真夜中の茶会
「ハ」の型にしたノブに両手で当たって開けると、また延び延びとした小道。さき来る時のより細くて、しかも目に見える範囲に丸いテーブルがありまして、何人かそのテーブルに囲って座っていて誰かを待っている様子だった。小道の両側に一段の距離おきに小さな蝋燭を規則よく置いていた。
立ち止まっていたわたしを見るきり、一人の長身の男が手を招きながら立ち上がって、
「こっちにおいて。」と言い出した。
わたしに言ってるのよね、だって彼の周りの人達は一斉に目をこっち向いた。わあ、ちょっと怖いかも……
仕方がない、テーブルの方へ移動した。近づけば近づくほどようく見えた。そこには6人の男女が座っていた。一つの席だけ空いていた、多分わたしのために残したのだろう。
「ここよ!」
機嫌よく隣の椅子を指差しながら言ったのは大人ぽいの綺麗な女の人。あまりも快適な笑顔をこぼれたせいか、とても親切に思わせた。
「ありがとう。」
わたしもできる限り愛想のいい笑いを見せてこう言った。
「それでは、真夜中の茶会を再開しましょう!」
先手招きの男のこの司会見たいなセリフに、他の人達は様々な受け方を覗かせた。
わたしの隣の綺麗な女の人は楽しそうに発言する男を見つめていた。彼女の左に座っていた男の子がつまらなさそうな顔していた。少年の隣で可愛い女の子はもともと大きな目をさらに丸くして発言者を見ていた。美少女のそばに座っている男の人はただ静かに全てを見守っていた様子。わたしの視線を感じ取ったのか、ゆっくりこっちへ目をやった。ヤバイ、目が合った。じろじろ人を見るのはよくないね。慌てで目を逸らした。
[お茶とお菓子をどうぞ!ゆっくり話しましょう。」
改めて隣の司会らしい男を見た。いい顔立の上に、人に懐ける笑顔とさりげなくな明るさ、特にその少々上に曲がる口元。笑顔が似合うそうな人。
テーブルの上に6人分の紅茶とお菓子を予め用意されたらしい。お菓子と言っても、ケーキです、わたしの大好物。甘そうなクーリムを乗せていたフルーツケーキ、見ているだけで食欲が湧いて来る。紅茶もとてもいい香りがしている、ブルーベリー味かな?食い物に夢中していたわたしの肩を軽く叩いて、左に座っている綺麗な女の人が言いました。
「わたしは亜希子、よろしくね!」
ただ一言なのに、仕草も声も優雅の極まり。羨ましいな、こんな上品な女になりたい……
「侑暉です。」
今回退屈そうな少年の声が落ちで来た。みんな順番に自己紹介しているみたい。
「よろしく、おばさん。」
ああ?おばさんですって!この子、さりげなくひとを傷付けるね。眼で文句を言うと睨み付けたが、向こうは氷のような冷たい目で全部弾き返した。
「侑暉くん、駄目でしょう!女の人は年について敏感なのよ、お姉さんと呼んでよ。」
そうか、同情されたのか、わたし。情けない……
「わたしは茉理。よろしくお願いします、おねえさん。」
美少女は甘い笑顔のままでこう言った。
「私の番ですね。無月と申します、よろしくお願いいたします。」
先目が合った人。ちょっと恥ずかしい。無月さんは一向に意も介せずな様子、優しく笑った。こういう紳士的な男の方に昔からけっこう好みなので、まして彼は目鼻立ちのはっきりした立体的な顔立ち、睫毛も長い、人を見透かすような鋭い目、でも笑うと優しそう。とにかく、かっこいい人。
ぼーっとして無月さんを見惚れた最中、みんなの視線を勘付いたため、ようやく自分の番に回ってるのを想い出した。心の中で舌打ちをしながら立ち上がり名乗りました。
「瑩と言います、よろしくお願いいたします。」