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第4話

人間ってものは、


見ているものが


見えているとは


限らないんですぜ?


つまるところ、


見たいように捉えて


見ているに過ぎないんでさぁ。


ああ、せつないですねぇ。

 ふとチラリと見た遠方から、第二騎士団の赤い甲冑をまとった者たちが10名ほど、こちらに歩いて近づいてくるのが視界に入った。


(なぜ持ち場を離れるのだ?)


 その思いが私の眉をひそめさせた。


 走ってはいないので緊急事態ではなさそうだが。何か不測の事態でも起こったのかもしれない。


「大変だと思いますが、これからも頑張ってくださいね」


 優しいお声を耳にして私は視線を殿下へ移す。


 殿下はすらっとして背が高いが、出迎えに並んだ治療院の軽微な患者や職員に対し、1人ずつ丁寧に腰を落として目線を合わせて、お話をされていた。


 何とお優しい方だろう。この方が皇太子殿下となり、いずれは皇帝陛下となられたら、帝国は益々すばらしい国になるだろうと、私は心から思った。


 帝国は文化、教育、福祉レベルが周辺国よりも高い。皇帝陛下や皇族の方々が率先しておこなうからだろう。


 そして、視線をまた第二騎士団に移すと、先ほどより更に近づいて来ていた。


「!」


 私は、思わず息を呑んだ。第二騎士団員と違う!


 遠くでは分からなかったが、騎士団の甲冑が頭と上半身だけだ!下半身はズボンではないか!


 それに騎士団員は行動に規律があり、歩き方にも美しさが問われる。


 何だ!あの連中の歩き方は、醜いガニ股歩きではいか!


「敵襲っ!殿下を守れィー!!」


 私はありったけの大音声を張り上げた。


 さすが近衛騎士団員、直ちに殿下の周りに集まり周囲を固めて防御陣を敷いた。


 次に施設の職員に指示を出そうと思い見てみると、すでに慌てる患者を引き連れ施設へ向かっていた。さすがだ。


 これで心置きなく全力で迎撃ができる。


 襲いかかってきた赤い甲冑の者が剣を振り上げた隙に、私は敵の右手首を、電光石火で抜刀したナイトソードで撃ち抜く。


 私の得意技「尺骨砕斬」だ。小指側の手首を下から切り上げると、尺骨が砕け、神経を麻痺させるので敵は剣を強く握れなくなる。相手を無力化する方法の1つだ。


 しかし!残念ながら効かなかった。


 相手は騎士団のフルプレートアーマーを装備している。手首もむき出しではない。私の力では甲冑越しに、手首の骨を破壊できない。


「チィッ!」


「効かねえなぁ、お嬢ちゃん!」


「!」


 この声は…以前夕暮れの帰り道で襲いかかってきた気持ち悪い男の声ではないか!凄まじい生理的嫌悪感が呼び起こされた。


 そのため私の集中が、一瞬途切れた。


 それがいけなかった。戦いの最中に集中を切らすなど、まさに小娘そのものだった。

初の連載企画!


迷走して当たり前。


プロじゃないですし。


そう思って前に進みます。

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