プロローグ-マイナスの日
初めてです!完結できるよう頑張ります!
「僕と付き合って下さい!お願いします!」
緊張で手汗が滲んだ手で、破れそうな想いと、力を込めて手紙を前に突き出す。
対面に向かうは、冷ややかな顔をした女生徒。
ぬばたまの夜のような黒髪、整った容姿、均整のとれた体型、誰が見ても美人だと称するだろう。
一時の沈黙の後、彼女はその美しい口を開く。
「...今どき手紙なんて古風な人ね。でも、その手紙は結構よ。」
冷たくて、完璧な、拒絶の声がする。でも皮肉なことにそれすらも美しいと、思った。
「あなたの気持ちも、あなたの手紙も、全部全部いらないわ。」
突き出した腕から、力が抜けていくのがわかった。ハッキリとした拒絶はそれだけで僕の心を揺さぶった。
「用はそれだけ?それなら私、もう帰るわね。」
こちらを振り返ることも、一瞥することもせず、優美に、彼女は歩き去っていく。
こうして、僕の初恋は始まったんだ。
そうだ、まだ終わってなんかいない、終わらせない。
一度くらいじゃこの気持ちに終わりを告げられない。何度でも、何度でもだ。
そう、僕の物語はここから始まるんだ。
僕の物語は、マイナスから始める恋の物語。