カオス
「体調悪いと言うことに収まったのは良かった。これからどうしよう?
ああ、そうそう、みどりは日記とか書きかもしれない、その中に何か見つけるかも……ちゃんと役に合わすつもりなのに、何か想像と違ったような……」
独り言を言いながら洋服ダンスや引き出しを乱暴に開け、さがし始めた。
背後で冷静に見つめている無月さんはいきなり質問を投げて来た。
「瑩さんはどうしてこう必死になって手掛かりをさがすの?」
「え?!何、その質問?無月さんはわたしを試してるの?」
手を止まらず振りかえしもせずわたしは答え続けた。
「わたしはね、仕事があんまり好きじゃないんだ。まあ、はっきり言うと、嫌いだ!一日3回くらい辞めたいと思った、それでも辞めなかったのはただ自信がなくて、ほかに何ができるかはわからない。それに、また同じ境遇になったら、どうする?ずっと自分を苦しめ続けだ。わたしをここから救い出してくれっと何度も心の中で叫んだ。ここに来るのは予想外だが、不思議や超自然とか否定しない、むしろかなりの程度で信じてるわたしにとっていいことかもしれない……」
何も見つからなかった。ああ、そうだ。
「無月さん、葵さんは執事日記を書いてあります?もし時間があれば、探してくれませんか?」
「はい、承知いたしました、瑩さま。」
無月さんは微笑みながら言った。
「ありがとう。気のせいかな、無月さんはわたしをからかってるの……」
もうちょっとほかの方向に手をつけようとしたが、突然の頭痛に襲われ
た、しかも段々激しくなって行く。もう、耐えなれない…
頭を押さえながら蹲るわたしの異変に気付いた無月さんはいつの間にかすぐそばに来た。
「どうかなさいましたか?」
「ちょっと頭痛が……」
「少し横になった方がいいかな?」
無月さんの提案に素直に受け取って寝台に身を置いた。横になると、眠気が誘って来る。あんまり拒めず眠りに入った。
「僕の言うこと聞いてる?みどり、最近なんか変だぞ。話してるうちに魂抜けたようなぼーっとして、調子悪いのか?」
これは夢だと言うことをはっきり認識している。目を開ける瞬間、周りは霧を覆っているように朦朧にしか見えない。声が先に飛んで来た、いよいよ霧が消え去ってく、一番目に視界に入るのはーー将矢さん!?
ここは公園かな、周り緑いっばい広け、空気さえ自然の匂いに染めた。彼と一緒に小道沿いの椅子に座っていることを確認した。
「ほらまた今目覚めたような顔ーー僕とのデート退屈ですか?」
拗ねる目でこっちを真っ直ぐ見つめる将矢さん、茶会の時と雰囲気がまるで違う、なんか新鮮かも。
「そんなことはないよ、ただの寝不足、ごめんね。」
「そうか、ちゃんと休めよ。」
「うん。」
よし、誤魔化した。
この人は先回夢の中の人、わたしを「みどり」と呼んだのはみどりさんの知り合い、あるいは彼氏。どう見ても将矢さんですが、本人が認識してない。もしかして、将矢さんはキャラに支配された……はあ、我が想像力、また話放題……
名前は知らない、直接聞くのもおかしい、どうしよう?記憶喪失は通じないか……どこかが鏡はないかな、せめて顔だけ……
「ふゆみじゃんないか、ああ、彼女とデート?いいな、こいつ〜」
彼に話を掛けてくるのはとにかく派手な人、個性な髪方と衝撃な髪色が一番印象的。
「ああ、偶然だね。この間ありがとうな。」
「水臭いな、俺たちの仲じゃん!では、邪魔者退散!」
なんか楽しそうな人、名前を教えてくれてありがとう。
「ああ、今、派手な人と思っただろう?」
「うん、ふたりは仲良いね。」
「親友なんだ。ああ見ても、いいやつさ。先の話に戻ります、夜眠れないの?もう、3ヶ月過ぎましたね、赤彦さんのことは本当に残念でした、しっかりしてよ、僕も出来る限り手伝うから。遠慮なく頼ってて。」
何の話、赤彦さんは何があったのか?もっと知りたい。
「大丈夫です、葵もいるし。」
「葵って、誰?」
「え?!うちの執事ですよ。」
「いやいや、みどりの家には執事さんがいないよ。」
軽く言ったつもりなのか、驚きを隠せず真剣な顔で疑うわたしを察して、彼も幾分真面目になった。
「本当に大丈夫か?僕を持って遊んでるじゃないよね。」
どういうこと、辻褄合わないよ。葵さんはここに存在しないの?
やっばり日瑠間家で手掛かりをさがしなきゃ……帰る道知らないし……仕方ない、この人に頼もうか。
「あの、今ちょっと頭が混乱している、家まで送って切れませんか?」
「いいよ。帰って少し休みを取れ。今度ゆっくり話しましょう。」
強い眠気の殺到に防ぐことは出来ず、目を閉じると何もかも遠ざかって行く。
「おいーー」と叫ぶ彼の声はかすかに聞き取った。
今度目が覚めると、自室?
「おはようございます、みどりさま。」
寝台のそばで椅子に座っている葵さんは微笑みながら挨拶した。
戻ったのかーーって何なんだよ、これ?夢と現実の間に行ったり来たり、元々、どっちもゆめかもしれないな……




