アルトン
カナリア・・・信用貸金庫の総支配人であり代表取締役兼筆頭株主である。持ち株の100%を保有しており実質的に自身のものとしている。
トウマス=レギッシュ
宗助・・・イチョウ街の一件以降カナリアと親密な関係を築いている。真人とは親友の関係である。前回までに会社員をしつつ音楽家として活動していたが、超自然的な現象に合い辞職している。
真人・・・宗助の親友である。カナリアとは反りが合わないから会話をしていなかった。宗助とはシェアハウスをしながら生活をしている。
カナリアの信用金庫には洗濯物の干すための竿を付けるベランダの隣に事務室があった。四方の面の内二つには両開きのした半分が曇り度のガラスがあった。曇り戸のガラスはタンスの上半分が丁度外からも見える仕組みになっていた。日の入りになると夕焼けが事務所からよく見える。朝は暗くジメジメした湿地帯のようだが、夕方からは西日の恩恵を一心に受けられる設計となっていた。
「京子とのその後あったか」
宗助はカナリアから「ゾウの短編集」、「醜聞なるホトトギス」なる小説や文献を基にする書物を読みそしてあさるように謁見していた。謁見した資料にはまあまあに貴重な資料もあるが彼の頭にかかれば、その頭の中を読まれない限り資料の機密性は確保できた。
「この資料はカザスの短編集だ」
鍔を鳴らしながら歩いて来るとその男性は正門の前で止まった。その男は横に備え付けてあるインターフォンを鳴らすとアルベトが大きさく妖艶ななめかわしい声で返事をした。正門とは2メートル程度の身長を持っている人しか入れないようなとても低い玄関の事である。
「どちら様でしょうか」
インターフォンを鳴らすと大きな怒鳴り声にも似た声が発声したかと思うと風の音に交じり野太い男の声が広がった。アルベトは朝食を先に済ませており朝だというのに眠たげな表情を浮かべながら低い生返事をした。
「喧噪もない自然もあるとてもいいところではないか」
インターフォン越しの通話が切断されると男の耳にもガチャリとドアを開けたときのような音が聴こえた。横のインターフォンはクリーム色のコンクリートに内蔵された収音装置から彼の声を聴いていたのだ。
「それにしてもここには緑があるね。しかも生暖かい風があって読書をするにはもってこいのところだ。隣人との関係も良好。これなら外で読書をするのもいいし、部屋で換気がてら読むのも良い。しかし世界で一番大きな図書館を守るのが今の対応してくれた男だけと言うのはいささかぶようじんではないのかな」
壁の隙間を縫うように風が男のマントルピースを仰いだ。彼の中には私の事を話していると彼は鼻で大きく息を吸い、そして吐いた。鼻に土が入ったのかもしれない。はくときも多少の土煙が挙がっていたのでそれを飲み込んでしまったのかもしれないが彼はきにしなかった。
「誰だろう」
彼が玄関の覗き穴から外を見る。そこには強い眼光をした目をした指先まで力を入れている男が一人立っていた。彼には一人に見えた。その後ろに誰かがいるかもしれないという考えは至極当然のことであった。
「黒い懐中時計をしている」
懐中時計は高価には光る鈍い石だとかダイアモンドは付いていなかった。しかし非常に密度の高い金色に輝く鉱石を使い加工された時計は淡い緑色に似た金の輝きをしていた。数分も経つと彼は横を見ながらもさっと隠したのだ。
「開けてくれるかね」
腹は中肉中背のようにも見えるが手の浮き出た血管は努力をして筋肉を手に入れた証であった。目尻と鼻の堀の部分の筋肉が上向きに細く伸びておりひたすらスポーツに打ち込んだ印象を与える。体は堂々としているが猫背には成らず手がだらしなく伸びているというよりかは柔らかく伸びているほうが的を射ていた。
「何をしているのかな」
アルベトはその風貌をみて心が晴れやかになる気持ちで開門をした。音は茶色の煙によりかきけされようとしていたが男は待ち合わせの時間を予約していなかったのだ。街の住民ですら彼に話かけようとはしなかった。
「ありがとうアルベト君」
強い陽光に焼かれながらここまで足を使い来たのだから中ではゆったりしたいものだと考えていた。アルベトはカナリアにベロを渡すと。トウマスは口ずsさみながら靴を剥がしながらほどけそうな靴紐を力強く結び宗助の黒を白のスポーツシュージュの隣に置いた。
「お待ちしておりましたトウマス=レギッシュ教授」
頬には赤いおたふくのようなふくらみがあった。暖かくも少ない陽気にトウマスは眠気を抑えながらもしきり本を読むことをやめなかった。少なくとも工場の作業員が時間外労働に苦労しながら作業をするほどではないが。家の中では立ち込める湯気が幻覚として見えるようであった。
