第49話 転移人
ーGOTO 13 異世界に召喚された男 完結となりますー
ゴトーとシーナは、スキル「聴覚」で、
後ろの冒険者、少年1人、少女2人の会話を聴いている。
◦―――
『許せない!幼い子が奴隷なんて!』
『待て待て、慌てるな』
『じゃあ私がやるわ。訳の分からない魔法で』
『逆かもしれない』
『逆?』
『あの幼女の奴隷だったら?』
『……?』
『異世界物にはよくあるパターンだ。
奴隷として幼女の方が男を従わせているんだ。元罪人とか、借金奴隷とか』
『首輪とか付けて、隷属として服従してるのかも』
『首輪なんてないじゃない』
『身に着けている物とは限らない。呪いとか魔法とか魔道具とか。それで従わせるんだ』
『言ってることがイミフなんですけど』
『ここはもうファンタジー世界なんだ。アヤカは魔法を使えるし、ノゾミは傷を癒せる。
もしかしたらあの天狗の面が隷属としての役割を果たすとか、幼女にマインドコントロールとかそんな能力があるのかもしれない。
それとオレの勘だが、あの子は何十歳何百歳も歳上の可能性がある』
『見かけの年齢と精神年齢が違う。異世界あるあるだね』
『いや、意味分んないって』
『長命種のエルフとか亜人さんだったらすごいねー』
『アンタまで…』
『タケ兄のラノベ読破してるからね』
『通称ロリババア。歳をとっても成長が遅いとか、止まったままとか、見た目若いままなんだ』
『キモイんですけど』
『キモくない。金髪幼女は尊いだろう!』
『キモいのは力説するアンタの頭よ!』
―――◦
「のう、ゴトーよ」
「何だ」
「ロリババアとは、初めて聞く語源なのじゃ」
「そうか」
「これは察するに、ロリと年齢が上のババアを掛け合わせた名称なんかいのう?」
「ロリババアは地球では鉄板用語だ」
「納得いかん言葉なんじゃが。ゴトーもそんな感じでワッチを見てるんか?」
「ああ。心の中ではな」
「物すごく不愉快なんじゃが」
「日本では「ロリババア」という言葉は最大限の褒め言葉だ」
「は?」
「あの男の言う通り、精神年齢の高い金髪ロリババアは地球では尊く、人気上位キャラに位置する。代表的なのは、○野忍。○リーレンだ」
「なんと! ワッチが尊いじゃと? チキュウでもモッテモテになるんか?」
「覇権を獲れるだろう。
その幼い容姿、コスプレ姿を披露ならSNS、ショートでバズり、
○ouTuberでデビューするなら1か月で相当数の登録者を獲得するだろう。
上位人気○ouTuberとコラボ、企画次第では数百万の登録者数も夢ではない。
その愛らしい幼女キャラから対象年齢が若い層、別の意味での中年まで幅広い支持層を獲得。
チャンネルは莫大な広告収益を稼ぎ、スパチャ、メンバーシップで荒稼ぎ。
話題性から芸能界デビュー、トーク番組、CM出演。
年収は最低でも、推定大金貨50枚 (5千万円)は見込まれることになるだろう」
「……いつものごとく何を言っとるのか、何ひとつ理解が及ばんのだが」
「もし地球に来れたなら、俺がプロデュースしよう」
――
(ピコーン!)
シーナさんの地球でのフラグ発令!
「シーナ 地球でインフルエンサーになる」の巻き
――
「いや、そんな話よりアヤツら異世界言うとたったぞい!転移人じゃろ!
