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ヒトガタ

私は一時期広島に住んでいた。

当時は1LDKアパート暮らし。ユニットバスでリビング6畳、寝室6畳。

リビングと寝室の間に扉はない。

駅徒歩10分で2万3千円。田舎でもなく、なんなら隣の駅は政令指定都市の名前を冠していた。


そんな部屋に、関東在住の友人が遊びに来た。

観光地や市内を巡ってから帰宅、私はベッドで就寝。友人はこたつを退かして敷いた布団の上で、眠ることになった。


穏やかに目覚めると、友人が真顔で布団の上に座っていた。


「どしたん?」


と聞いてみると、


「昨日、リビングの方を灰色の小さい人が歩いてた…」


というのだ。

リビングの方を見る。丁度、友人の頭の上に出入り口があった。窓がないから、いつだってリビングは薄暗い印象だ。

友人の語るところによると、夜中に起きたらリビングを灰色の小さい人形が歩いていた。とのことだ。


きっとちっさいオッサンだ!


と、友人は主張してくる。

夢では。と思って、そのまま尋ねてみた。


「いや、でもさ。なんでリビングにはなんにも物、置かないの?避けてるんじゃないの?」


と聞き返される。

そこで私は、初めて気付いた。

6畳の寝室にこたつ、ベッド、テレビにタンス…何から何まで詰め込んでいたのだ。

リビングには料理を作る時以外、立ち寄らない。

なんなら食材を切るのも、こたつでやっていた。


結構広いのに。


ああ、滞在時間を無意識に減らしてたのかもなぁ。と、その時気付いた。

怖い場所は本能的に避けるように人は出来ているのでは、と改めて思った瞬間だった。


ちなみに、その後も私がヒトガタを見ることはなかったが、変は体験はしたのでまた話していこうと思う。

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