「トウマス=レギッシュ教授」
トウマス・レギッシュ教授は信用貸金庫の金庫を借りるためにイチョウ街という市外の街から来訪された。アルベトは敬意を持ちトウマスを歓迎したが彼はみぶきもせずに足を鳴らしながら受付へと歩みを進めた。私は彼女から話を聴いている通り相当な自信過剰ぶりだと感激した。
「君が卓太宗助だね」
男はつかつかと歩みを進めると彼が呼んでいる戸棚に手を掛けて宗助を見下ろした。宗助は読みものに耽っているのかこちらをみぶきもしなかった。カナリアは私を書斎の通りから本を持ってくるように指示されていたためその対立をいつまでも見ることはできなかった。トウマスは宗助を見そうになると決まって前を向くのだ。
「やあ!君がトウマス教授だね」
宗助は読み物を肘と腿で挟み首だけをキリンが葉を取るために首を伸ばす仕草をしたのだ。日のヒカリを浴びることにより天の祝福を一心に受けた宗助は心地良いまどろみのなかにいた。首だけを傾けて宗助はトウマス教授を見つめていた。
「君は誰だったかな」
風がガラスにカラダを叩きつけながら建物の奥に行こうとしている。昨日は雪が降ったからカナリアが所有している車も凍っていた。何キロメートルも先に行くのであるならば車に乗った方が歩くよりもなまじ早いのだ。
「君は確か宗助、だったかな」
トウマスはあからさまに壮大なジェスチャーをしながら困ったように目を閉じた。すると恐ろしゾンビでも見た後の主人公に似た声を上げていた。彼は手を打つと明らかにオーバーリアクションの恰好をして驚いた。
「君が欲しかったのはこれだろ」
蔵書には個人的に集めた著者が違う乱雑な本が並べられていた。本のタイトルも区々ではあるが一貫してイチョウ街に関する蔵書の欄であった。一向に宗助が脚立から降りないのでトウマスは腹立たし気に眉をひそめた。
「君が探してる本はこれだろ」
トウマスは中肉中背であることは定義したが彼はそれだけではなく目つきも鋭かった。彼の目はとにかく動物で例えるならば鷹の眼であった。ひどく鋭く尖った目尻に等速に並ぶ壺に似た目頭までのふくらみと隈が出来てそうで出来ていない目の下に張り合いのある頬が付いていた。
「君は一体どうしてここにいるのだい」
体はダークグレーの色をしたベルロアちょうのコートに薄手の黒い円盤を着ている。コートのなかには下着を含めて三枚も着ていたのでとても暑苦しそうに見えた。トウマスは口をキュッと締める癖があるので宗助に罵詈雑言を言う時も最初に口を絞めた。宗助を見ると鋭い目つきのまま口汚く罵る。
「君には関係ないだろうトウマス教授」
トウマス教授はしめ鯖の口に似つかわしくない大きくもスマートな爽やかに聞こえる声を演じた。トウマス教授は襟の付け根を見ると似つかわしくない不敵な笑みを浮かべた。彼にとってはそれで満足であったのだ。
「お前はいつも知ったかぶりをする」
肥えた体から手紙を取り出し内容を読み上げるが如くコートは黒い円盤が持つ曲線を描きながら腕に納まった。剛腕な筋肉と指の先までに意識された手がひとつの生命体であるかのようであった。それは曲線に沿って創られた頑健な筋肉はある種神がかり的な用法で確立されていたのだ。
「知らんぷりですか、私はこれまでに一度も知らんぷりなどはしたことがありませんよ」
私は一触即発の事態を予感して彼女から遠く離れた本棚のア行の所まで遠くに避難していたのだ。カナリアはアルベトが彼女の申し伝えにより貸金庫から「スーザンノーズ」の本を取り出しへと戻ったときに事務所に保管している手紙の確認を終了して宗助に貸金庫の鍵を返えそうしたことである。
「何を勝手なことを言うているのだ。そこをどかないと俺はお前を殴り飛ばすぞ」
脚立を動かさずに肘掛け椅子の格子に手を掛けた。転落防止のために備え付けられた木製の格子戸であった。アルベトは時折ちらつかせていたがカナリアがいさめるとその棒状の突起を懐へしまった。円盤の丸い球体を投げながらその場をいなしていた。
「この脚立が気に入りませんでしたか」
脚立を指さすとアルベトは京子が所有していた銀色のネックレスが気になった。彼女が保有している引き出しはこの本棚観覧から一番近い貸金庫であるはずだ。真人は親友になる印に京子の金番号を場所を知らされていたのだ。
「ああ、気に入らないとも」
トウマスはそんなことなどつゆ知らずあっちへ行ったりこっちへ行ったりと行くごとにカナリアたちの視線から明瞭に不安と焦燥の感じがした。宗助はシリンダ―を回しながらうつむき気味に彼の罵詈雑言を受け入れていた。
「このハゼが」
