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第1章
夢を見てた。
いつもは眠り浅いほうだから夢を見ることなんて
そんなに珍しいほうじゃないのに。
1か月くらいずっとおんなじ夢を見てる
夢の始まりこそたまに違うけど
いつもいつもおんなじ夢を見てる。
セピア色の世界。
夢だってわかってても現実なんじゃないかってそんな
感覚に襲われる夢。
今日の夢は
私は悲しそうに先輩は楽しそうに
追いかけっこをしてる夢を見た。
波が打ち寄せる浜辺。
まだ、海の温度は冷たいはずなのに
いろんなことが不思議で脳内の処理速度が追いつかない
次第に私は、夢の中の私と気持ちが混ざって
悲しくて苦しくなっていく。
目の前にいるのにどうして?
手が触れそうになると、消えちゃう…。
もうこんな追いかけっこはやめようよ。
そういって立ち止まって急に泣き出す私
ふと気づくと眩しい光が
セピア色の世界を引き裂いていく
「眩しい…」
ふわふわの毛布を頭からかぶった。