アヤツらはゴトーの仲間で「勇者」と「賢者」と「聖者」じゃないんか?」
「ああ、そのことだが・・・まあいい、とりあえず今は話を聴くことに集中しよう」
◦―――
『従者という可能性もある。見た感じ2人は普通に話しているだろう? 脅かされてる雰囲気はなさそうだし、幼女は龍を抱いて普通だし、護衛とか家来という線もある』
『おー。タケ兄、説あるコアだよ』
『従者が何で天狗の面なの?どうみても変質者じゃない』
『もしかしたら、ああいう文化や風習かもしれない』
『それはイヤな文化だー』
『それとかあの男の趣味とか?』
『倒錯しすぎでしょ!変態の快楽殺人者だったらどうするの?それで小児性愛好者なら秒で攻撃するわよ!』
―――◦
「…ゴトーよ」
「今は何も言うな・・・」
「お、おう…」
◦―――
『あのゾウさんで子供を誘ってるんでしょ!』
『うわー、言っちゃった。そこはあえてモブさんの尊厳のために触れなかったのに』
―――◦
ゴトーは後ろの象さんの刺繍を確認。 ⊂^ し^⊃
シーナもチラッと見て、申し訳なさそうにする。
「シーナ・・・」
「お、おぅ…」
「尻に突き刺す痛い視線は、そういうことだったのか?」
「す、すまん!なんか言い出せんくなってしまってのう。今からネコちゃんパンツ履くか?」
「ここで幼パンチェンジしても、さらに俺の人間性は疑われることになるだろう」
「悪かったわ…」
◦―――
『初めに襲われた盗賊がいただろう。身ぐるみ剝されたとかあるのかもしれない』
『せめて腰蓑とかでしょう? 人道的にも道徳的にも子供の前ではゾウや天狗はダメでしょう』
『アヤ姉、とりあえず落ち着こう。いきなりの攻撃はないと思うよー』
『ワタシだって別に好き好んで攻撃しようなんて思わないわよ!
もうイヤ!やっぱり帰りたい!少しでもその気になった自分が許せない!』
『夢の褒美のDカップ待ってるよー』
『そんなのもういらないわよ!!』
『落ち着け、アヤカ』
『盗賊に襲われ変な動物やキノコ。
ワタシが賢者ってなによ!
魔王討伐って訳分んない。もう家に帰りたい!』
―――◦
「やはりそういうことじゃったの。魔王討伐。これはもう決まりじゃな」
「・・・・・」
3人は立ち止まって号泣している少女を慰めている。
ゴトーは、「鑑定」を発動。
――[鑑定]
――――――――――――――――――――
◇
【【ステータス・ボード】】
【名前】 一条 武瑠
【性別】 男
【年齢】 18
【種族】 人族(地球出身)
【ジョブ】 勇者
【LV】86
【HP】788/788
【MP】186/186
【攻撃力】789
【防御力】725
【魔力】208
【魔法属性】
『火』『風』『無』属性 LV6
『聖』属性 LV1
【スキル】369
「望遠 スキル LV2」
「身体強化 スキル LV6」
「マッピング スキル LV3」
<next page>
【ギフト】24
「無限収納」
<next page>
【履歴】
高校生 → テラウスの冒険者
【称号】
救世主
【状態】
正常
――――――――――――――――――――
◇
【【ステータス・ボード】】
【名前】一条 彩佳
【性別】女
【年齢】17
【種族】人族(地球出身)
【ジョブ】賢者
【LV】82
【HP】740/740
【MP】872/872
【攻撃力】491
【防御力】557
【魔力】711
【魔法属性】
『火』『水』『土』『風』『雷』『無』 属性 LV4
『聖』 LV2
【スキル】888
「望遠 スキル LV2」
「ウォーター スキル LV6」
「ファイヤー スキル LV6」
<next page>
【ギフト】30
「無限収納」
<next page>
【履歴】
高校生 → テラウスの冒険者
【称号】
オールラウンダー
【状態】
正常
――――――――――――――――――――
◇
【【ステータス・ボード】】
【名前】一条 希美
【性別】女
【年齢】17
【種族】人族(地球出身)
【ジョブ】聖者
【LV】94
【HP】713/713
【MP】978/978
【攻撃力】198
【防御力】757
【魔力】970
【魔法属性】
『聖』『無』属性 LV8
『闇』属性LV1
【スキル】221
「望遠 スキル LV2」
「解析 スキル LV5」
