罪人の運命
──ある罪人は嘆いた 「こんな世の中馬鹿げている」 と……
罪を背負い続けることが、その罪人の人生であり義務。
彼の人生における、大半の時間は悩まされる時間でしかなかった。
「悪いのは誰だ」「お前はなにをしている」「お前が殺したのか」
世界は罪人を見放し、隔離されることを望む。
孤独の連続が、罪人の運命。ましてや、社会復帰などという好機は
回ってくるはずがない──いや、世界が回らせていない。
どちらにせよ、世界から見放された罪人の末路は、誰しも孤独の連続。
孤独から生まれるものは孤独でしかなく、その輪廻を断つのもまた、
孤独でしかない。
罪人の孤独は変わることのないもの。思わず自分を自分で殺したくなる
のも、孤独である罪人の衝動の一つ。
罪人の運命は孤独。
それ以上のことはない。