キャリーケースの女
人間の行動が不自然に見える時、恐怖を感じる。
本人には確たる目的があるのだろうが……
俺のマンションはベランダから通りが見える。
そこは幹線道路から駅へ向かう通りで、正面が駅、その左に行くと踏み切りがあり駅の反対側の道路に抜けられる。
夜は人通りが極端に少なくなる通りだ。
ある夜中、通りを歩く女の姿が目に止まった。
ダウンジャケットのフードを被っている為、顔はわからないがシルエットから女だとは認識できた。
普段なら気にする事は無いが、キャリーケースを引いていた。
時刻は午後0時を回っている。
もう、電車も終わっている時刻、どこから来たのか? まあ、なんて無いと思い寝る準備をする。
10分後カーテンを閉めようとした時、先程の女が反対側からキャリーケースを引いて戻って来た。
「なんか、重たそうで行動が変!」と思ったが、気にしても仕方が無いとカーテンを閉めて電気を消した。
(眠れない)なぜかキャリーケースが気になる。
電気を点けずにもう一度カーテンを開けてみる。
(さすがに、もう居ないだろう!)
カーテンを閉めようとした時に、またあの女がキャリーケースを引いてくる。
(いやいや、何をしているんだ?)
カーテンの隙間から様子を伺う。電気を消しているので向こうからは見えないとは思うが!
気になって仕方が無い!
(なん往復か、しているのか?)現在0時45分。
あの方向にゴミステーションがある。通りの途中にあるが、ここからは見えない。
まさか、死体でも(?)運んでる!
なん往復もするって……バラバラにして……(いやいや、すぐバレるだろう)
気になる!
タバコを買いに行くフリして……イヤ〜怖いか!
道路に血の跡が付いていたら、ゾッとする。
好奇心に負けた、こちらもダウンを羽織り外に出た。
警戒しながら、ゴミステーションに向かってみる。
(あの女に合わないといいが!)
ゴミステーションには扉があり、管抜きがされている。外してそ〜っと覗いてみる。
明日はゴミの日でない為、ゴミは無かった。
(ふ〜、勘違いか!)
(だったら、何を運んでたんだ?)
ガタン!ガガガガガガーー!
ゴミステーション横の用水路から何かが飛び出した。
(人間の手!)
(ぎゃーぁー!)叫んだーー!
俺はパニックとなり、マンションへと逃げ帰った。
玄関を閉め、布団に飛び込んでそのまま震えていた。そして気がつくと朝になっていた。
あまりの恐怖で気絶してしまっていた。
後日談、近所の人の話では、中年の夫婦が………いや、やっぱりやめておきます。
怖くて俺は直ぐに引越しました。
今でも、キャリーケースがトラウマです。
寒いです〜!
物語もさむいかな(汗)オチがイマイチ?