<next page>
【ギフト】 57
「鑑定」
「マップ ギフト LV4」
「無限収納」
<next page>
【履歴】
実業家 → テラウスの冒険者
【称号】
聖女
闇の聖女(New)
【状態】
正常
◇
――――――――――――――――――――
ステータスを鑑定。考察するゴトー。
「やはり、か・・・」
「鑑定したんか?」
「地球からの転移人。「勇者」「賢者」「聖者」で間違いない。3人兄妹、姉妹は双子だ」
「若い奴じゃが、ゴトーの仲間が来たんじゃな」
「・・・俺に仲間は必要ない」
「同じチキュウ人じゃろ」
「俺のジョブは「暗殺者」だ」
「…そう言うとったな」
「真の勇者が召喚され現れたのなら、魔王討伐はあの3人の仕事だ」
「……は?」
「それが道理というもの」
「いやいやいや、じゃあゴトーはどうするんじゃ?」
「俺は俺で自由に行動させてもらう」
「いや、自由って…」
「俺が行動するのは何ら今までと変わらない。
このまま引き続きシーナの子供らの件。ルーちゃん家でのお泊り会。
シーナ、トラキチ、ケルロー、スイスイ、リュウノスケと旅を続けることだ」
「しかし、アヤツら一応、同郷じゃろ」
「声を掛ける掛けないは俺の自由だ。
あの3人は勇者パーティ、魔王討伐の任を果たすだけ」
「ええんかそれで? メッチャ困っとるぞい」
「俺同様、ゴンダラフからのレクチャーも受けている。あのLVならゴブリン・エンペラーと対峙しても問題はない」
「転移人いうても来たばかりで経験が足らんじゃろ。ゴトー程うまくやれんと思うぞ」
「何事にも人生経験だ。
「かわいい子には旅をさせろ」。
「獅子は我が子を千尋の谷に落とす」とも言う」
「いや、ゴトーの子じゃなかろうが。
まあ、かまわんなら、ワッチは別にそれでもええんじゃが」
「こちらはこちらで冒険だ。
心配しなくていい。様々なフラグの回収は必ずする。とくに地球編は絶対にな」
「???」
後ろから悲鳴が上がる。
「キャアアアアアアア!」
3人の後方から、二足歩行する醜悪面の6体の豚が迫ってくる。
「ピックマンが来よったぞ」
「あの程度の小物なら問題はない。この隙に離れよう」
「え? お、おう…」
ゴトーとシーナはその場から離れる。
シーナが先頭で先を進み、ゴトーは歩みを止め、後ろを振り向く。
パニックになっている少年と少女2人を眺め、
――ジョブの推測通り、俺の「異世界召喚」が誤りということ。
真の召喚者、転移人はさすがに想定外だったが、
マリアとの子供。俺の「息子」「娘」たちということか・・・。
息子は襲い掛かる先頭のピックマンを刀で袈裟斬りで切り込む。
――さすが俺の遺伝子を継ぐもの。これなら問題はないな。
――親子での対面は吝かではないが、
さすがにこのゾウパン天狗を晒した後では、体裁が悪すぎるだろう・・・。
父親としての威厳、ここで醜態を晒すくらいなら(もう晒しているが)、一旦、別れた方がお互いの精神的ダメージを最小限に留められるはず。
親子での共闘という未来もあるかもしれないが、
今は最優先事項での「モフモフ生活」「グルメ無双」「獣人孤児院(予定)」に全力を尽くすとしよう。
魔王討伐は任せたぞ。タケル、アヤカ、ノゾミよ。
ゴトーはその場を去る。
――
49 転移人 終わり
――
テラウスの大空に、後藤十三のアップの顔。
それを見上げるシーナ、トラッキー、ケルロー、リュウノスケ、スイスイ。
「GOTO 13 異世界に召喚された男」 完
――
ここまでこの作品を読んでくれて感謝です。有難うございます。
これにて、テラウス星の物語の「プロローグ編」は終了いたします。
・・・さすがに、プロローグは言い過ぎました。
ここまでのお話は、派生やスピンオフ、前日譚と捉えてください。
ここまで読み進め、つまらなかったという方は、
打ち切り最終回ENDということで、
大空にゴトーさんの顔、で許してください。
これから本当に描きたかった主体となる本編がスタートします。
次作は、
『「イセショー」投稿サイト掲載経験者による、異世界召喚に巻き込まれたお話。』
という題名です。
メインはゴトーさんの息子と娘の3人。
ゴトーさんは、主役の座から降りますが、
物語はこの3人と、ゴトーさんとクロスしていきます。
