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午後3時半からの冒険  作者: Sugarei
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情報整理

「驚かないのですか?」

 「うむ…みどりさんはずっと自分のからだのすばにいるのですね?」

 「そうです。赤にいと冬弥が違う世界になってるから、わたしは幽霊になったような近くて自分の肉体が見つめることしかできなかった。あなたが唯一わたしに答えた人です。嬉しいよ!」

 みどりさんの気持は感じとれるのはわたしの気のせいかな、ほんとうに温かくて優しく感じる。何か大事なことを見逃した気がするが、すぐ気付いた。

 「なら、いままで、わたしのやってることや喋ることを全部見たのですね…」

 わあ、無月さんや亜希子さんや侑暉くんとの会話も聞かれた…ちょっとやばいかも…

 「大丈夫ですよ。わたしは敵ではないです。それに、わたしは人の心を読めないのです。」

 「うむ…確かに敵意は感じませんね。あの、ずっとからだを占めてごめんなさい!」

 「ああ、こんなに謝らなくても。あなたのお陰で、赤にいと冬弥もなんとか前を進むことができた。よかった。」

 「赤にいっていう呼び方ですね、はは、わたしはずっと『兄さん』と呼んでた、怪しまれなかったかな?」

 「大丈夫ですよ、赤にいは家族のことになると、できるだけ許す主義なんだ、多分、そっちの呼び方のほうが気に入りでしょう。」

 「みどりさんはからだにもどることができなのか?」

 「何度も試したが、どうやら駄目だった。」

 「なら、わたしは冬弥さんのいる世界にいる時、こっちで赤彦さんと一緒にアジトに来ると約束したのは誰ですか?」

 「わたしではないのは明白ですね。わたしはずっとあなたと共にいます。あなたはのいない方にわたしも独自で残ることはできないみたい。例えると、わたしはあなたの背後霊かな。」

 「ははは、その言い方変ですよ。元々みどりさんのからだですもの。もしよかったら、これからもいろいろ教えてくれませんか?」

 「喜んで!」

 これで少なくともみどりさんの周りの人達の情報を手に入れた。

 「あの、みどりさんはわたしの正体を聞かないのか?」

 「わたしと同じでしょ?変な茶会で知らない人達と本の中に入って、そのキャラとしていろんなことを経験した。物語が終わる時、本に残るか自分の日常に帰るか選択することができる。わたしはみどりというキャラが大好きで、ここに残ると決めました。終わったはずの物語はどうしてまだ…」

 「えっと、わたしは物語が終わっても自分の日常に帰るつもりだから、その時は、みどりさんはこのからだに戻れることができればいいな。」

 「いいの?あなたもみどりのキャラが気に入ってると思った。」

 「うん、好きですよ。わたしがなりたい目標にすごく近くて、周りの人達もけっこう気に入った。でも、これはわたしの生活じゃないから、わたしはわたしとして、自分の世界でもっと努力すべきと思った。まあ、帰ったらいつものどうしょうもない自分に戻る可能性の方が濃い予感ですが…」

 「なんか会話はリアルの方に行ってるね。」

 「そうですね。今は、この物語に集中しないといけないですね。みどりさん、知ってることをもっと教えてくれないか?」

 「いいですよ。どこから始めれば良いかな?まず、一般的なルールかな。参加者みんな二つのルートによって茶会に来たの。そこでの選択は大事なこと、まあ、普通、一回目は好みで選ぶですね。ハロウィーンからは自分の記憶を残す、クリスマスからは自分の記憶を消すことになる。物語のキャラは本人の年や性別に拘らなく配られる。ここまで、何が問題あるの?」

 「はい、わたしたちは記憶を残したほうですね。気になるのはその年や性別に拘らない…」

 「そう、例えば、赤にいの中身は百歳近いの爺さんかもしれないと言うこと。」

 「…みどりさん、なんで赤彦さんを例えるの?ちょっとトラウマになるかも…あのさ、もし周りの人の中身が変わったら、気付けるの?」

 「ああ、ごめんごめん。そうですね、親しいひとなら、わりと分かり易いですね。口癖とか、仕草とか、振る舞いとかさ…」

 「なる程。もし、周りの人あるいは自分がすごく気に入りのひとが変わっても、ここに残るの?もし、残った後、あの人の中身はもう別人に移り変わったら……」

 「その場合もあるですね。だから、これは賭けです。そもそも、物語の終わりでどういう基準なのか分からないのさ。今回も強制再開じゃない?もう、どうやら、わたしはその賭けに負けたらしい。」

 みどりさんの悔しい気持は汲み上げたわたしはある問題を持ち出した。

 「では、赤彦さんと冬弥さんは元のままですか?」

 「そうです。あの二人は変わってなかった。そこで、ルール追加。茶会でみんな同じ時間で本に入るのに、本の中では別の話です。自分がキャラとして始まるの時間はバラバラ。」

 「そうですね、納得。」

 「まあ、それもほとんどあなたが既に捕まった情報ですね。」

 「うん。物語にとっては圏外の情報ですが、わたしたちにとっては大事なことですね。それで、圏内のことに移りましょ。みどりさんは世界が異変を起こる前のこと覚えてますか?」

 「うむ、優秀な兄と優しい恋人を持ってる幸せの女の子のキャラ作りでした。あの日、いったい何があったのか、わたしにもよく分からなくて、気付けば、自分の体から剥がれて戻れなかった。」

