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涙の彼女がここにいる

濱本(はまもと)は都会に出てきて10年が経つ。仕事の多忙からか疲れと孤独感を徐々に感じはじめていた。

そんな日々を送る濱本は、ある女性に心奪われた。

一目惚れである。

そんな男の恋の行方は……




 あなたは恋をしていますか? 


 だけど現実は……なかなか上手くいかない、出来ればハッピーエンドで終わりたいものです!



 都会に出て来て10年が過ぎようとしている。 

 濱本義雄(はまもとよしお)は仕事に追われ孤独感を感じる様になっていた。 

そんな時ある女性を意識し始めた。

 それは寒い日の朝――。

 いつも会社に向かうために利用する地下鉄。

 地下へのエスカレーターに乗り規則正しい速度で降りてゆく。

 毎朝同じホームそこから乗る電車の3両目乗り場に彼女は居た。

 濱本は地方の高校を卒業し都会の大学へ入学したものの、授業料が払えなくなり中退、やがて小さな印刷会社に就職をした。

 10年もすると、そこそこ任される様になりそれなりの給料を貰えるようになってはいた。 だが、それに反して時間は仕事に費やされていった。


 彼女を気になりだしたのはいつも文庫本の小説を読んでいて時より微笑んでいる仕草が愛らしく感じられた。 

そしてなにより幼い頃亡くなった姉に似ていためだ。


 今日こそは声を掛けてみようと思うがなかなか勇気が出せない、そんな日々が続いている。

 いきなり声を掛けてもただのストーカーと思われてしまう!

 接点のない恋愛はかなりハードルが高くましてや、一目惚れなどこの時代ありえないのかもしれない。

 ある日――

 いつものように濱本はホームへ向かった。

 やはり3両目乗り場に彼女は居た。

 濱本はそちらに向かって並ぼうとした。

 その時中年男性が勢いよく彼女の背中にぶつかりその瞬間、彼女はよろけて文庫本と共に線路に落ちそうになった。


 とっさに濱本は彼女を支えようとし手を伸ばしホームに――と思った瞬間ベッドから落ち、目が覚めた! 



「夢――?」 夢にまで見るようになるとはかなり重症である。

 その日の朝濱本はいつもと同じように地下鉄に向かった。


 だが、何か様子がおかしい。

 ホームがかなり混雑をしていていつもの光景ではない。

『只今、人身事故発生の為電車はストップしております、大変ご迷惑をお掛けしておりますがしばらくお待ちください……』と、アナウンスが流れている。

 いつもの3両目も人混みが多く、彼女の姿を見つける事は出来ない。

 かなり待った、やがて電車が動き始めた。 だが、濱本は彼女の姿を見つける事は無かった。


 その日を境に彼女を見かけることは無くなっていた。

 人身事故がきっかけで時間を変えてしまった様だ。

 濱本の恋も終わってしまった。


 そして一年が過ぎ寒い日の朝。

 いつもの様に濱本は会社へ向かうため地下鉄のホームに向かった。


 階段を降りた時3両目のホームに彼女が立っている。

 濱本は心が弾んだ飛び上がるぐらいに嬉しく本当に飛び跳ねていた。

 やっと再会出来たのだ。

 戻って来たのだ濱本は急いで階段を駆け下り彼女の方へと向かった。

 ホームに電車が入ってきた彼女は目の前にいる。

 今日こそは声を掛けようと濱本は彼女に近づいた。

 その瞬間濱本は彼女の体を通り抜けホームに転落をした。

 そして意識は無くなった。



 やがて目を覚ました時、濱本は病院にいた。

 もうろうとしていたが周りは慌しくバタバタとしている。 側には誰かいる気配がする。

 濱本はだんだんと意識がはっきりし始めた。

「えっ!」 思わず声が出た。

 彼女が目の前にいる。

 濱本を見ているそして泣いている。

 


 一年前人身事故に巻き込まれたのは濱本だた。 

 男性に背中を押されホームに転落しそうになった彼女を、濱本がとっさに止めようとしホームへ転落したのだ。

 幸い直前で電車が止まり轢かれることは免れたが、頭を打ち意識が戻らなかったのだ。

手には彼女の文庫本を握りしめていた。

あれは、夢ではなかった。

 その間濱本の意識だけが地下鉄のホームを彷徨っていた。


 彼女もショックを受けこの一年を過ごしていたのだ。

 そして濱本は彼女に初めて声を掛けた。


「初めまして……濱本です!」



 この結末がハッピーエンドとなるかは……誰にも分からない。

               

                 ……end





どうなるやら!

ありがとうございます。

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