読後、少しでも気になると思ったなら、継続をよろしくお願いいたします。
「イセショー」投稿サイト掲載経験者による、異世界召喚に巻き込まれたお話。
第0話「イセショー」 お試し版 ご覧ください
――
↓
(キャッチコピー 紹介文)
投稿サイト掲載経験者による、異世界召喚に巻き込まれたお話。
アタシの名前は「一条 希美」 17歳。 この物語の執筆者であり、自称主人公。 これはリアルに発生した異世界召喚のお話で、 冒険中に書き下ろしているものです。 ジャンルは異世界ファンタジーに属します。 閲覧、よろしくお願いいたします。
――
プロローグ
――――――――――――
この作品は、投稿サイトでは無数に存在する「異世界召喚」物で、
召喚の過程が事故死、過労死、クラスごと転移ではなく、
突然、前触れなく宇宙を統べる「神の白い部屋」←(笑)という、
強制的に転移、召喚されるところから物語が始まる。
見渡す限り白色の空間(部屋)に、
古代ローマの白い衣装、頭には龍の冠。←(コスプレ? 冠てw)
神と称す男は「召喚」「魔王の存在」「異世界(テラウス星)」での現状を語る。
召喚の概要を述べると、
1『危機』
魔王復活により「テラウス」星、存続の危機。
2『力不足』
大陸各国の「精鋭者」たちは、LV低迷により魔族、魔王に対して対抗できるほどの威力も抗う力量もない。
(「精鋭者」とは、地球での認識としては「勇者パーティ」と同義)
3『選定』
そのため、他星からより強者の人材を選定。
地球人は潜在能力、期待値、能力値が極めて格上であり、
異世界(テラウス星)では適性が特出。身体能力、魔術の底上に適している。
4『召喚』
魔王が復活、再起する度に神が選定した地球人を召喚。テラウスを救う「転移人」の「勇者」として配下の魔物、魔王討伐の神託(要請)を授ける。
その内容は虚構の世界、非現実的な事象。
個人の意志や選択に関係なく、有無を言わせず召喚という名の強制連行。
この強要行為に全く無力なアタシたちに抗う術はなし、不本意ながらその流れに身を委ねるしかなかった。
(要約すると、え?マジな異世界なの? 理不尽な異世界特有の「お約束」に巻き込まれた? ということ)
現実的には有りえない、イセファン(異世界ファンタジーの略)展開突入である。
ここからは投稿サイト常連のアタシの私見、分析になるが、(上から目線)
書き手の見地からして、この物語の設定は月並、陳腐で捻りがない。
『異世界召喚』
この初手は基準であり、カテゴリー内なので問題はない。
『異世界など絵空事、妄想乙』
ここを読んでいる読者にそれを問い、疑問視する野暮な人はいない。(確信)
アタシが問題視するのは、冒険を繰り広げる過程である。
この平凡な流れでは、魔王討伐まで一本道のRPGになるということだ。
上記の概要から、
これでは数多ある既存のお話と、代わり映えはしないのではないか?
それどころか読者をグッと引き付ける工夫もなければ、目新しさも見当たらない。
もうひと手間、ふた手間も奇抜で新鮮味のあるトッピングが欲しい。
異世界物などデコレーションしてなんぼである。
このような古くさい話では、出版社の編集者ならボツを宣告し、個人で投稿する者もほぼいないと断言する。
ウェブコンテンツを厳選する読み手も目が肥えている。
乱立する異世界物。
あらすじを読んだ時点で「あーはいはい、いつものやつね」「飽きた」、
と食指は動かず、第1話の左クリックさえしてくれない。
そこから、別作品の新規、魅力的な連載投稿へと移行するのは明らかである。
仮にだが、アタシがこのような希薄な原作を元に創作、投稿したとしよう。
ありきたりな物語に、ブックマークは一桁台。
アクセス解析、PVも伸びず、コメントも応援マークも皆無。
目を通されたとしても徐々に数字は下降、最新話など0に等しい状態。
投稿する度にテンションはダダ下がり…
それにより筆は進まず未完のまま放置……
そしてネットの地中深く埋もれていく………。
散々たる結果が待ち受けるのは自明の理。(経験済み)
この身に降りかかった創作物ではない、現実世界での異世界召喚。
異世界ノンフィクション。(略してイセノン)
これは投稿サイト、カースト最下層のアタシに対しての挑戦なのかと?
