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第2話

幸せいっぱいの姫騎士。


それを妬む者たちは、

それはそれは多いことでした。


嫉妬の炎は、メラメラと。


見えない炎を切り裂けるか?

 カイゼル殿下は19歳。背が高く引き締まった体つき。ややクセのある黒い短髪。黒真珠のように輝く瞳。そして、お美しく凛々しいお顔立ち。さらに、優しく柔らかな物腰と、耳に心地の良いお声で、貴族や臣民からの信任も厚かった。


 そして、殿下は頭脳明晰で文武両道で何しろかっこいい!


 貴族学園は首席で卒業され、卒業生総代としてお言葉を述べられている。


 また剣の手合わせをさせていただいた時に、私の本気の斬撃をかわしたり、いなしたりなさっていた。


 笑顔の殿下の斬撃は、鋭く速く、私も背筋(せすじ)が寒くなるくらいの剣筋で、本気でさばかなけらば大怪我を負う可能性が高い。


 カイゼル殿下は、今後20歳になったら正式に皇太子となり名実ともに帝国の要となる予定のお方だ。


 私は、そんなカイゼル殿下の直属護衛騎士として満ち足りた日々を過ごしていた。


 当然、やっかみも多々あった。


 私は護衛騎士なので、貴族令嬢たちのようにドレスを着飾って、殿下とダンスを踊ることはできない。ダンスは踊れないし。


 しかし、いつも殿下のお側に付き従うことができる。


 その点が異常なほどに貴族令嬢たちから嫉妬(しっと)を買った。


 嫌がらせは殿下と居るときは全くなかったが、他の護衛騎士と交代し、退勤した後がひどかった。


 小さなことから、やっかいなこと、時にはならず者に襲撃されることも多々あった。


 私の勤務は基本的に日勤だった。時折パーティーの時には勤務が夜に及ぶこともあったが、夜間はベテランの男性騎士が護衛として付く。


 そのため私はだいたい夕方には騎士団の宿舎に帰るので、その時を狙うようだった。


 お城から宿舎までは、歩いて600歩ほど。その短い道のりで、悪さを企てるのだから、よほど計画的な犯行なのだろう。それに毎日のようなしつこさで襲撃やいたずらがあった。少々鬱陶(うっとう)しかったのは事実だ。


 私は自身の剣技に絶対の自信を持っていた。力では男性には遠く及ばないが、速さと技で男性をはるかに凌駕(りょうが)していると思っていた。


 それが自惚(うぬぼ)れだと当時の私はまったく気づいていなかった。


 襲撃者を軽く打ちのめして「愚か者!去りなさい!」と、かすり傷ひとつ負わずに何度も撃退していた。思えば、きちんと捕まえて衛兵に突き出せば良かったのかもしれない。


「お嬢ちゃん、俺と仲良くしようぜ?」などと絡んでくる気持ち悪いならず者もいた。そんな者と一時でも一緒に居たくなかったこともあって、歩けるくらいに適当に打ちのめして撃退していた。

以前は1000字小説を書いていました。


1話1000文字にしていこうと思います。


さぁてどこまでもつのやら。

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