あたりあるものに当たらないか心配であった。トウマスはそんなことなど知らずに本棚のとりわけ大事な書物が保管されている場所で、大きな雄たけびあげていた。入り客たちも何事かと肩を揺らしながら近くの人たちと話し合っている。
「それ以上はやめてくれるか、そういつは俺の友達なんだよ」
トラウマになる前にトウマスを宗助の手から引き離そうとした。しかしトウマスは剛毅の腕をしているだけあり私の手では万力の力となり動きを停止させる他は願いが叶わなかった。怒号のなかで彼は平然と格子の柵に裏打ちの腿を付けて目を閉じていた。
「俺と兄ちゃんのけんかなんだぞ」
真人は風来坊を気取っている彼とトウマス教授の間に入り彼が間合いに侵入するのを阻止しようと試みた。男は彼を確かに兄ちゃんと言っていたこと知っている知人であるならば、敬称を付けずに名前を付けるだろうになぜ兄ちゃんなどと言ったのだろうか。
「去りたまえ」
宗助に相手にされなと考えるや真っ赤な顔をより硬直させてまるで炊飯窯を湯沸かしした表情へと変貌を遂げた。それにはさすがの宗助も冷や汗を垂らして身構えたが動作は服の内を自身の手でまさぐるというものであった。宗助も対応にはいささか困惑したものの彼の悪魔の笑みを見るうちにおたふく顔の笑顔が段々と真剣なものになって行った。
「やめたまえ」
彼の久々に聞いた金切り声に私も驚いてしまった。その声に反応して私も腰の横に備え付けられている拳銃に手を掛けるまでに至った。私だけではくカナリアですら死を覚悟した瞬間であったのだ。トウマスは二人の銃の使いを睨みつけると動きすら凍結した。
「小癪な」
内側のホルスターに手を掛けながら彼に近づいた。真人は当然ではあるが銃口を彼の眉間にぴったりと合わせていつでも正義の執行をできるように段取りを組んだところであったのだ。耳に口を近づけて大地の壮大さで話すことになる。
「これでわかっただろう。君と私では持っているものが違うんだ。これを持ってもう二度とここへ来ることは止めなさい」
宗助はホルスターを持っていたと思われていた手から諭吉の絵が書かれたお券を三枚取り出すとその大枚を彼へと差し出した。すると彼は矛を収めるどころか頭が瞬間湯沸かし器に変容し本物のホルスターを抜こうとした。
「おっと、それは止めといた方が良いぜ。君がそのシングルアクションを抜くよりも先に僕の銃が心臓を狙う方が速い」
丁度私の拳銃が頭蓋を通り脳の小脳から海馬を通り抜け大脳を掻きまわす絶好の位置が私の視野狭窄に見えた。宗助が左右に揺れながらも彼を見送っていた。彼が完全に見えなくなるその時まで銃を彼のこめかみへ狙い定めていたのだ。
「覚えてろ」
彼は遠くの見えなくなるところまで行くとちらりと後ろを振り向きながらも体を左右に揺らしのろまな動きをしながらも、出口まで行こうとした。時折り彼の横を通りすぎる若者たちが蔑むような目をしながら道を避けてゆく。問題を起こしたからかもうここにはいられないだろう。人の目もある。しかしこれで良いのだ、これで。
「やあ本当に危なかったね」
何も掴んではない手をポケットの中に入れて後ろを振り向いた。格子の奥からトウマス教授がポケットに手を突っ込みながら若い図書館の従業員を羨んでいるのが見えた。格子から手を離すと向きなおり何もない笑顔を向ける。
「危なかったではないだろう、良くホルスターに手を掛けずに話ができたものだ」
緊張で手が震えていたからか宗助がトウマス教授と脚立の上から話しているときでさえホルスターから拳銃を抜くことを躊躇しなかっただろう。私が例え実情を誤植されようと抜かれた拳銃から弾丸を射出する過程を躊躇することはなかった。
「貸金庫の信用に繋がるから発砲するのだけは無しよ」
二人は拳骨をもらうが終始笑っていた。腰と脇に備え付けられている護身用の器具へ手を掛けた時点で怒られることは確定していたからだ。守るためには何かを差し置いても優先すべきことはあるだろう。
「真人の御言葉に答えるのであれば僕は全く心配なんぞしていなかったよ」
真人は頬を打ちつけるような感覚へさいなまれた。足先からあつい感覚が全身へとわたり血のなかへと浸透してくるようであった。頭の毛の根本まで穴が高揚から花開く感覚がした。そして熱くなったので私は喜んで着こんでいた上着を脱いだ。
「たまあにああいう人種の人間が居るのだよ、自己嫌悪に苛まれた末に強行へ走る人間が」
カナリアは宗助が座っていた脚立に手を掛けた。畳み格子に凭れると本棚に陳列されている本を指でなぞるように数え始めた。脚立を置いたのは良いが一階へと落下しそうであるので廊下の隅に移動させた。
「信用金庫よりも長い廊下なのか」
