表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

婚約破棄されたけど、スキル『頭ツルツル』で賠償金と素敵なスパダリをゲットした令嬢の話

作者: 山田 勝
掲載日:2026/04/30

「クリスタ、婚約を破棄する!真実の愛の相手、ビビアンを虐めたな!」

「そうです。アレク、婚約者の相手いる殿方に近づくなと嫌みを言われました」



 この頭お花畑カップルの言う事はおかしい。きっと馬鹿なのだろう。

 貴族の婚約の意味は分かっていないわ。


 だが、相手のアレクの父親と母親、伯爵夫妻は・・・



「クリスタ嬢が悪い。アレクの気を引き留めなかった」

「ええ、そうだわ。アレクちゃんはとってもナイーブなの」


 私を批難する。

 この親にしてこの子ありを目の当たり状態だ。


 だが、私には秘密がある。スキル、ツルツルだ。頭髪が抜け落ちて頭が光輝く魔法だとしか解釈出来ない。



 ・・・かけたいわ。でもかけ方が分からない。



「うむ。婚約はクリスタ有責で解消だ。賠償金を払ってもらおう」


 滅茶苦茶だわ・・・・でも爵位と家格は相手の家門が上だ。貴族のごり押しだわ。


 お父様とお母様に相談しなければと思ったら。


 その時、辺り一面、光に包まれた。


 ピカッ!


