチャンスだから、皆もそれぞれの判断基準が違うと思います。」
「みどりさんは前のキャラより、これは一番いいと思うね。」
「うん、どうかな。今度はもっといいキャラが貰えるかもしれない。どうしてあの時残ると決めましたかな。」
「気に入る人がいるじゃないか?」
「そうですね、赤にいと冬弥がとてもよくしてくれた。その二人と別れたくないかな。」
「えーー、いいな。」
「あなたもその二人と接したら、分かるでしょ。」
「うん、分かる分かる。もしわたしにはこんな素敵な兄さんと恋人がいたら、怪人ならずに済むかもしれない。でも、やっばり自分が捨てなれないよ、うん。」
「人生相談になったね。」
「本当だ。ああ、また話が逸れた。」
「では、わたしの知っているマスクさんのことを話します。現実の世界で、彼の名前は多田めぐる。本人としてここにいたから、多分名前も変わっていないと思います。わたしたちがある事故の現場に出会った。きっかけは多分会議でみんなの話題になったキャンディーだ。」
「みどりさんも、いや、現実の世界でその災いやループを起こせるキャンディーに関わったのか?」
「そうです、ループしたことも憶えている。」
「だから、不運を食い尽くすキーホルダーは実際わたしの現実にも存在するんだ、あの時わたしは知らなかった。…えーと、まさかここに来る全員、何か不可思議なことや物に関わったことがあったじゃないかな?」
「…人の言うことよく深く考えるタイプですね?」
「え?ああ、そうです。だから、人付き合い苦手で…でも、どこかで人を簡単に信じるんです。矛盾ですね。」
「そうでもないですよ。わたしとしては、こういう友たちがほしい。」
「みどりさんやさしい、慰めなくてもいいよ。そのループのことですが、航也さんはキャンディーを貰った人はみんな惨めな結末を辿りついたと言ったが、みどりさんはどうなんだ?」
「そうですね、わたしはループと気付いた時、そばに同じことを悟った人達もいだ。皆協力し合って、なんとか災いから逃れた。その時、マスクさん、多田めぐるはその中の一人でした。」
「待ってよ、先の推論が正しければ、マスクさん、いや、多田めぐるさんがわたしの正体を見抜いた可能性が高いですね。」
「わたしの知ってる多田めぐるは、その通りいつものポカーフェイスで、大丈夫だと思うが。」
「まあ、みどりさんがそういうなら、大丈夫だろ。」
「実はわたしたちをそのループから解放したのはあなたもよく知っているその人形くんです。」
「ええーーフウンですか?」
「そうですよ。」
フウンとそのループを起こすキャンディーとは繋がりがあったのか?わあ、なんかここに来る皆案外なにか不可思議なことに紛れたことがあるかも。もしフウンと接触できれば、消えたキャンディー探しの手助けをしてくれるかも知らない。
「でも、みどりさんは楽羽のことを知らないと言ったね。」
「うん、それは本当のこと、だって、人形くんに会った三回の中、一度も持ち主の顔を見ませんでした。それに、最後はその人形くんは自らわたっしたちの前に現れた。」
「楽羽に隠して、フウンがやってたと勝手にやってたの?」
「それは分からない。もしよかったら、楽羽さんに確認してみれば?」
「うん、次会ったら、聞いてみるよ。」
その時、あかい星の形にしたルビが光り出した。ああ、あっちへ行くサインだ。さすがに何回も行き来たりすると、慣れましたね。
「みどりさん、いる?」
日瑠間家にいる自分を確認してから、すぐ心の中でみどりさんを呼び出した。
「フフっ、癖になりますよ。うっかり言葉を口から出ると、独り言のように見えます。」
「大丈夫です、わたし実は独り言多いですから。」
仕方なく苦笑いながらこう答えた。
冬弥はこの屋敷にいない。なにをすればいいのかな?彩くんと唯ちゃんのことを聞きたいが、まあ、一先ず街にふらふらして行こう。みどりさんもいるし、迷子になることは心配無用と思います。
「みどりさんはこの街のことも詳しいですね。」
「うん、ばっちり。」
「じゃ、一緒に散歩しよう。」
「フフっ、わたしの立場から見ると、飼い主に連れ去れペットの気分です。」
「それはないですよ、どこかこんな上品なペットがいるの?」
みどりさんとこういうやりとりをしながら街に出た。実は、本人として、街でふらふらするのは結構好きなのです。おいしいものを漁って、かわいいものを見て、太陽に光を浴びて、のんびで快適に過ごせる時間がこころを緩みます。今だけは、現実も本の中のことも忘れ、思いっきり楽し……
と思った瞬間、右腕を突然強い力に引っ張られ、気が付いたら、すぐそこの狭い路地に自分が立っていた。後ろに人の気配を感じ取って、恐る恐る振り返ると、紗綾さだった。その顔が示す感情は飾りもない怒りでした。
「えっと…」
「…悪いですが、今見張中です。あなたは不安定要素になりそうで、しばらくここいてくれないか?」
何秒置いてやっと理解した。素直に頷いて謝りました。
「別に謝ることは必要ないです。…でも、本当に驚きました、どうしてあなたがここに来るのはわたしが見えなかったのかな?」
紗綾さんは半分独り言のように何か考えるながら言った。言ってる意味はわからずわたしはぼっと立っていた。そういえば、円卓会議にみんな二組に分かれ、紗綾さん 「人殺しの監視カメラ」のチームについたよね。まさかそれを…なんか人を監視カメラに見張るなんかないよな…
その可能性を打ち消すつもりで周りに目を向けると、ああ、いた!街灯の行列に紛れ、それは確か監視カメラだ。
「紗綾さん、それですか?」
目標に指をさし、彼女に確かめた。
「いい観察力ではないか。」
紗綾さんは無言で頷いてから言い加えた。
そうですね、無心に見回るだけなのに、一発で発見したのは偶然過ぎるくらいでちょっと怖いかも…
「一人で追うのは危険ではないのか?」
「大丈夫です。わたしには少し前の未来が見えますので、ある程度危険を防げます。」
おう、そうか、紗綾さんは予知できるんだ。だからこの前あんなことを言ったのね。って、なんでわたしが来るのはみえなかったのかな、紗綾さんもわからない様子じゃ、聞いても答えが出ないと思うが…それにしても、その監視カメラは本当に人を殺すの物騒なものなのか?




