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またキミに逢いたくて
【プロローグ】
きっとキミは俺のこと覚えてなんかいないんだろうけど
でも俺はまたキミに逢いたくてもう1度と願った
でも、たまに思う。
もしこの世に本当に「当たり前」なんかが存在してしまったら
きっとキミの中のぼくの存在も僕の中のキミの存在の価値も
消えてしまうって思うんだ。
【第1章】
たまたま運がよくて
「日向狐夏先輩」
キョトンとしたまだ幼い顔の若いキミが
俺の名前を呼んで
あぁ、俺はキミに出会う運命だったと思った。
探していたキミに逢えたこと
これまでにないくらい神様に感謝したよ
そして…
「夏…」
「芹花」
苦しそうな顔をしてまたキミは
また迎えたあの日、くしゃくしゃに崩れた顔で俺の名前を叫んだ
俺は、キミを傷つけてしまうことくらい気づいてた
でも、キミに何一つ伝えられなかった思いを
伝えなきゃと思ったんだ
未来の俺はいま
過去といまを生きるキミに逢いに行く。
ねぇ、芹花
俺たちがまた逢えたのは「奇跡」なんかじゃなく
神様が決めた「必然的」な出会いだったんだよ