Episode.3
キキーッ
「はい、到着。」
「・・・」
「バックハグもおしまい。」
「ちぇ~っ」
「よいしょっと」
「ふう~」
「水希さん」
「ん?」
「さすがに泣かなくなったね。」
「・・・」
「これでもまだ『一応』、
頑張って我慢してんだけど、ね」
にゃ~お
「あ、猫ちゃんだ」
「僕、猫に生まれたかったかも。」
「ん?」
「気ままに過ごせるから?」
「うん、そうだね。」
「あのさ、水希さん。」
「ん?」
「手ぇ繋いでも、いい?」
「…うん、いいよ」
ぎゅっ
「ふふ^^」
「これかぁ。」
「ん?」
「この温もりを
『学校中の男子』が狙ってたんだなぁって。」
「ちょっ 照」
「水希さん、僕んとこに脅迫状来た時、
本気で心配してくれたもんね。」
「そりゃ心配するよぉ!」
「そん時に、
「よっしゃー!勝ったー!ヾ(≧∀≦☆)」
って思った 笑」
「あは 笑」
「女の人って男と全然違うんだね、やっぱり。」
「やわらかい^^」
「なに、『ぷにぷに』って言いたいの?」
「言ってないよ 笑」
「ふふ^^」
「水希さん、フツーにしててもじゅーぶん素敵だから。」
「整形とか…しちゃダメだよ?」
「しないよ!」
「心も素敵でいたいもん!」
「自分で言った 笑」
「あ」
「これでも『一応』ファンクラブもあるんだから!」
「ふふ 笑」
「ふふ 笑」
「あのね、」
「ん?」
「おじさんから連絡があった。」
「…そっか」
「うん。」
「ウチ帰る前に連絡するつもり。」
「今、しちゃってもいいのに」
「今?」
「うん、今」
「水希さんは…平気?」
「うん…
もうへーきだから」
「じゃ、ちょっと電話するね。」
「うん」
「あ、おじさん?孝です。」
「あ、はい。」
「はい。」
「はい。」
「ご無理を言ってすみませんでした。」
「タイミングは完全僕って感じで。」
「あ、はい。」
「ありがとうございます。」
「なにかサインするものとかありますよね?」
「部活終わったらそっち行きますんで。」
「あ、はい。」
「あ、夕飯は母さんが用意してくれてるので。」
「お気遣いありがとうございます。」
「はい。」
「はい。」
「ではまた。」
「はい。」
「ありがとうございます。」
「では、失礼します。」