カナリアが所有している図書館は蔵書数が二万本にもわたる。一階はエントランスの横に講習が開ける広場があり奥にトイレがある。右には開館してから蓄積されている雑誌、新聞、エッセイが集約された部屋から、哲学、神話、自伝がある。
一階には閲覧用の部屋が二部屋あり敷居が付いている自習室が各部屋に19個備えている。左には図書館が所有している有線で繋がれたルーターからインターネットに接続でき、通信することがかのうであった。
地下室には地下倉庫室として全体の8割の蔵書が収納されている。特に古典とされている出版物はこの地下施設に格納されていた。
「アルベトはどうしたのだ」
長い廊下、迷路のように廻り巡るようでもあった。蔵書には一切の興味を持つことは無かったが芸術的に整えられた威厳ある書物が並ぶのには息を飲む。歩いても先が見えないのは神秘的な影響を受けているようでもあった。神秘的なまでに魔改造された男は部屋の中央から通りを伝い中央の螺旋階段を降り地下へと向かった。
「アルベトはどうしたもか」
彼が話していると予想に反して大柄で野太い声が聞こえた。私たちは警戒したのは彼が通りより階下に来て復讐をするのではないのかという危険であった。担架は切ったものの相手の巨漢はきょういであった。
「宗助どうしたんだ」
白髪で大柄な男は白とダーティー色のコートを着ていた。なかに白いジャケットのような薄手を着て体を膨らませていた。宗助はトウマスのことなど忘れて階下から中央の階段を登った。カナリアにトウマスの記憶が蘇る。
「真人どうしてそこから来たんだ」
白色の髭は真人そのものであったのだ。図書館は基本的に受付が常駐しており彼らに断りを入れないと入れないのである。真人が来た場所は真ん中に設置された大柄ならせん状の階段であった。二階には真人が乗っている階段の反対側に二階に繋がる業務用の扉が設置されており、階ごとに反対向きへ設置されている。彼が居るのは受付から見て横の右であった。
「らせん状の階段からここに来たんだ。途中エプロンみたいな垂れ膜を持っている女性にすれ違ったときに所在を聴かれたけれど大丈夫だったよ」
彼は首にぶら下がっている鈍い銀色のフリーパスのようなカードを見せた。それは薄いポリエチレンのケースに守られていた。業務用の通行証にも似たそれは従業員用のパスコ―ドにも見えたが、本来であれば従業員と印字されている部分には紫の帯が描かれていた。
「それは全券パスコ―ドよ」
パスコ―ドをもぎとるとカナリアは真人が持っているパスコ―ドの裏面を見ることとした。カナリアは紫色の帯が金色に輝いていることを確認した。腕に巻いてある端末からカードを読み取ると真人へ帰した。
「室内の全部の部屋と管理室に行ける鍵よ」
紫色のパスコ―ドは黄色と緑色を混ぜ合わせた金粉と藍染めの塗料がカードの一番上に付けられていた。カードは藍色の塗料のしたに16桁のナンバーとして割り振られていた。パスコ―ドは00から始まるナンバーの着色された色とナンバリングが一致しなければ通行書として機能しないのである。
「なぜそんなもの真人が持っているのだ、厳重に保管されている資料室にすら入れるだろ」
地下に入ると土煙を含んだ突風も聴こえないだろう。土地由来の突発的な春風は畑の土を舞い上げて家から出た埃を舞い上げながら、樹木の隙間を縫って行く。風はいつも西から東に吹き荒れていた。太平洋の温暖な風が台地の土地に吹き荒れるからだ。
「私が真人に渡したの」
カナリアは宗助を睨むと彼は何もなかったように真人へ手を差し伸べた。彼女の見る目が無いようにも感じられたからだった。カナリアの目がぎらつきながら宗助を見ていた。カナリアから見ればほんの紛失すると大変だろう。
「私がここに初めて来たときに、受付で渡してくれたんだ。まさか自分も従業員口に入れるなんて思いもしなかったよ」
太陽は昼夜で10度の差があり雨も3か月に一回程度である。土地と呼べるものの殆どは畑とそれを管理する家が数個点在するだけであった。10時より先はこの土地の地上をある事はかなわないであろう。
「真人に渡したのは来訪者用のね」
カナリアは宗助にナンバリングカードを見せたカードは真人のとは違いオレンジ色が腐ったような色をしていた。腐食した色は良く見ると濃い橙色である。カードを真人はカナリアから受け取ると、ケースから外して自分が持っている折りたたみ式の財布の中へ入れた。
「もう一時間も経っているしみんなも喉が渇いているだろうからお水買って来たよ」
おもむろに彼は片手が塞がっていたので、もう一方の利き手で器用に財布に備え付けられているポケットへカードを納めた。純銀のような液体はペットボトルの中へ納められていて、蓋にとじこめられていた。ポットボトルは一つ300円だったので100円の硬貨を三枚ていどであったので宗助は反射的に財布からお金を出そうとした。