冒険劇を展開し、執筆し、今までにない突飛で斬新なドラマ、
奇をてらい攻めた物語を進行させよとの神の導きなのか? 神だけに。
筆者視点の自虐ネタで話が逸れてしまったが、話を本筋に戻そう。
「勇者(兄)」「賢者(姉)」「聖者」という立ち位置のアタシたちは、具現化した異世界(正確にはテラウス星)へ旅立つか? という岐路に立たされる。
魔物が徘徊、種族が混在し、時代背景はお決まりの中世ヨーロッパ時代。
魔王討伐という大役。
日常の平穏な暮らしから一転、非現実的、非日常的な世界への出立。
ここで、正直な胸中を語らせてもらうと、
この展開に密かにほくそ笑み、心躍っている自分がいる。
いままで数多の映画、アニメ、書籍、コミカ、投稿サイト、数百のこの手の作品に目を通してきた。少なからず創作活動も行ってきた。
イセショー(異世界召喚の略)好きなら夢見る超展開物語である。
↑
(新しい造語を作りました)キリッ (イセファン、イセノンもね)
↑
(これはあれだ。一晩立って読み直したら赤面するやつだ)
たとえ流行遅れの平凡なストーリーとしても、目の前に願望(夢)が転がり込んできたのである。
この本流に乗らないという選択肢はない。
日常を逸脱した異世界冒険に、懸念や不安はないのか?
もちろん不安はある。危機感も恐も人並みにある。
だがそこは、数々の名作を読み漁り、剣と魔法の幻想世界での免疫力、耐性は、精神的にではあるが万全だ。
一緒に召喚された兄と姉は平凡でそこまで傑出したキャラクターではないが、兄に限るなら異世界物を拗らせているので問題はない。
拒否反応を示すであろう現実主義者の姉だが、常識人のツッコミ要員は冒険の旅には必要不可欠の存在だ。
(すまぬ、姉よ…)
全容を把握し、異世界への受け入れ態勢は十全である。
「乗るしかない、このビッグウェーブに!」
しかし、異世界(テラウスの地)が荒波なら?
過酷な道中、劣悪で不衛生な環境だったなら?
異文化による常識の違い、苦労するのは火を見るより明らかだ。
ましてのほほんと暮らしてきた現代社会の日本人。苦行など受容できるはずもない。
コメディ寄りの「ほのぼのスローライフ」系の路線なら、ギリギリ許容範囲だ。
地球上での知識で、生活を向上、商会を興して富を得る。
領民、領主、王族にマウントを取りながら、
モフモフ獣、ケモ耳獣人幼女とキャッキャウフフと楽しく愉快に生活を送ればいい。
だが「世紀末救世主伝説」系のようなリアルなら目も当てられない。
いくら転移人が、神の恩威からの数々のスキル、ギフト(チート)を授かり、超越した身体と確約されていても、この身一つで異世界に放り込まれるのは心許無い。危惧しかない。
神は「崇高な使命」「選ばれし者」「導かれし者」と転移人であるアタシたちを称賛し煽てるが、厳たる現実世界が待っているのは明白。
過酷でシビアな世界観と神も断言している。
そこでいかに異世界を快適に過ごせるか。
イージーモードで行動、活動を推し進めていくことができるか。
充足できる待遇を神に提示、要求を試みる。
交渉(脅迫)の末、これ以上のない有利な条件(物品)等を完備することに成功。
(神(神龍)との詳しい経緯は「第6話」からの予定)
神託を受け決定事項となった異世界行き。
異世界無双。グルメ無双。孤児院経営。近代化を目指すのなら地球の文物を広め、文明開化も視野に入れてもいい。
魔王討伐?
