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第3回「下野紘・巽悠衣子の小説家になろうラジオ」大賞

謎解きはお味噌汁を作る間に ~義母と義娘は対決す~

作者: 黒銘菓

 なろうラジオのラジオ番組で取り上げて頂いたお便りを基に作りました。

 短編のシリーズ(一話完結)なので、他にもシリーズを投稿する予定です。良ければそちらもご覧下さい。


 取り敢えずこれで雨宮一家全員登場完了。

 爺さんに関してはお便りを書いた当初は居ない予定でしたが、続編が出来たら登場します。

「義母さんおはようございます。直ぐ準備しますね。」

 私が5時30分に台所に向かうと、義母はもう食卓に座っていました。

 「あぁ、桜花ちゃん、おはよう。今日のはもしかして…」

 「義母さんの好物、アサリです。」

 悪戯っぽく笑うと、

 「今日は良い日になるね。」

 キラキラした笑顔が応えてくれました。

 朝の支度を始める。

 ご飯やおかずは作って貰っているので、あとは味噌汁だけです。

 『朝ごはんのおかずとご飯は義母が、味噌汁は交替で作る。』

 それがこの家の長年のルールだそうです。

 そしてこの家、我が家には味噌汁以外にもう一つ、ルールがあります。


 「知り合いのお爺様が亡くなられたのですが、子ども三人への遺産が奇妙なのです」


 味噌汁を作りながら義母に気になった事や不思議な事を話すというものだ。


 「奇妙?」

 「はい。『稀少本の書斎がある別邸・土地の権利書・時計のコレクション』これらを一人一つ、譲渡するという遺言だったみたいなんですけど…」

 「詳しく教えておくれ。」

 「稀少本の別邸は世界的に価値ある本が詰まれた建物。マニアが見たら卒倒するそうです。

 土地の権利書は現金化すると数億になる代物。

 時計のコレクションは趣味で集めた腕時計と修理用の部品。これは…有名ブランドの品物が無い事も無いそうですが、前者二つに比べると明らかに見劣りするようです。」

 「露骨過ぎるねぇ……争いを狙ったみたいだ。」

 「()()()()()()()()()

 司書の長男は稀少本、不動産屋の次男は権利書、時計を三男が選んだと。

 三人共争いも迷いも無く選んだんです。」

 首を傾げる義母。

 それを見ながらアサリの出汁に味噌を溶かし始める。

 「……時計の方は、ブランドモノと部品があったらしいね。

 その、部品の方はどんなモノかい?」

 義母の表情が変わった。

 真実に近付いている。

 「相当古いものから新しいものまで、時計を幾つも解体した様な数の部品があったらしいですよ。」

 「三男は、何をしてる人だい?」

 来た!

 「推理小説作家だそうです。」





 「三男に渡した部品。パズルみたいに組み立てたら高価な腕時計が出来たんじゃないかい?」

 「えぇ、その通りです。高価な時計をバラバラにして、部品に隠していたらしいです。

 三男さん曰く『時計とトリック二つ貰えて良かった』と。」

 「ふふ、中々面白いトリックさね。」

 「えぇ、()()()()使()()()()()()()()()()()。」


 雨宮桜花。又の名を吉野礼ニ(レイニ)。職業は、ミステリー作家。


 「意見を頂けます?」

 「勿論さね。」

 『え?これ某有名な小説っぽくない?』と取り上げて頂いた番組のパーソナリティーお二方から指摘がありましたが、弁解をさせて下さい。

 『味噌汁』というワードを頭の中で捏ねていたら『お婆ちゃん』というイメージが浮かび、お婆ちゃんがミス・マープルに繋がり、味噌汁と推理が合体。結果本作に成りました。


 某『EastRiverTOKUYA』さんの『ディナーのあとで』行われる『謎解きは』関係御座いません。

 パクる気は有りませんでした。指摘されてやっとタイトルの類似性に気付きました。

 ただ、かの名作を読んだ事はあったので、もしかしたら無意識の内にそちらに引き摺られた可能性は御座います。もし無意識下で行われていたとしたら、申し訳有りません。

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