「真人ってとってもいい人だからついつい助けてあげたくなるの」
安眠室には先にご利用している客が何人も列をなしていた。それは真人たちにお客様が見えていたからではなかった。安眠室は一部屋ずつ簡易的ではあるが敷居で遮られていた。3人はあしに付いているローラーへ付随して付いているストッパーのへりを解除して横の敷居を二枚どかした。敷居だったもの仮眠室の横の用具入れに入れた。
「真人はどうしてこの図書館に来たの」
安眠室で横になっているカナリアを尻目にしても真人は目を泳いでいた。彼は私が話しているとりも真面目に読み物をしていた。宗助であっても彼を出し抜こうなどと考える人間はいないだろう。私は気になっていた。
「図書に来たのはハルトマンの名前を探しに来たんだよ」
カナリアは血相を変えたように飛び上がった。
「ハルトマンですって」
カナリアは安眠室には似つかない大きな声で騒いでいた。それがうっとうしかったので私はしかめっ面をするとカナリアはシュンと静まり帰ってしまった。彼はそれを見ていると私の事を話しているのはだーかが二つだからである。
「ハルトマンの照合につてね」
カナリアはハルトマンについて彼女なりに視野を巡らせていた。彼が飛び上がりながら垂直着地をしていたときも、宗助が水を飲んでいる時でさえ音は気にならなかった。
「ハルトマンは無意識を操る存在なの」
鬼が操る存在として私たちの世界に傀儡しているとも聞いたことが分かる。ベッドから垂直跳びをして起き上がり安眠室を抜けた。彼女はその名前も彼が聴いていたのか、資料室へと足を運び寒い鉄の廊下を何倍も高揚している体を動かし走った。
「無意識の妖怪からハルトマンとはな」
地下の二階はうっそうとした無骨で本を収納するたなしかなかった。宗助が感じたのはさむさであった。寒さは宗助の体を包み込み調べるための知的欲求すら喪失させてしまった。カナリアは平気であったが宗助が反芻して身を震わせていたのを見ていた。
「寒かったらこれ着て、厚手のコート」
カナリアにはどうして彼が震えているのか分からなかったのだ。確かに寒いがそこまで身を震わせる程だろうか。
彼が探しているものは彼女からしてみたらとてものであった。それは書棚の本棚のハ行の所にあるのではなく奥の特別閲覧室と書かれた場所に書かれていた。
「あの奥にその謎がわかるはず」
「妖怪でときに人を垂らしこみ夢の中へ引きずる妖怪がいる。夢の中では彼女の思惑通りに事が運び一度捕まったら出ることはできないのである。彼女自身は捕まえるときに飴玉で子供を誘いこみ依存させて捕まえる。その後は出たいと思っても出られなくなるので被害者はハルトマンの中で生活する」
熱く明朝の筆記体に似たそれは手で書かれたのかインクが紙の中に練り込まれている。カナリアはマスクと手袋をすると電気をつけて空調に書かれているボタンを2に変えた。これは来訪者が三人いることを示すためのボタンであった。
宗助はカナリアから手袋を貰い一頁ずつ丁寧に調べたそれは、今では古典的となったいろは歌の時代の話で合った。私はハルトマンの文字が少しかすれているのが気になった。
「つまりハルトマンとはサトリ妖怪であるということかね」
彼は熱っぽく話すとカナリアは力強く頷いた。真人はほんのページを捲ろうとするがカナリアが重宝しているだけあり、優しく窘められそうなので止めた。私は頷いたが彼女はそれを見るだけではなく通りに連れ帰った。
「そういうことになるな」
宗助は私のことを話していた私はハルトマンの名前が遠い記憶から呼び起こされたようでもあった。私はまたこつんとなっている音が聴こえた。トウマス教授の名前が直感的に浮かびあがった彼はまだ帰っていないのか私たちだけではないのだろうか。
「ところでここは水漏れ何ていないだろうな」
私はぶっきらぼうに質問するとカナリアは驚いていたがすぐに総務課の人間に連絡してくれた。彼女は数回話をすると通信を切りこちらへ戻った。特別閲覧室では電子機器だけでなく貴重品や上着まで特別なロッカーに入れないといけないからだった。
「そんな怖いこと言わないでよね、何ももんだいは無かったわよ」
カナリアは真人に手を振りそんなことはないとアピールしていたのだろうか、手首をものすごくふっていた。
「何か音が聴こえるのかい」
宗家は脚立をかたずけていたときから終始笑みを浮かべていた。
「トウマス教授に向けられた挑戦的でふくよかな満足気な人がする表情に似ていたから何か築いたのかなと思ったんだよ」
彼は頷いてホルスターを抜こうとしたが一つ手前の脱衣室に置いておいたのをすっかり忘れて空気を掴む。
