真実の探偵
「先生〜やめましょうよ」
多くの家が密集する道で俺は一人の男と行動を(渋々)共にしていた
「何言ってるんだ小泉君!俺は探偵としてこの事件を解決する義務があるんだぞ!」
「義務って……別に依頼があったわけじゃなくてテレビのニュースを見て勝手に捜査してるだけじゃないですか」
「探偵足るもの依頼じゃなくても事件解決するのは当たり前だろう」
「……前それで怒られたじゃないですか」
「前は前だ、今回こそはこの名探偵が華麗にかっこよく事件解決してみせる!」
「はぁ……」
俺はため息をつきながら先生の後をついていく。
先生と言っても俺とそんなに年齢が変わらない20代前半で、本人がそう呼べと言ってるだけである。ちなみに本名は知らない。
先生は確信があるのか目的地へズンズン進んでいく。
「今朝いきなり出かけると言った時から嫌な感じはしてたんですよ……一体今回は何のニュース見たんですか?」
「ふふふ……聞いて驚くなよ、何と今回は殺人事件だ!」
「はぁ」
「なんだリアクションが薄いな、もっと関心を持たんか」
さっき驚くなよとか言ってたじゃん、と思っているうちに先生は足を止めた。
どうやら目的地についたようだ。
そこは住宅街にある普通の家のようだが先生はニヤニヤしながら家のインターホンを鳴らした。
「見ておけ小泉君、俺の名探偵ぶりをな!」
名探偵って……依頼がないからこうして勝手に捜査してるだけじゃん
「はいはい……」
これはもう止めても無駄だな……。
鍵の開く音と共に女性が出てきた
「……どちら様?」
見知らぬ男2人を見た時に相応しい態度だ。完全に怪しまれてる。
そんなこともお構い無しに先生は女性を指差して叫んだ。
「犯人はあなただ!」
「……は?」
変質者と思われたのか女性は直ぐに扉を閉めた。
「逃げても隠れても無駄だ!この名探偵にかかれば……」
「先生!やめましょう、もう帰りますよ!」
やっぱりまたこれか……
俺は頭を抱えながら先生とその場を離れた。