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午後3時半からの冒険  作者: Sugarei
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辿り着いた場所は…

 小道は波のような曲がり方して前へ見えたり消えたり果てしなく続いていた。両脇に野花と古い大樹は整列していて、花と葉の色は時折変わって行く。

 どれぐらい歩いたんだろう?別に苦痛ではないが、たとえ散歩でも大概な目的地があるはず。この前知らずの感覚が微妙にわたしを落胆させた。

 もう一度確認した、前へ進むと後ろの景色が段々消えていく、突っ立ても、光りの海が背後で待っているだけ、後戻りは決してない。

 ずっとこのまま前へ歩き続くしかないと思った途端、急に霧が降りてきた。眼前の小道も霞んでいく、はっきりと視界に映すことができなくなった。こういう時は、懐中電灯が持ってきたらよかったと思いながら、歩幅を小さくにして、慎重に足を運んだ。

 やがて霧は淡く消え去るとした。もう大丈夫と気が緩そうと、全てが夜の帷に包まれていると気付いた。

 ええー!勘弁してくれよ、こっちは眼が悪いんだ。文句を言おうとして、口を開ける当時に蝋燭らしいひかりが眼で捉えだ。どうやら遠くないどころに建物がいったようだ。

 小道に沿って進めると、確かにそのひかりの発す場所に近づいて来た。わたしの身長の何倍ぐらい高い門がそこで佇いていた。思わず三歩を退いて、もう一度目の前の建物を見物した。

 西洋風の建物、屋敷より城に近い感じ。木製の巨門、石を不規則な形で精巧に築き上げた外壁、蝋燭のひかりの中で、その尊さを堅さと共に人に魅せられる。中世のどこかの領主様の砦に当たるぐらいだろう。

 ああ、写真撮りたいな!って携帯持ってないし。

 これまでの流れから見ると、この城に入るべきでしょう。ハロヴィーンと言ったから、変装とか仮面とかじゃん?まずいな、自分のこの格好……

 あれこれ考えている最中、門が開けた。えっと、何で言うか、どうせ進むしかない、開け方を探す手間を省かせた。それに、城など中世風の建物に結構興味がある、実地で見たことがなかった。この際、思う存分に堪能させてくれ。まあ、そもそも、こっちは現実かどうか未だ分からない。

 両開きの門を通過して、城に入った。どこかの写真に映ったのと似ているような違う、豪華な蝋燭台の上できれいに組み合わせた蝋燭のひかりが柔くホールを照らしていた。靴を履いても踏み心地よく感じる絨毯の上でしばらく歩いて、扇型の両側とも上がれる昇り階段へ辿り着いた。もちろん、左側から上がると決めました。

 階段を登る途中、後ろへ振り向いて、さすがに今回は光の海に呑み込まれずに済んだ。よかった。そんな無残な消え方したら、流石にこの城も悔しいだろう。

 階段の最上段に到着した。まだ両開きの門が目の前に現れた、グラスが嵌めているけど、向こう側の様子はちっとも覗けない。

 暫く門の前で待ちましたが、何も起こらなかった。つまり、自分で開けろ、と?

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