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公式っぽい出会い系サイトですごく好みの絵を描く男の人を見つけた。
草食っていうか芸術系って感じの見た目で、髪が長くて背も高くて細くって、なんというかタイプどストライクみたいな人。
彼のプロフィールに足跡つけて話しかけられて、じゃあご飯でも行こうかって、仲良くなって。
付き合うまでにそう時間はかからなかった。
繊細な絵を描く人で、同じような雰囲気の小説をかく私と、驚くくらいに意気投合した。
絵師と小説家。
面白いカップルだと思う。
お互いに割と人気があり、お互いに毎日家が仕事場というのも重なって、自然に同棲も始めた。
これまでが1ヶ月。すんなりすぎて怖いというより、笑える。
私より2個年上で、24歳なのに笑う顔が妙に子供っぽくて、それなのに色っぽくて、性格はつかみどころがなくて、近くにいるのにいつまでも届かないみたいな、すごく魅力的な人。
付かず離れず。付いて離れる。
初めて一緒にお酒を飲みに行った時、強さ比べなんて言って2人とも浴びるように飲んで、何故だか元カレの話をした。
「高校でさ、一目惚れをしたのね。」
酔っていたせいで上手く口はまわらなくってたどたどしくなる。
「クラスの人をばーって見て、その時こう、ハッとするっていうか、どっきゅん、みたいな。そんな風に感じる人がいたのね。
それで、この人と仲良くなりたいって思って、わざと近くを通ったりいっぱい連絡したり、密かなアピールを続けたの。
そのおかげもあって、クラスの人で初めてツイッターでフォローされたのはその人だし、毎日5時間とか通話するようになったの。」
こんな感じのこと。思い出にできない、なれないし、慣れない話。
向かいに座る彼は聞いているのかいないのか。
「それでさ、7月の最後の頃、風邪ひいてすっごい辛くて寂しかった時、なんか抑えられなくなって、付き合ってって言っちゃったんだよ。
むこうは私のこと別に好きとかじゃなかったんだけど、その気が無いわけでもなかったらしくて、付き合えて、好きにもなってもらえたの。」
お酒が回っていたせいで話した内容はここまでしか覚えてない。
今でも好きなの?
っていう質問に対してどんな事を言ったのかさえ覚えていない。
まぁ、付き合っているわけだから大体返事の予想はつくけれど。