表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
2/15

異界窓

これは私の実家の話である。


里帰りした私とパートナーが二人だけ残されて、リビングにいた。ベランダに通じる大きな窓の他にもう一つ、小さな窓があった。

だいたい胸の高さにある、縦60cmぐらいの引き違い窓だ。

そこを何気なく見詰めていたら、雨が降っていた。


片側だけ。


え?と思う私。

隣のパートナーの肩をトントンと叩いて。


「片方だけ、雨降ってない?」


と聞いてみる。


「あれ、本当だ」


思わず二人で首を傾げる。

窓に近付いてしげしげと眺めてみても、やっぱり片方のガラス越しにだけ雨が降っているように見えて。

いやいや、まさか。と思いながら降っている方のガラス窓を開けてみた。


雨は降っていない。


閉めてみる。


雨は降っていた。


ベランダの方に視線を向ける。


雨は降っていない。


訳が分からず、今度は降っていない方の引き違いのガラス窓を開いて、顔を外に出し、降っている方向を向いてみる。


雨は降っていない。


窓越し、しかも引き違い窓の片方だけに、雨が降り続けるのだ。

そこだけ別のどこかに繋がっているんだなぁ、不思議だなぁ、とパートナーと二人で話ながら一日過ごした。


後にも先にもその一度しかなかったが、未だに面白かったな。と思い出すことがある体験だった。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