 「今まで、わたしが接触した人達、みどりさんはどう思います?」

 「わたしはずっと普通の日々を送っていた。赤にいと冬弥は異能者なんで思ったこともなかった。その任務のメンバーならさらに遠い存在でした。後は、あなたの友達楽羽というひとは知らなかった。」

 「そうですか。葵さんや双子たちについて、なにが変わったことがある?」

 「それですね。わたしの家は執事さんはいません、それに双子の弟と妹もいません。でも、あの3人には親しく感じます。そこは不可思議です。」

 「たしかに、冬弥さんも言ったことがある、日瑠間家には執事がないって。えっと、どういうこと?」

 「ずっとそこにいて、でも遠くから見ている感じかな?ごめん、うまく言えなくて。」

 「いえいえ。葵さんの中身は無月さん、彼は記憶を残ってた、それは大丈夫と思うが、その前の異変が確かに気になるな。それに、彩くんと唯ちゃんのことも、冬弥さん側いる時、一緒に住んでいなかった。二人はまた未成年、家族なら、共に住むはずじゃないか。今度は冬弥さんに聞くか。」

 「あんまり役に立てなくて、ごめんね。」

 「いやいや、みどりさんと話をできただけで、こころ強いですよ。ちなみに、加久良さんのことを、どう思います?」

 「その人もあなたと同じ、どっちにも存在しますね。でも、赤にいといる時も、冬弥といる時も、その人に会ったことはなかった。ああ、ひとつ、わたしは本に残ることを選んだから、本人と役の区別はもう分けない。つまり、あなたから見れば、キャラは本人の顔に映る、鏡の中こそキャラの顔が見える。わたしにはもうどう見ても、キャラの顔しか見えないのです。」

 「うむ、じゃ、みどりさんから見れば、いまのわたしもみどりさんのままですね。なら、加久良さんと楽羽は本人のままということは分からないですね。」

 「うん。そういうこと。ここに残ると決めた時も考えたが、どうしてみどりじゃない時のことも憶えてるのかな?この本にとって、いらない記憶でしょ?今には分かったよ、まだ終わりじゃない。ああ、どうなるのかな?」

 「もし、本人が最後に現実に戻って、キャラはどうになるのかな?」

 「新しい挑戦者が来るでしょ?」

 「あの、わたしの現実も誰か書いた本かもしれないと言うのはありのかな?」

 「それを深く考えるのはお勧めしないのですよ、後味が悪いのでしょ。」

 「ですよね。はははっ、妄想は暴走しそうで、止めます。そこで、冒険の気分で進むしかないじゃないかな?」

 「フッフッ、楽観ですね。」

 「そうです、背後霊まで手に入れたので、心強いです。」

 「わたしは実質的に役に立たないと思うよ。」

 「いいです、いいです、相談に乗ってくれれば助かります。」

 「もちろん、大歓迎ですよ。……睨まれてるよ。」

 目を上げると、隣の夏斗くんがじっとわたしを見ていることを気付いた。

 ああ、ずっと心の中でみどりさんと会話してるせいで、自分がいる会議室にほかのひともいることを忘れた。ときかく、みどりさんのことは一先ず伏せておこう。

 「もう、ぼくは赤彦の手伝いに行く!」

 加久良さんはそのセリフを言い残し、会議室から出ていった。

 つまり、いまはここにいるのは亜希子さん、侑暉くんとわたしの裏事情が知ってる3人。この機に、聞きたいことを口にした。

 「あの、亜希子さんも侑暉くんも経験者ですね。一つ聞きたいのですが、物語が終わる時、帰るを選ぶと、本の中の記憶も現実の世界でそのまま残るの?」

 「うん、わたしの場合はそうですけど」

 亜希子さんは答えながら、目で侑暉くんに同意を求めた。向こうも頷いた。

 「おれもそうです。」

 「うむ、分かった。」

 「あたま、働く過ぎません?偶には、肩の力を抜けて、楽しいこと考えましょ。」

 亜希子さんはにこにこ進言した。

 「いや、こいつ、多重人格じゃない?先ひとりで頷いたり、眉間に皺を寄せたり…」

 「だめですよ、侑暉くん。女の子は自分と会話もするのよ。例えば、『今日の服がどう?』『うん、綺麗ですね。』という自己暗示が自信と美しさを強めるの。ねえ、瑩さん?」

 「あははははっ……」

 それもあるけど、多分わたしの場合は違うかな。でも、庇ってくれて、ありがとう、亜希子さん!

 会議室の門が開け、今度航也が先頭に、続いてマスクさんとミラーも来ました。

 「おや、また会えましたね、嬢ちゃん。」

 「こんにちは、航也さん!」

 一番先に挨拶してくれる航也さんにわたしも元気いっばいに応えた。

 「なに?航也さんがいいの?」隣のなつみさんがわたしにしか聞こえない声で耳打ちをした。

 「勘弁してくださいよ、なつみさん」

 耳元で彼女のいささかエロっぽい笑い声が聞こえた。

 マスクさんとミラーさんは普段もあんな格好じゃ、どうやって外に出るの?絶対囲まれるでしょ?

 「全員揃ったね、なら、会議を始めよう。」

 赤彦さんは声と共に、加久良さんと一緒に入室した。

 


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