「その話は半分正解。ぼくがここに来たのは真人が言ったとおりハルトマンを探すためでもあるが、もう一つだけトウマス教授に会うためでもあるからだ」
かれは帽子のつばを触るとカナリアは目を丸くしながら体を震わせていた。彼女は自身の体の特に服の部分を入念にまさぐった。何回もポケットや裏地の裏と縫い目の部分を触るともっこりした機械なんて出てこなかったかホットしていた。
「発信機なんて付いていないよ。僕の上着はここに来る道中、若い女性の従業員にあずかってもらったし、このしたに着こんでいる服はトウマス教授と対峙したときには脱いでいないし、襟すらみせていないからね」
私は思考の限りを巡らせて考えた。あの数度の会話で彼が何を得たのかが皆目見当つかなかったのだ。さらに私は眉間に皺を寄せて思慮を巡らすと電撃的なまでに早い直感が脳裏をよぎる。私は目を覚ますと数歩前に進んでいた。
「それはこの資料室の事ではないのか」
宗助は眉を上下させて困惑した表情をしていた。カナリアも呆れたように目を反らした。二人から繰り出される無言の咆哮に私はなすすべなく、倒されてしまいそうになった。土地柄には彼女が近所使いも含まれていた。
「すまない、君が丹精込めて練ってくれた答えなのだが、恐らく違うかもしれないんだ」
元々地下水脈があり地下に建物をのばすことは難しかった。しかし、この坪は偶然では山地からの脈が無い部分であった。向こうの畑は豊作なのに取れない場所もある。同じ地域なのに地下が違うのは水脈があるかどうかであった。
「しかし、いや何を言っているここは地下三階、図書館の階下はここが最終地点だぞ」
宗助は時折悲しい表情をした。ここの住民が話をしていたから私は彼女に口をはさんでいたときに、どうして話をしている時ですら、声色を調整することを強いられていた。
「この場所は生来水脈の多いい場所であることは分かるだろう。中規模の地下水脈が木の根のように流れていて、その水を吸い込むからここの作物は天日干しの大根みたいにならずに済むんだ。そこまではわかるだろう、そしてその地下水脈は網の目のようにどこにでもあるから井戸水の普及しているのだよ。」
宗助は私の事を話していると彼女から話していたことからも、宗助は足踏みをしていた。真人は足踏みを気にしなかったが、カナリアはどうしてそんなことをするのか理解に苦しむと顔に書いてあった。宗助はカナリアに格子でトウマス教授と格闘した際に右頬に絆創膏を張っていた。
「カナリアさん、この図書館にはもう一階地下に施設が有りますね」
カナリアはまたも目を眩むような事態になっていた。真人は宗助のご尊顔からカナリアへ向きをかえた。カナリアは冷や汗を垂らしながらその場に固まっていた。体は仕留められた熊野はくせいであった。
「どうして図書館に地下四階があるのを知っているのですか」
地下世界が広がっているのだろうか地下世界は少女が世界を見ているようであった。サマーキャンプで的を射た魚が口をパクパクしながら必死に呼吸をしていること彼女を見て思い出した。カナリアはその魚そのものであり口をあけながら必死に次話すことを決めていた。
「地下の音と鉄の反響だよ。カナリアが特別資料室から出てきたときに、特別資料室の床を足で叩いていたんだ。僕はそのとき反響音を聴いていたのだよ、そこには床に絨毯が敷いてあったので詳しい音の反響は聞こえなかったけど、ここに来た時に確信したよ。明らかに乾いた音が聴こえたかね。ほら、真人もひとふみやってみなよ」
私は宗助に言われた通りに足を一回だけ床を叩いてみた。私が力強く足を叩くと力が伝わり鉄が反響する。彼が言ったように乾いた音が聴こえたが、空洞があるようには聞こえなかった。違和感があるように思えなかった。
「違和感があるようには想えなかった」
しかし、宗助は真人に貯蔵されている本棚の角まで行くことになった。本棚はア行の欄であった。真人は彼に勧められた通りに床を叩いた。私は彼女の顔や体を一通り見ると真ん中で音を鳴らした時のように、足を鳴らした。
すると腹の真ん中で鳴らした音とは違い鈍く鈍化した重低音がした。音階の低音に似ていたが綺麗だが細やかな音調をしていたが、最期に金属音の無機質な音が聴こえた。無機質の音は重低音よりかは中身はあるが志の無い音がした。
「本当だ、音が違う」
宗助はニヤリと笑いカナリアへ向けた。
「これで決まりですね」
カナリアは困惑した顔をしていたがすぐに宗助の真剣な顔に仕事の熱が入ったようで、彼女の顔も真剣なものに変わっていった。四階は地下の中でもとりわけ薄暗い部屋であった。扉は真新しい鉄製の扉であったが一旦中へ入ると、石畳の壁か視界を支配した。
