イーゴリの個人指導
暇なときはこんなことして遊んでるイーグルとオレグ。
ケンジの苦労は絶えない(笑)
【第二騎士団執務室 ― 地獄の指稽古】
昼下がりの詰所。
書類の山を抱えたケンジは、団長室の扉をノックした。
「団長、報告書が――」
言いかけたところで、彼の声が止まった。
目の前の光景。
イーゴリとオレグ(当時16歳)が、ローテーブルの上に手を置き、
指と指を絡ませ――なにやら真剣な面持ちで指を動かしている。
沈黙。
カタカタと、指の骨がぶつかる音。
「……なにしてるんですか?指相撲?」
ケンジの問いに、イーゴリが首を傾げた。
「なんだそりゃ。東の方の遊びか?」
「いや……なんか、指をこう、動かしてたので……」
その瞬間、オレグが真顔のまま振り返った。
「指で、女との体位交換のやり方を教わってます」
静寂。
カラン――
机の上のペン立てが倒れた。
ケンジの表情が凍りつく。
イーゴリは笑顔のまま、ピクリとも動かない。
オレグは、いたって真剣な顔で続けた。
「イーゴリ団長は、実践的な教え方をしてくれます」
――地獄。
三人の間に流れる気まずい沈黙。
イーゴリがにっこりと笑ったまま、オレグの手を取った。
「ほれ、こうすれば簡単に背面――」
「やめろぉぉぉぉぉぉぉーーーっ!!!」
ケンジの絶叫が、執務室の窓を震わせた。
その声に、廊下を通りかかったパーヴェルがぴょこんと顔を出す。
眼鏡をくいと上げ、困ったように眉を下げた。
「あー……また団長の“実技指導”ですねぇ……」
午後の日差しの中、第二騎士団の平和(?)な一日は今日も続いていた。
こんな短編はたくさんありますので、ここにあげて成仏させています




