消えたキャンディー
赤彦さんの手に紙作りの可愛い手箱を乗っていた。わたしがじっとそれを見つめた。
「これは可愛く見えるだが、中には凶器が入ってますよ。」
赤彦さんはわたしの真正面の席に腰を下ろし、わたしに微笑んで言った。
「航也さんはこの中身を知ってると思うが。」
「ああ、以前和則と一緒それを確保した。何があったのか?」
和則って、沙綾さんのお兄さんで冬弥側のリーダーじゃないか。
「うん、実は今日、皆さんを集めたのはこれに関することです。これは元々確保されたものなのですが、この間整理するとき、中身の一部が消えた。」
「な…!?」
航也さんはその言葉に、いつもの冷静さをなくし反応した。
「全部消えたのではないな?幾つ残ってるの?」
「ひとつだけ。」
赤彦さんは蓋を開けながら答えた。
「みっつも消えたのか?まずいな。」
「だから、皆さんを協力して、消えたみっつのキャンディーをもう一度確保してほしんだ。わたしより、航也さんの方が詳しいと思うが、この品物について皆さんに説明してくれないか?」
「うん、分かった。」
わたしは手箱の中に静かに寝ているキャンディーを見て思った。どう見ても普通の飴じゃないか、一体どんな不思議を持ってるのかな?
「このキャンディーを持つ人は不幸になる。和則と一緒それを追ってた時、キャンディーに接触した人達はみんな事故や事件で亡くなった。」
「また呪いなのか?」
夏斗くんは突然問い出した。
「それだけじゃない。そのキャンディーはどうやら持つ人をループに巻き込むんだ。」
「ループだと?!」
今度はミラーさんが大声を出した。
皆さんのことをよくしらないわたしですら、なんかその妙な感情の波動を感じた。ミラーさんって何かしてるのかな?
マスクさんはミラーさんの肩に手を乗せ、「落ち着け」と小声で言った。
「ループって同じ日を繰り返し繰り返しですよね。」
「ええ、そうです。最後の被害者が死ぬ寸前教えてくれた。結局、和則は自分の異能と大怪我を引き換えに、それを確保した……どうして今になって…」
航也さんはそれ以上言葉が出なかった。円卓の皆さんも暫く沈黙しました。
この雰囲気なのに、聞くべきじゃなかったと思うが、やっばり知りたかった。
「あの、すみません。ちょっと聞いてもいいですか?」
「うん、なに、みどり?」
向こうで赤彦さんは頷いた。
「これ、キャンディーですよね、もし誰かが食べたら、どうになるのですか?」
全員の視線が一斉わたしに集中した。ああ、そうですね、やっばり聞くべきじゃなかった。
「本気か!?」
一番目に声を出したのはミラーさんだった。先「ループ」と聞いた時以上の反応だ。
赤彦さんは一瞬反応できなかったが、すぐ手で口を塞ぐ笑うことを必死で耐えた。真正面にいたから、直ぐ目に映った。
そこで、加久良さんの無遠慮の笑い声が襲来した。
「はははははっ、みどりちゃん、最高!」
バカにしてる、絶対バカにしてる!
「なる程、こういう手もあるんだ。」
マスクさんは顎に手をあたえ、考え振りをして静かに言った。
夏斗くんの軽蔑の視線を感じてるが、あえてそっちを見なかった。
「みどりちゃんはムードメイカーですね。」
隣のなつみさんも笑いながら言った。
「ごめんなさい!」
わたしは頭を下げてみんなに言った。
「謝ることはないよ。嬢ちゃんのお陰で、暗い気持が蹴り落とした。」
航也さんは小さく笑って、言い続けた。
「でも、難問ですね。」
「よく考えると、どうして誰も食べていなかったのかな?」
加久良さん、もう、いいから、その話題は止めろ!
