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見えている2

見えているの続編です。


 甥っ子の永太が小学校に入学した。


 俺はあれ以来、実家に寄り付かなくなった。

 永太の言動が恐わかっただけでは無く、同時に死んだ人間に会えるのではないかと、思った自分に恐ろしさも感じてしまったからだ!

 まあ、どうせ俺には見えていないのだから期待する方もどうかと思うが。

 だか、あの時「ナ・ガ・ノ・ヒ・ロ・ミ」だと永太に言われた時は本当に背筋がゾッとした!



 永野寛美は、事故死だったと後に聞かされた。

 別れてからは連絡をとってはいなかった、いまとなっては、なぜ連絡をしなかったのかと後悔はしている。

 思うとこころが痛む。

 寛美は何かを俺に伝えたかったのだろうか?

 聞くのはやはり怖い。


 数ヶ月が経って、やっと俺の心が落ち着いたが、やはり寛美の事でのモヤモヤは取れずにいた。

 永太に入学祝いをする口実で、実家に戻りもう一度だけ永太に見てもらおうと思い立った。


 その夕方、俺は車を飛ばした。

 走っている途中、山道に入ると霧が出てきた。

 この時期に珍しいとは思ったが、視界が遮られ走れない程でもなかったのでそのまま進むことにした。実家に着くころには霧も晴れ空となっていた。


「ただいま!」

「おう、久しぶりだなー」

 さっそく、兄貴夫婦が出迎えてくれた。

「まあ、ゆっくりしていけ」

「今日だけ、泊めて貰うよ」

 兄貴夫婦は直ぐに軽トラで農作業に行ってしまった。

 

 玄関を入ると、瑛太がリビングでタブレットを観ている。長女と長男はまだ部活から戻ってないようだ。

「永太、入学おめでとう、はいこれ」

 プレゼントはカタログギフトだ。何を買えばわからず取り敢えず選べるやつにした。

「ありがとう、この中から選んで良いの」

「ああ、気に入ったのがあればゆっくり選びな」

「うん」やはりまだまだ子供だ!

「何みてるの?」「あっ、これ宿題!」

 最近の小学生はタブレットで、宿題をするんだなっとビックリしてしまった。

 

「ああ、おっちんもうおらん」

「えっ?」

 突然、永太が俺の心を読んだ様に言い始めた。

「きえて、しもた!」

「おお、そうか〜そうなんや!」

 俺は少し焦りながら答えたが、内心はガッカリしていた。まさか居なくなるとは思いもしていなかったからだ。

「オッチャン、途中でモヤモヤのところあったろ」永太はおどけた感じでいった。

「ああ、霧が出ていた。車で来る途中!」

「そうかー」

「なんで分かるや、そんなこと?」

「なんでやろ、わかるんよ」

 永太ははにかんで見せた。

「オッチャントイレ、またきて〜」

 永太は漏れそうな顔で股間を両手で押さえいた。

 階段を降り扉を開けると同時に、ズボンを下ろしていた。便器にヒョイと飛び乗り「しめんといてな」と、前と同じである。

「今日はいてへんのか、だれも?」

永太は上を指して、視線は向けずに「いてるよ、わるいやつ」

 俺はそれ以上触れないでおこうと思い、話題を変えた。

「なんで、消えたんや」

「ああ、オッチャンがモヤモヤとおったからや」

「……」意味が分からなかった。

「エイタもようわからんけど」

 永太がトイレの水を流した瞬間、電灯が点滅し始めた。また、例の奴が悪さを始めたようだ。

 永太はズボンを履くとドアを閉め、直ぐにリビングに戻ってソファーに座った。

 何事も無かったようにタブレットを見始め宿題に取り掛かった。

 これ以上は永太にも、寛美の事は分からないのかも知れない。


 それから数日が経った。

 俺は、仕事の多忙から実家の出来事や永野寛美の事も考え無くなっていたが、ある電話で思い出す事となった。


 その電話によって物事が急展開していく!



 




ありがとうございます。

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