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「あははは!凄いやイロアス君!」
――どこかもわからない暗い闇の中で男性とも女性とも、幼いようで老人のような声が響く。
「まさかなぁあのケネオス君に勝っちゃうかぁ。」
――暗闇の中、影が浮き上がる。
「ケネオス君は今はともかく潜在能力はあの世界で上から数えた方が圧倒的に早いのになぁ。」
――影は愉しくて仕方がないという声音で言う。
「…イロアス君。今の君はこの私のジャッジで負けていたはずなんだよ。」
――影は手元に転がるサイコロを見る。その目に写るのは暗闇だけ。
「どうしてだろうなぁ…イロアス君。君の道を壊してから、君には私のサイコロが効きにくくなっているんだ。」
――影の独白は続く。
「あぁ…イロアス君。イロアス君。イロアス君。」
「君はこれから何を見せてくれるんだい?」
――影はサイコロを振るう。
――出目は、6:6。
「ーっ!あっはっはっは!最高じゃないか!」
――影は嗤う。肩を震わせ、腹を抱えて。なお、嗤う。
「イロアス君。君はケネオス君と何をしてくれる?何をする?ねぇねぇねぇ。」
――影は愉しくて仕方がないように嗤う。
「ケネオス君の道も壊したらイロアス君のようになってくれるのかな?あぁ…あぁあぁあぁ!愉しくて仕方がないよ!」
――影は一人、暗闇の中で嗤う。
「さあ、見せておくれ、君たちの生き様を。どちらが勇者になるんだい?どちらが英雄になるんだい?私はいつまでも待っているから。」
――影の声は誰にも届かない。願いは誰にも届かない。




