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第十三話 出会い

「記憶を、機械に?」


「なんだ知らなかったのか。」


「これから君の記憶の約三分の一、もしかしたら半分くらいをこのGPT-3217xに食わせることになる。」


「それで初めてGPT-xシリーズは起動するんだ。」


「俺はどうなるんですか?」


「今までの恥ずかしい記憶や嫌な記憶まで、AIにに何度も学習されることになる。」


「あと、頭にいくつか電極は刺すけど、そんなに痛くはないと思うよ。」



「記憶を失ったりは?」


「人間の記憶操作なんて方法を知っているならわたしが教えて欲しいもんだね。」


白衣の男は少し笑いながら続ける。


「高度な脳の操作は復元までまだまだ時間がかかるだろうさ。」


「食わせる、というのはAIにデータを学習させるための表現だよ。」


「この技術が生まれた頃、何百年も前から使われている表現さ。」



何百年前のAI。


何百年か前の段階で、後世でもAIと呼びうるものが成立していたとするなら、この世界、かなり技術は進んでいるのだろう。


元の世界だと、AIという言葉が生まれてから100年も経っていなかったんじゃなかったか。



「君の名前は?」


星馬作ホシバツクル


「ツクルか、異世界人かな。 私のことは博士とでも呼ぶがいい。」



博士は俺に目を向けるのをやめ、部屋にある大型機械の操作に戻っていた。


こちらを見ていないが、説明は止まらない。


「最初はツクルの性格と反するように性格設定がなされるはずだけど、気にしないでくれ。」


「君の記憶にAIがケチをつけているわけではなく、そういう初期設定なだけなんだ。」


「最初は認識レベル、言語レベル、それぞれ幼稚園児程度の段階で完成されるはずだから、どこまで意思疎通はかれるかはわかんないけどね。」


「再学習での成長は勝手に行われていくから、仲良くなれるか、どんな風に育つかは、接し方次第かな。」


「説明はこんなところかな。 準備もオーケーだ。他に何か質問は?」


ひと段落ついたのか、こちらに顔を向ける。



「機体を選び直した時のデメリットは?」


「AIの成長がやり直しになるってだけだよ。」


「あとは君にもっかい電極をさすことになるかな。 記憶も取り直しになるから。」




「機体はもう決まっているんだろ?登録しちゃいなよ」


俺は博士の指示にそって行動した。


正直、俺専用ロボが待ち遠しい。


部屋中央の大きな機械に近づくと、腰の高さに操作板が見えた。


パンフレットにあった機体の絵が彫ってあり、それぞれの下に1センチ程度の穴が空いている。


欲しい機体の絵の下の穴に指輪をセットすれば、その機体が手に入るそうだ。



俺は「炊飯器型」の真下の穴に指輪を合わせた。




どこかから、つまらない選択と言われた気がするので言い訳をさせてくれ。


異世界転生とはいえ、ここは全く知らない世界で俺は文字すら読めないんだ。


冷静に考えて、とてもピンチなのである。


確かに、攻撃型や飛行型がどんな機体なのかは気になる。とても気になる。


だが、このピンチ下においては、何を置いても実績・確実性が保証されているのが大事ではないだろうか。


大体、この機体の特徴はカスタマイズ性なのだ。


リリーとは別型に自分のセンスで発展させていくことこそが、オリジナリティであり、粋というものであろう。




誰にするともわからない言い訳を心の中で続けてるうちに手続きが終わったようだ。


操作板の下がカパッと開くと同時に、白い蒸気が勢いよく飛び出す。


湯気の下には黒光りする炊飯器が佇んでいた。



俺専用ロボの爆誕である。

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