そんなのもうオマケでしょ。
テンションは爆上げ、期待、高揚、胸躍る。
しかし、生活向上の改善は保障されたが、もうひとつの厄介事が控えている。
神からの要注意事項として2つ。
1 大陸の王国、帝国は地球からの転移人に対して良い印象を抱いていないということ。
悪政で自国ファースト。国の威信、尊厳のため、魔王打倒は自国が選定した精鋭者でなくては民衆に威光、権威が保てないらしい。
2 「真龍神教教団」という教団の存在。
悪徳貴族と結託し権力を笠に平民、亜人、獣人たち社会的弱者への虐遇。
先代転移人の勇者たちにも差別、冷遇、迫害を行ってきたという。
「人間」という欲深い生き物、我利我利亡者の存在。
権力者は民衆に服従を強要し、憑りつかれたように自尊心を優先する。
金銭欲、色欲、権威と、果てしなくそれらを求める自己顕示欲の塊だ。
時代を問わず、世界が変わろうが、これは不変だろう。
正当な手段なら問題はないが、この手の界隈、輩は違う。
いくら排除しようが雨後の筍のように、刈っても刈っても生えてくる雑草だ。
害悪以外の何者でもない。
まあ、アタシにとってこのような低俗で、知性の欠片もない欲深い人間の行動原理など、そこまで恐れるに値しない。羽虫のごとくだ。
正直、人知が及ばない天災、自然災害の方がよほど恐い。
どれだけ巨大な国、組織力が相手でも、策すれば逆行など退ける自信も自負もある。
それに、異世界不遇は欠かせない要素。
それによりザマア系が捗るし、エピソードも増える。物語の起伏として筆も進むというもの。
圧政で民衆を苛めているのなら、適当な領主を籠絡、傀儡にしてクーデター(内乱)を画策してもいい。
新たな独立国を設立し、次々と領土を侵略するという戦略シミュレーションを目指すのも有りだ。
過激な発言をしているが、潰す創るは状況次第。あくまでこれは対敵と見做した場合のみだ。
元来アタシは攻撃的なタイプではなく、保守的で、事なかれ主義の人間だ。
物事は穏便に済ませ、波風立つ状況は避け、衝突などできるだけ回避し続けてきた。
しかし、アタシやアタシの大切な人たちに害意を企てる者、殺意を向けてくるのなら、その限りではない。
降りかかる火の粉は払う。命を掛けてでも必ず報復を敢行する。
国だろうが貴族だろうが教団だろうが組織だろうが個人だろうが、一切妥協も容赦もせず破滅の道を辿ってもらう。
「目には目を」
「撃っていいのは撃たれる覚悟のある奴だけだ」の精神だ。
↑
(この決め台詞、絶対に言うぞ!)
死に値する行為なら、存分に苦痛を与え処刑も辞さないつもりだ。
「希美おねえちゃーん、だいすきニャ~ン」と好意を抱いてくるケモ耳獣人少女が居たと仮定しよう。
ケモ耳ちゃんに対して指1本、髪の毛1本でさえ傷つける者が現れるのなら全力で阻止、コチラから問答無用に攻撃を仕掛ける。
邪な考えを持つ者には去勢。
一線を越えた者にはあらん限りの苦痛を与え、
100万回謝罪させ、精神が崩壊するまで、、、
ちょっと過激になり過ぎた…。
海外にいくつか会社を所持しているが、事業が発展すればするほど障害や敵が増えていくんだよね。理屈や節理など通用しない悪徒どもだ。
誤解しないでほしい。
現実に実力行使など物理的報復などの経験はない。
さすがに理性はあるし自重もする。アタシまだ未成年だし。
側近、腹心がコチラの意を汲みいろいろと、、、この話はやめようか。
過激な発言の数々は、異世界モードに突入するという不退転の決意。
不条理で理不尽な目に遭うくらいならとの意気込み、気概ということだ。
最後に。
転移人として冒険するにあたっての重大イベント。
それは神のミスで数日前にアタシたちの父親を誤召喚してしまい、
勇者と早計してテラウスの地へと、誤って送り出したという事。
(父親のジョブは「勇者」ではなく「暗殺者」)
アタシたち兄妹は実の父親とは会ったことはない。
物心つく前に姿を消し、それ以降行方不明と聞かされている。
しかしけっこうな額の養育費は毎年届くという訳有り、まったくの謎の男だ。
生きていればいずれ出会えるのではと密かに思っていたが、相まみえるのが異世界とは衝撃の展開だ。
神はこの地で親子の感動の対面、そして父子で協力して魔王討伐への共闘を望んでいる。
微妙な関係、距離感だが、共闘するしないは別として父親と会えるのなら会ってみたい。
ジョブが暗殺者という事で、
物語の展開的には、最初は敵として対峙することになるのでは?
