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2、陽の剣士
雪に覆われた屋敷を抜け、エリシアは初めて”外”の世界に出た。
風が冷たく頬を打つ。
痛みを感じるーーけれど、その痛みの意味がまだわからない。
道の先に、小さな村が見えた。
屋台の賑わい、笑い声、焼き立てのパンの香り。
エリシアは立ち止まり、静かにその光景を見つめた。
胸の奥が少し、ざわついた。
「おーい! そこのきれいな人!」
突然陽のような声が響いた。
振り向くと、茶色の髪をした少年が立っていた。
県を背負い、泥だらけの服。
それでも笑顔は眩しいほど明るい。
「ここらへんじゃ見ない顔だね。旅人?」
エリシアは少し考えてから、無表情のまま応えた。
「、、、、たぶん、そう。」
「たぶん?」
少年は目を丸くし、次の瞬間に笑った。
「へえ、面白い人だな! 俺はカイル。冒険者の卵さ!」
手を差し出されても、エリシアは握り返さなかった。
けれどーー何故か、その笑顔が頭から離れなかった。
それが、”心が動いた”最初の瞬間だった。
こんにちは、雛です。
楽しんでもらえたなら嬉しいです。
次もお楽しみに!




