きれいだね
いくら私が君にきれいだねと言ったところで、それが本当にそう思っていることなのかどうかは判断しかねるだろう。
君がエスパーあるいは神の化身でない限り、私の心の中は私にしかわからない。
だから信用を勝ち取るために、一所懸命に誠意や真面目さみたいなものを就職試験の最終面接のように必死になってアピールする。
そして言葉の重みをちゃんと持っている人だと知ってもらうために、広辞苑と大辞林と大辞泉を同時に引くかの如く言葉選びを慎重にして発言力を見せつけていく。
さらに聞き心地がよくなるように、舞台俳優になったつもりで良い声を演出してみる。
それくらいちゃんと君にきれいだねと言いたい。