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エピローグ

「おーい! いい加減離れてくんない?」

「あ~、もう熱いし、待ちくたびれたんだけど」

 聞き覚えのある声に混じって、これまた聞き覚えのある笑い声も重なって聞こえてきた。

「何だ、もう来たの? 先に食べに行っててよかったのに」

 ハンウが不満そうに文句を言っている。

 だけど、腕は背中に回されたままだし。


「ちょっ、離して」

 焦って、両手をハンウの胸において突っぱねる。

「えーっ、やっと会えたのに。スファンたちはすぐにお付き合いしてたからいいけど。俺はずっと知らないし、何ヶ月も放置されたんだから」

 放置って。

 笑いそうになったが、胸に置いた手に力をこめる。


 いつのまにか展覧会会場に入ってきていたスファンやジョンハ、ミキに優花の視線が気になって仕方ないし。ミキや優花は仕事や学校があるとか言ってたはずなのに。

「お願い、離してって、もう」

「はいはい」

 腕の力を弱めてくれて、何とか脱出した秋奈はにやにやしているミキと優花をにらみつけた。


「知ってたんでしょ」

 ミキがくすくす笑ったまま「まあね」とウインクしてくる。優花も口角が上がったまま「ごめんね、秋奈」と言うばかり。

「まあまあ、これで2人ともうまくいったんだし、よかったじゃない」

 スファンがにこにこしたまま、ジョンハは口を尖らせる。

「そーだよー。ハンウが三毛さん、あ、違った。秋奈ちゃんに会えるように一生懸命かくかくしたんだから」

「画策よ」

 優花がすかさず訂正している。


 つまり、全員で、これを考え計画を立てたってこと?

 ハンウに振り返ると、

「そういうこと」

 とにこりとした。

 ああ、つまり、私だけ知らされてなかったってことね。


「だってね、ハンウが秋奈に会いたい会いたいってうるさいから何とかしてってスファンから連絡が来たのよ」

「だけど、お互い忙しいし、秋奈もいつもの仕事と同時にあの絵を描いてて徹夜してたみたいだし」

 ミキに優花が続ける。スファンやジョンハはうんうんとうなづいているが、ハンウは説明に八の字眉だ。


「ハンウも忙しいし。スファンとジョンハは事の成り行きを見守りたいって言うし、それなら私たちも見たい、あっ、いや、見守りたい? じゃないねえ」

 見たい、って。

「全員の時間が合うのを探してて」

 さらに続けたミキに秋奈はわざとらしく目を細めた。


「もうっ、見たいって何? あっ、もしかしてここの鍵」

「あれ? わかった?」

「ごめんね、秋奈。秋奈の先輩に借りてきたの」

 舌を出すミキに、優花も苦笑顔を浮かべている。

 鍵をかけわすれたのかと思ったけど、ちゃんとかけてたんだ。それをミキたちが先輩から鍵を借りてて開けていた。


 ってことはつまり、先輩はある程度、何があるか聞いてるってことなんじゃ……。

 明日、思いっきり説明をしなさいって突っ込まれるんじゃないの?? しかもにやにやしながら。

「ああ」

 思わず、壁に手をついてしまう。

「大丈夫? ごめんねえ」

 ごめんって思ってないでしょ。ミキも優花も顔はにやつきっぱなしなんだけど。


「夕飯食べにいくのよね?」

「え? もちろん、全員で行くよ。ねえ」

 ミキがスファンたちに振り返る。

「じゃあ、行こうか」

「個室取ってあるから、行こう行こう」

 うなづくスファンにジョンハがうきうきと先頭を切る。


「ミキ、優花」

 スファンたちについていこうとする2人に声をかけた。

「何?」

「ありがとう」

「えー、いいのよー、そんな、ねえ」

「そうそう」

 ミキも優花もぶんぶんと手を振った。


「だけど、私、全然聞いてないのよね」

 秋奈にきょとん顔を向けてきた2人に、ぐいっと顔をちかづけた。

「今日は聞きますからね。自分たちのデートの話。帰国してからもまったくしてくれてないでしょ」

「え?」

「デートって、まさか最初の?」

 目を白黒させたミキや優花。


「おーい、早く行くよ」

 ジョンハの声が響く。もう入り口あたりで待っているようだ。

「は、はい」

 あわてた優花は小走りに逃げ、ミキも「話は今度にして」とあせった様子で走っていった。


「どうするの? 問い詰めるの?」

 私たちの様子を眺めていたらしいハンウが面白そうに聞いてくる。

「どうしようかなあ」

「スファン、酔わせたら話すかもよ」

 ハンウも聞いてないのか、悪そうな顔だ。


 2人で、少しだけ吹き出すと、どちらからともなく「行こうか」とそっと手をつないだ。

「ちょっと待って、電気」

 と、秋奈は間接照明のスイッチを切った。

 瞬間、抱き寄せられ、頬にキスされた。

 電気が消える瞬間、壁にかかった小さな絵の中、離れて立っていた男性と小さな猫が幸せそうに近づき寄り添うように見えた。



お疲れさまでした。

「月明かりに照らされて」これで終了となります。

この作品はかなり前に書いていたものを修正してあげましたが、完全自己満世界でしたね(;^_^A

一応現代恋愛もの(といってもファンタジー色多めですが)でしたが、次回は転生ものをあげていきたいなあ、と思っています。

またよかったら、寄っていってください^^

お付き合いありがとうございました。

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