「さっき着ていた厚手のコートがあると思うけれど、それ持ってきた方が良いよ」
石畳の階段を降りるほど段々と寒くなって行った。宗助の息は階段を降りるほどに白くなって行く。宗助はとうとうコートを羽織った。しかし、彼女を見ていると白い息を吐いてはいなかった。地下には木製の鉄扉が掛けられていた。カナリアはそれを燃やすと門戸を扉からしてみれば小さな手で押して開けた。
「さあ、ここが地下よ」
地下四階がより洗練された科学的な物質を利用した近未来的な部屋であると思っていた。石畳は相変わらず部屋は直線の廊下と横にマーチ状の意志の隙間に木製の窓がたてかけられていた。私が話していたのは敷居の話ではない。
「地下施設は全部で八部屋あるの、ここには顧客からの漏洩も防ぐために保管場所を聴かないようにしているの」
部屋を覗き見るのはまずいと思うが部屋は分厚い木の板で閂が掛けられている。部屋には監視カメラが有り、それは閲覧室とは違う閲覧できる媒体に保管さえていた。この部屋に搭載されている監視カメラは監視用と言うよりか証拠そして保管するために設置されているからだ。
「ふうむ、この閂の中を見ることはできないか」
真人は純粋な好奇心からカナリアへ申し込みをした。彼女は困惑した表情をしたが数度考えると左側の一番、最期の閂を指さした。
「あそこの金庫は誰も利用していないからいいわよ、特別に」
彼女は頬を赤らめてその手紙が保管してあった場所に足を進めた。カナリアは専用の純金製にも似た金色でもあり、銀色にも輝く鍵を鍵穴に指した。鍵穴は閂の中心部分のくぼみがスライド式の戸になっており右へずらすと現れる。
「離れてね、動くわよ」
ひとりでに動き右へ収納されるために閂は木々が擦れた音を鳴らして自動で開門した。ゆっくりと扉を開くと中の冷気がじんわりと足に垂れ込む。カナリアはスカートなので寒い空気がくびれまで伝わるだろう。
「ここがカナリア信用金庫のかなめと言うことだろうか」
閂の中には黒が蔓延しているが無いのではなく、正確には空間に吸い込まれているようでもあった。しかし、この空間には星などは無くただ漆黒が当たりを覆っていたのであった。まるで宇宙の画像の中から星だけを切り抜いて消したようでもあった。
「音を遮断する金属だね、鍵に反応して開門する閂も核爆弾ぐらいは対応できるんじゃないかな。鍵は金属と鉄と亜鉛のような原子と形状記憶合金を融合させてその上にもう一度金を乗せたということだね。開門の際に表面の金のグラム数を計測してそれと中の成分の保有率を計算した後形状記憶合金の変化が鉄、亜鉛、金とその他の原子との元素反応と合致したときのみ開門したという事か」
種明かしをすると至極簡単な問であった彼が話している通り、しようと思えばだれでもできそうに思える。しかし、それは素人が達人の技をみて何も考えずにただできると考えているのと変わりはしないのだった。
「さすがね、論文見て開門することができないように微妙なものからかき集めて一つに体系化する。小さい集合体ならば、アメーバのような生物を肉眼で見るような人じゃないと開門できないようにしているのよ」
彼女の手から拍手が飛び交うが、しかし音が聴こえないのだ、私は目を疑い外から彼女の拍手の音を聴いたから。薄っすらとだが聞こえるのだ、私はそれが音を反響させない未知なる物質により造られた部屋なのだと知ったときぞっとした。カナリアは誇らしげに言った、彼女の得意分野は化学であったか少なくとも彼女のそれには感嘆の意を表せなければならなかった。
「実況見分の結果、紛失、盗難は無かった」
カナリアは足を伸ばしリズムを刻みながら鳴らしていた。真人には頬を打ち付ける感覚は無いので宗助からもらった熱っぽさも消えていた。宗助が座っていた本棚から抜かれた本は無いか陳列されている所をひとつずつ見分して行く。
「まあ、そうだな」
ペンダントが置いてある部屋も見させてもらったが最後に私の事を話すことはなかった。宗助は私に彼女のことについて聞いた。京子のペンダントの行方も分かり彼女に報告もできるだろう。最後ちらりと見た。
「ところでカナリア、この部屋は上からの侵入者にはめっぽう強いということですが、横からの侵入者についてはめっぽう弱そうだ」
私はなんてことを言うんだと思い顔を膨れさせながら彼を問い詰めた。宗助は彼女を見ていたが私が怒りながらカナリアと彼の間に入ると、思考をいったん中断して私声に耳を傾けた。カナリアは自身が手掛けた防御システムを侮辱されて腹だたしい思いをしているだろうと思い彼女を見た。
「続けて」
私の怒りは収まらずうっかりものに当たりそうなほどだった
