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黎明の魔導姫  作者:
冒険の始まり
4/6

3、初めての痛み

カイルに連れられて、エリシアは村に入った。

雪国の中にある小さな集落。

人々は笑い、子どもたちは駆け回っている。


その光景を見ながら、エリシアは静かに言った。

「、、、みんな、どうしてそんなに笑っていられるの?」

カイルはきょとんとしてから、笑った。

「笑う理由?楽しいからやろ!!」

「楽しい、、、?」

彼女はその言葉を繰り返した。

胸の奥に、何か温かいものが小さく灯る。

けれど、それがなんの感情なのかは、まだわからない。


その夜、村が悲鳴に包まれた。


遠くの森から黒い影が現れたのだ。

巨大な狼のような魔獣。

牙を向き、雪を踏みしめて村へと迫ってくる。


「エリシア、下がってろ!」

カイルは剣を抜き前に立った。

彼の顔には恐怖がなく、ただ人を守る意志があった。


エリシアの手が震えた。

胸の奥に”焦り”のようなものが込み上げる。

目の前の少年が傷つくかもしれないーーそう思った瞬間、彼女の右手の紋章が光を放った。


「、、、、、、やめて」


小さな声が、空気を震わせた。

次の瞬間、氷の柱が地面から立ち上がり、魔獣を包み込む。

轟音とともに凍りつく世界。

風が止まり、時間が静まり返った。


カイルが振り返る。

「すっげえ、、、、これ、君が?」

エリシアは震える手を見つめていた。

「どうして、、、、こんなに、、、苦しいの?」


初めて感じた”痛み”。

それは恐怖でも悲しみでもなく、

ーーー”誰かを守りたい”という心の痛みだった。


雪が静かに舞う。

カイルは彼女の肩を軽く叩いて笑った。

「おかしいな、今のすごく強かったのに、、、泣きそうな顔をしている。」

「、、、泣きそう?わたしが?」

「うん。でもそれでいいんだよ。」


その言葉に、彼女の中で何かがゆっくりと溶けていった。

氷のように固まっていた”心”が初めて動き出す。

こんにちは、雛です。

冒険で初めてのトラブルでした。

次も楽しみにしていてください。

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