一章-氷の女王は冷ややかにⅡ
久しぶりです....すんません....
「おーにーいーちゃーんー!!!」
デカい物体が突っ込んでくる。勢いをつけた物体は僕の腹に突っ込む!
か い し ん の い ち げ き !
ぼ く は し ん で し ま っ た . . .
お お 、 し ん で し ま う と は な さ....あ、ふざけてる場合じゃない、コレ。危うくリバースしそうになったぞ...
「おかえりー」
何事もなかったかのように振舞ってやがる。
「おい、てめえ...吐きそうになったぞ...」
口の中が、胃液で気持ち悪いくらい酸っぱい。
「まあまあ、落ち着いてよ!怒るとハゲるよ?」
因みにウチの父親はハゲている。ズルッズルッだ。さらに因むとウチの家系は8割がたハゲるらしい。そんな情報要らなかった...母よ...
文字通りの溜飲は下がったが、怒り的な溜飲は下がらない。ハゲの話はしないって約束したじゃん...。
コイツは、僕の妹。名前は雪月。僕より身長が高くてショートカットで顔が整ってるのでイケメン風という、妹じゃなくて男だったら問答無用でギルティな存在だ。
「なーんか、テンション低くて、殺気だってない?なんか、あったん?」
あー、鋭いなぁ...コイツは。
「女の子に、振られたんだ」
あ、なんか、微妙な顔してる。
「何、変な顔してんだよ」
雪月の頰がカッと赤くなって、まなじりがつり上がる。
「人がどう慰めようか考えてたのに!何だ、その言い草はー!」
ウガー!、と唸りながら雄叫びをあげる。
うるさいなー。手刀を作り、雪月の頭頂部に打撃を与える....!
まあ、つまりチョップです。
「はいはい、ありがと。でもまだ諦めてないから慰めはいらないよ」
あ、また変な顔してる。
「......あほなの?」
「あほとは何だ、あほとは」
「え、振られたんだよね?こっぴどく」
こっぴどくとか言ってないよね?なんで知ってるんだよう...
「まあ、事実だな。ズバッといかれた」
「何で諦めないの?」
何で、って言われても...
「好きだから?としか」
あ、またまた変な顔。今日も表情豊かですね。元気そうでお兄さんは嬉しいです。
「今日は良く変な顔するな」
「............お兄ちゃんは......バーカ!!」
凄いスピードで、自分の部屋に走って帰っていった。
「..........今日は厄日かな」
壁のカレンダーに、目を見やる。
「........大安かよ」
次回からここで色んな属性 (ツンデレとかね)について考察しようと思う。