「何だ。クリスタ嬢が輝いているぞ!」

「これは、スキル発動?」






 ☆☆☆回想



 ・・・そうだ。私、クリスタには前世日本人だったわ。

 コンビニでバイトをしていた。レジにいたら中年の男性のお客様に声をかけられた。


『姉ちゃん。ハーゲンあるか?』

『ハーゲン?お客様・・・その・・・』


 頭がツルツルなお客様がハーゲンを求める。

 反応に困る。


 その頭ではございませんか?と言うべきか悩む。


 その時、仲間がお客様に話しかけた。


『ナベさん。アイスのケースはここだぜ』

『おっと、最近は冷凍食品ばっかりだ。そこにあるのか?』


 頭髪が著しく少ない方、いや全くない方がハーゲンをお求めになる。

 籠にいっぱい入れているわ。


『ナベさん。ハーゲン好きだな』

『俺じゃねえ。ガキどもが喜ぶんだ』



 ・・・しかも、善い人だわ。私、なんて嫌な事を思ったのかしら




 ・・・・・・・・・・



 光は治まった。と思ったが、眩しい。その光はアレク様から発していた。頭部から物理的にだわ。


「ヒィ、アレクゥ~、その頭どうしたの?」


「まさか!」

「クリスタがやったの?」


 ビビアンはうろたえ始めたわ。


「ヒィ、全然、かっこよくないわ!」


 真実の愛じゃ無かったのかしら。

 背を向けて逃げだしたわ。


 一方、アレク様は・・・・頭をパチンと叩いて。



「うむ。我はこの事象を受け入れるべきではないか?因果応報、悪因悪果、善因善果・・・クリスタよ。真実の愛は実存すると思うか?」


「知りませんわ!」


 何か、賢くなっていた。


「坊ちゃまがハ・・・頭部から毛が抜け落ちた」

「大変だわ」



 私はこの騒ぎに乗じて屋敷に戻る。

 両親に報告する。


「実は婚約破棄されましたわ。アレク様がハ『ワン!』になりまして、私のせいのようです」

「何だと、意味が分からない」

「そうよ。時系列で話なさい」


 カクカクシカジカと話したが理解してくれなかった。

 私も理解でいない状況だわ。


「ワン!ワン!ワン!」

「そうね。こんな時間ね。ハスキーちゃんのお散歩行ってくるわ」



 こんな日でも飼い犬の散歩は欠かせないわ。



「クゥ~~ン」

「はい、お散歩よ」


 この子はやんちゃ盛りだが、今日は体をピッタリ寄り添ってくれている。

 気持を分かってくれているのね。


 アレク様とは領地は隣同士、と思ったら領地の境にアレク様がいた。



 木の下で思索にふけっているようだ。


 それを、子供たちが木に登って、柿をアレク様に投げつけている。



「ヤーイ!ヤーイ!『ワン!』ゲ!」

「眩しいのだよ!この『ワン!ワン!』


 アレク様は・・・・血出ているわ。これは止めなければ。


「ちょっと、子供達、やめなさい!血が出ているわ!」

「ワン!ワン!ワン!」

「ヒィ、狼犬だ!」


 子供達は逃げ出したわ。


「アレク様、大丈夫ですか?」

「うむ。我は美味しそうな柿を投げつけられる存在でもあるのか?如何にして生きるべきか?クリスタはどう思う?」

「知りませんわ!」


 賢くなったのか馬鹿になったのか分からなくなった。


 結局、この後、婚約は解消になった。アレク様有責だわ。


 男爵家である私に伯爵は平謝りだ。


「・・相場の三倍を出す。だから、髪の毛だけは勘弁してくれ!」


「でも、スキルの発動は分かりませんわ」


 本当にそうだわ。いつ発動するか分からない。髪のみぞ知る・・ではなく、神のみぞ知る状態だわ。

でも伯爵はそうは取らない。


「ヒィ、とにかく謝罪をする。どうか、髪の毛だけは!」


 頭頂部を抑えて必死に懇願するわ。



 もしかして、私はとんでもないスキルを身につけていたのかしら。賠償金はお父様は自由に使えと言う。


「クリスタよ。このお金は自由に使いなさい」

「でも、お父様、婚約は家同士の契約ですわ。領地経営にあてて下さい。私、個人への賠償は・・・」



 ビビアンから取ることにした。浮気に対する賠償だわ。


 ビビアンの家に行ったら。これまた噂が流れていたのだろう。


 ビビアンの両親は恐縮していたわ。


「ヒィ、払う。払います」


 だが、ビビアンから抗議されたわ。



「私、女ですけど!払うのですか?」

「女でも払いますわ。貴方の行為は浮気です」


 と私が頭を軽く触ると・・・勝手に誤解し始めた。


「ヒィ、もしかして、こんなに強気なのは『ワン!』ゲ魔法は女でもかかるの!」


 ツルツル魔法は殿方限定なのか分からない。


 お金をタップリもらったわ。


 さて、どうするか?婚約者を選ばなければならない。アレク様とよりを戻す気はない。


アレク様はツルツルになってから達観するようになった。


「やあ、クリスタ、我は民のためにズラを被るべきだろうか?」

「そうですね。眩しいから配慮するべきではないでしょうか?」

「さすが、クリスタ」



 こんなスキルの私に殿方は寄ってこないわ。

殿方はツルツルになるのが嫌なのかしら。

 

私の婚約者選びが難航していると、大公殿下が領地にまでやってきた。


 フサフサの方だわ。

 若くして軍功を立てて大公家を許された方だわ。

 でも、婚約者はいないと聞いている。


 顔合わせをしたわ。


「噂を聞いた。クリスタ嬢・・・」

「お初にお目にかかります。大公殿下」


「実は婚約を結んで欲しい」

「何故、私は危険な女ですよ。いつスキルが発動するか分からないわ」


「・・・これは秘密だが・・」


 大公殿下はそっとズラをズラした。いや、カツラを少し上げてツルツルを見せたわ。


「実は、髪の毛の問題を抱えている・・・君ならツルツルの男性でも平気ではないか?」


「それは・・・真実の愛なら可能でしょう。結局は相性の問題ですわ」


 しばらく、婚約を前提に大公殿下と顔合わせをすることにしたわ。

 大公殿下は誠実な方だわ。


 ハゲしい・・・あら、嫌だわ。激しい恋ではないけど穏やかに愛を育んでいる毎日だわ。




最後までお読み頂き有難うございました。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