徐々にイベントを熟しつつ最終的には和解、感動のエンディングと幕が閉じる。
「希美、立派に育ったな」
「本当に、お父さんなの…?」
「そうだ」
「お父さん、どうしていままで会いに来てくれなかったの?」
「すまなかった・・・」
「いいの、アタシお父さんに会うのが夢だった、会いたかった!」
父親の胸に飛び込む。
いやー期待を込めての妄想が捗りますなー。
さすがにこの子芝居はジョークだが、間違いなくこの物語の核、謎の男枠として最重要イベントとなることだろう。神もなかなか粋なミスをしてくれたものだ。
――
※緊急追記
まさか父親との初見がアレとは。(愕然)
(第2話目で目撃。3話目で察する。接触はまだ)
アレはさすがにない、幻滅だわ。
アタシもいろいろな変人を見てきたが、
ベスト1に昇格せざる得ないほどのインパクト。
どう見てもモブやエキストラの類の、端役色物キャラ。
さすがにアレに擁護は無理。いや、一応はしたけどね。
――
「テラウス」星での初期ステータス
――――――――――
【【ステータス・ボード】】
【名前】 一条 武瑠
【性別】 男
【年齢】 18
【種族】 人族(地球出身)
【ジョブ】 勇者
【LV】 86
【HP】 788/788
【MP】 186/186
――――――――――
――――――――――
【【ステータス・ボード】】
【名前】 一条 彩佳
【性別】 女
【年齢】 17
【種族】 人族(地球出身)
【ジョブ】 賢者
【LV】 82
【HP】 740/740
【MP】 872/872
――――――――――
――――――――――
【【ステータス・ボード】】
【名前】 一条 希美
【性別】 女
【年齢】 17
【種族】 人族(地球出身)
【ジョブ】 聖者
【LV】 94
【HP】 713/713
【MP】 978/978
―――――――――――
かなりの高LVからのスタート。
人族亜人獣人に限るなら、テラウス星トップクラスとのこと。
どのような出会い、物語が待っているのか?
異世界召喚のお話。 ワクワクが止まらない!
プロローグ 終わり
――――――――――――
格好良くこんなプロローグ風、書いて見たかったのよ。
感情や嗜好がダダ漏れだったけどw
けっこう大言吐いたけど、
まあまあ王道的、普通の物語で話が進みます。たぶんね…。
by のぞみん
もうひとつ!
アタシ、小説書くの苦手なんです!
読み直してみてもその都度、修正、カットの繰り返し。
永遠とその作業が続く。
完成形を読んでも違和感あり過ぎ、下手過ぎて羞恥しかない。
けど承認欲求が強過ぎて妄想を、この手の話を描いて投稿サイトへと掲載。
そして誰も読んでくれないPV伸びないコメントつかない、ブックマークも散々…。
そりゃ才能も才文もないし、発想も設定も酷く稚拙だ。
独りよがりの自己満足でしかなく到底読めたしろものではない。
語彙力皆無。
表現、心情、心中、心理描写、情景描写が上手く思い描けない。
戦闘場面の描写なんて、どうすりゃいいのって感じ。
捻りに捻りだしても1行か2行で終了。
情景描写など、
朝。
森の中。 とか、
平原。 とかで済ましてしまう。
これはほら、
会話に重点を置くというスタンスで、シナリオ風として…
はい、いい訳です……。
あと壊滅的なのは視点。
一人称難しいし、三人称はもっと難しい。
もう、全部じゃん。
よくみなさんスラスラと上手く文章を描けるものだ。
クッ、表現力皆無、無知なアタシには……。
我流で未熟な作品ですが、
小娘が書いた三文小説と思って読んでください。
m(__)m
え? 他の作品はあるのかって?
異世界物でちょっと軽めの下ネタかませたコメディ調の、
あ、エログロ性的描写はないよ。
まあ、コレは黒歴史なので、ここでは伏せておきます。
掘り下げないでください…読まないでください……。
いや、マジで。
――
0 イセショー 終わり
1 異世界の夜の会話
――
「アタシ日本に帰還したら、撮り溜めた動画と並行してリアルタイムでこの物語を投稿するんだ」
はい、死亡フラグを立てときました。 死ぬつもりはないけど!
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「イセショー」投稿サイト掲載経験者による、異世界召喚に巻き込まれたお話。
第0話 明日6月22日 日曜日 19時に投稿予定。(上記と同じ内容です)
1話以降 毎週金曜19時
週1投稿です(予定)