騎士を目指す君に恋をして
短編です。
幼馴染みとあんなことがあり、不謹慎だけどあれがきったけで青川くん……じゃなかった、楽都くんと恋人同士になってから数週間が経った今日。
恋人である楽都くんが側にいてくれることが嬉しくて、今まで聞けなかったことを聞いてみた。
「ねぇ、いいの? 楽都くんには護衛対象がいるんじゃないの?」
そんな僕の答えに年下とは思えないくらいに、大人っぽく色気のある表情を向けられて胸が高鳴っていれば、心地好い低音な声でこう言ってくれた。
「ん? ああ……、アイツのことね。大丈夫だよ、見た目は凄く可愛らしいけどアイツは強いから、俺は基本一年の護衛対象全員を護衛してるし、立場上念のためにアイツの覆面風紀委員をしてただけだしな。
だから、別に白雪さんの護衛担当の覆面風紀委員になっても問題はないの」
そんな言葉には信頼が込められていて、少しだけいい気分ではなかった。
そんな僕の変化に気づいたのか、頭を撫でられてこう言われる。
「紅葉はね、俺の兄貴のことが好きなんだ。……誰にも秘密だぞ?
てかな、紅葉を襲うだなんて何処の勇者だよ。自慢の男前の顔も、男前だとわからないくらいにボコボコにされるっつーの! だったら最初から白雪さん担当の覆面風紀委員にして欲しかって! 別に俺が護衛しなくても、あの気弱な兄貴がキレて助けるって! あんまり俺の優しい兄貴を怒らせないで欲しいものだよ、まったく」
……紅葉くんが好きって訳ではなく、お兄さんが大好きなんだぁー……とそう思えば単純なことに僕は楽都のその言葉に、再び胸が高まった。
それより、紅葉くんってあの“騎士科の美少女”だよね……。あの、高嶺の花って言われてる……。
楽都くんって凄いなぁ。もう見た目とか関係ないよね、中身が格好良いから。それなのに強いとかもう、僕何も求めないよ。でも、楽都くんって凄くモテそうだよね、優しいし……。
「あのさ、そんなにとろけたような目で見つめられた困るんだけど……」
そんな言葉に僕は頬が熱くなるのを感じて、話を反らすためにこう言った。
「楽都くんのお兄さんって誰なの?」
あからさまに話を反らしたことをわかっていながらも、話を合わせてくれる楽都くんは優しい。
「ああ、兄貴? 俺の兄貴はー……」
と、そう言って何を思ったか、僕の耳元に口を寄せてきてくすぐったくなるような甘い声で、誰が楽都くんのお兄さんなのか耳打ちをして教えてくれた。
「えぇ!?」
……凄く意外な人だった。
三組目は楽都のお兄さんが主人公です。