「またひとつ残ってるだろ?試したら?」
加久良さんはわたしを見て、手箱を指しながら言った。
「止めるんだ、加久良!」
赤彦さんは厳しい口調になった。
その時、赤彦さんの傍から誰かが手を伸ばし、手箱の中のキャンディーを取り出し、包む紙を剥がし、迷わず中身を口にした。マスクさんだった。
彼の行動にわたしも含め、その場にいた皆息を呑んだ。
「大丈夫ですか?」
マスクさんの隣に座ってるミラーさんは緊張しそうに彼を伺った。
「ああ、何でもない。ほら、キャンディーが再生した。」
マスクさんの指した方向に辿ると、手箱の中にキャンディーが最初から取られたことがないのように静かに眠っていた。
「食べきれないね、まるでキャンディーがループしていたじゃないか。」
加久良さんは冷静に結論を出した。そして、赤彦さんが疑いの目でマスクさんを見ていたことをわたしが気付いた。
わたしとしては、マスクさんに後ろめたいと感謝の気持を感じた。今度は口にする前に、もっと考えましょ。もしマスクさんが何があったら、わたしのせいだ。
わたしの視線を察したマスクさんはこっちを向けて言った。
「見た通り、体には支障がなかった。」
「それはよかったことに、マスクは既にキャンディーを触れたが、影響されていないのは未だにまだ言い切れない。気をつけてほうがいいと思うが。」
航也さんは真剣な顔で言った。
「わたしも航也さんの考えに賛成です。マスクさんを成るべく一人にしない方がい
いと思います。」
「なら、こいつと一緒に行動する。それでよろしいですか?」
マスクさんは隣のミラーさんの肩を抱き寄せ自ら提案した。
「マスクさんとミラーさんさえよければ、それでいいです。」
赤彦さんは微笑んだ。
「まあ、ここにおれを疑ってるひとがいることは自覚があります。たしかに、不審な挙動をとっておれ自身にも問題があるのです。先回、加久良さんに顔を見せたことはないと指摘された、それについてですが、おれは別にどうだっていいこと、ただ上の指示を従っているだけだ。いま、この場にもって、このマスクは捨てます。」
マスクさんは宣言通り、マスクを外した。
皆の視線を詫びるマスクさんは動揺をみせなかった。だって、そのマスクの下はポカーフェイスーでした。しかも、マスクについたかつらを退かして本来の髪型も現れました。キノコじゃないか!
「えーー、これはマスクの正体か?ちょっと意外。」
なつみさんはマスクさんを見つめながら感想を言った。
「皆さん、おれも包帯を解けますので、ちょっと時間をくれ!」
ミラーさんは言ってから、会議室を出た。
「上の言葉に背いていいのか?」
加久良さんはマスクさんに質問を投げた。
「言いも何も、注文した本人は消えたから。」
「消えたって?和則か?」
航也さんは横で口を挟んだ。
「そうです。因みに、ミラーの包帯も彼の注文ですが。」
どうして和則さんは二人にそういうことを要求したのかな?何か裏があると思う。
「お待たせ!」
帰ってきたのは気の弱そうな女の子だった。
ミラーさんは女だったのか、確かに痩せて背も高くないのね。納得!って、声と見かけつり合わせないよ。先、おれって言った。
「ああ、ビックリしたね、やっばり。おれだって、包帯なんか巻きたくないよ、つらいし、だるいし…まあ、これでせいせいするぜ。」
「おまえ、本当に女なのか?」
さすが、夏斗くん問い出した。
「いちおう、見かけからな。」
本人が笑いながら答えた。
こころが男ということか?変な人っと思うわたしがその資格がなさそうね。
「あのキノコ、わたし、知ってる。」
頭の中にみどりさんの声が突然響いた。
「マスクさんを知ってるのか?でも、みどりさんは異能のメンバーと会ったことがないよね。しかも、皆をキャラとしか見えないっていったよね。」
「うん。でも、その人はわたしが本に入る前に、現実の世界に会った人なの。」