「真人、僕の言葉は彼女のことを侮辱しているように聞こえるように思えるだろうが、その実光明のヒカリを与えるのだ。それは彼がおそらくは先に拝見させてもらった部屋からかまたはここから三番目、左のところから侵入し金庫の中身をかっさらおうとしているからだよ」
どうしてそのようなことをするのか分からないが彼の事だからか私はすっかり見守る気持ちになっていた。私とカナリアは彼に指示されたように廊下の奥の小窓から廊下を覗き込むことにした。彼はその間に暇なので耳をその石畳みにくっつけていた。彼が指を降りながら一回、二回と数えているとようやくとばかりにこつんこつんと言う音ともに人の話声が聞こえた。
「真人、僕がそわそわしていた理由はこれだよ、早く行こう二回目のトウマス=レギッシュ教授との対談だ。身なりは整えてね」
宗助は自身のポケットから簡易的なカンデラを取り出すと左最奥の私たちがさっきまでいたところの壁にぴたりとはりついた。三秒待ったか彼が手話で投入の合図をすると彼らは大きな怒鳴り声をあげて拳銃を取り出した。
「うわあああ、この悪魔、悪魔めが」
レギッシュも今度はホルスターから拳銃を取り出し撃とうとしたが私の拳銃の一撃の方が速く彼の鼻先へ狙いを定めたため動きを止めざる必要があった。レギッシュははつらつで精力的な目をしており彼を一回目の会話をした時よりも透きとおった声をしていた。
「トウマス=レギッシュ、君のことは後でゆっくりと話を聞くよ」
何事かと何人かの従業員がこの扉から押し寄せて来る。宗助は何人かに土の除去を明示彼の身柄を引き取ることにした。こうして私たちの冒険はひとまず幕を閉じるのである。
「どうだ、俺は英語も話せるんだぞ。一億の契約もしたことがある」
彼は取調室で実況見分をしていた。警官たちの中に宗助は居なかった。別室で葉巻を吸いながらカナリアからの着信が来るのを待った。10分もすると火と油でチャーハンを炒めているスタンプが表示された後、【やっと、解放された】とメッセージが来た。
「俺はフレネミーの友人から儲け話を聞かされたんだ。その時の俺は借金の返済も終わりやりたくもない営業から解放されると思い有頂天になっているときだったからだ。黒服で顎には髭を生やし深いガラガラ声の男が話しかけて来たんだ。俺は久々の仕事も終わり菓子屋でアイスを買って食べているときにその黒服の男が話しかけて来て、このカナリアの金庫の設計図を見せるように要求した。金が要るから儲け話に耳を皮むけたんだ。そうすと俺が預かり知らないところで話が進み決行の前日になっていた。俺は生来の友人に合えたと思ったがそれが宗助だったと知ったときに俺は自分の計画が失敗するだろうと予感したよ。でも引き返すことができなかった。まるで催眠にでもかけられたようだった。でも今は大丈夫だ、もう誰も傷つけることはもうしない、誓ってやくそくするよ」
そう言うとレギッシュは蒼い服の体格が良い警官二人に連行された。彼はこれから実刑がくだるまで拘留される身になるだろう。地下施設の改修には時間がかかることだろう。しかし、宗助と真人はカナリアに修繕の協力を申し出た。彼女は凛々しい顔でそれは要らないと答えたので、私たちは見守ることしかできなかった。
しかし、一番驚いたのはレギッシュ教授の実刑が呆気なく無罪となったことであった。それは事件が事件だけに個人で所有していた図書館で発生した事件であり、また近隣への影響や土地、風俗に影響が出ないと判断されたため彼の一存を全てカナリアに任せられたからである。
彼女が許したことに他ならない、彼女の聖母のような光が漏れる寛大な心に、聖母のような感じがしたのかトウマス=レギッシュも涙を流して何度もひざまずいていた。彼女からの接近禁止命令を遵守しつつ更生をし始めるだろう。
最期に宗助はパイプ椅子に座りながら紙煙草をふかしていた。机に置かれている三通の手紙を見ると彼は「今回の内容はより正確な情報が集まってからにしよう」と言うことになった。そして私はこの報告書を10年越しに起こすこととなるだろう。
トウマス=レギッシュ・・・腹はピザの食べ過ぎで出ているが顔はシュッとしていて男らしくある。一人称は俺であり部下にもそれを強要している。相手を呼び出すときには基本的に【お前】と言う場合が、多いいが目上の人間には敬語を使うなど状況に応じて態度を変える狡猾さも持ち合わせている。前職では教授として地質学と民族の歴史を語る立場であるが、借金におぼれ信頼を失ったため任を解かれている。その後は外資系の企業に就職し借金の返済をした後、その職を辞す。
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