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魔鎧戦記ゴウザンバー  作者: 藍戸優紀
第二章 転生騎士団編
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第43話 今明かされる! 驚異の転生騎士団!!

【グリティアンのその後】

 完全に大破しており、修復も不可能ということで分解され使えそうな部分は回収、それ以外の部分も各資材として完全に分解されており残っていない。

 一応グリモワの設計がどのようなものなのかの確認は終わっている。

 ギガントアークという常軌を逸した性能のマシンの存在。運用を成立させ得る要因とは何か。クレアーツィはソレをどうにかしなければこの戦争は勝てないことを理解していた。


「えっと、だから理由分かってるよ?」


 だからこそあまりにもアッサリ、それはもう赤子の手をひねるよりも容易く。しかも炭酸飲料を一気飲みしたらゲップが出る、そのレベルのことだといった様子で告げられたのなら、彼にとっては困惑を隠せないのも至極当然の話であった。


「……マジか、え? 一応聞くけどエポンは知らなかったよな?」


 故に自分の仲間の一人である、皇国を裏切ってきた存在。即ち皇国のことについて誰よりも詳しい彼女に問いかける。


「いや、それはまぁ? 裏切ったのギガントアークの存在が世に出る前ですし」


 その言葉にクレアーツィは安堵した、これで彼女迄知っていたのだとすればなぜ教えなかったのかと問わねばならなかったからだ。


「えっと、現在皇国軍では兵士が二つに分かれてるの。一つはこちらの大陸に元からいた……普通の人たち。こういった人たちが今マギアウストに乗っている人……だと思うよ」


 この段階である程度察するクレアーツィ、彼の視線の先にあったのは竜希の姿で。


「そしてもう一つが転生騎士団(リインカーネイターズ)、転生者と呼ばれる……何らかの形で、こことは違う世界で死を経験した者たちの部隊です」


 納得した様子で竜希を見ていた視線を未来に戻す。


(転生者ってのがそれこそ軍団を作れる程度にいるのか……嫌になるな)


 竜希の持つ異様なほどの魔導力量、彼女の持つ力が転生者基準でどうなのかはともかくとして、クレアーツィ自身にとっては常軌を逸したモノ。


 それが軍団で振るわれるなどというのは認めたくはない事実だ。


「で、そいつらはピンキリか」


「うん、私みたいに元々いた世界で戦ってた人もいるけど、そうじゃない人もいる」


 だからこそ、戦場をまともに知らない奴ら相手には立ち回りしだいでどうにかなる。クレアーツィは既にそれを為したのだから。


 とはいえそれはどうにかなるではあっても、容易であるという訳では断じてない。あの時エストの救援が少しでも遅ければ体力の問題で疲れ果てていただろう。もしくは精神的な疲労によって生じたくだらないミスによって命を失っていただろう。


 一撃掠っただけで終わりかねない、そんな極度の緊張感を常に維持し続けるなどというのはよろしくない。


 量産型ザンバーがどのようなものになっているのかは分からないが、マギアウストはともかくギガントアークを相手に一対一ができるようにはできていないだろう。


「……それに、未来みたいなやつもいないとは限らないしなぁ」


 そう、今までのは戦闘を知らない転生者の話でしかない。


 結論から言えば未来のような相手の場合、クレアーツィたちは圧倒的不利を強いられている。


 根本的な部分、自転車をどれだけ改造したところでF1マシンには速度で勝ち目などないように。


「……あー、やだねぇ考えるのも億劫だ」


 結局のところは根本的な素質の差があることを受け入れ、ひっくり返さなければならない。


 真正面から如何にかしなければならない、その課題があまりにも酷い差なのだ。


 もともと魔導具というのは注ぎ込まれた魔導力を増幅して利用する、それは個々人によって大きな差が生じる才能の問題で扱えないということをできるだけ減らすためである。


 しかしさすがに百倍以上の差をどうにかするとなれば話は変わってくる。なにせそれができるのであれば転生者が利用すればより大きな差が生じる。


 当たり前の話だが魔導具は道具でしかない、転生者も使えるのだ。


「それに、彼女の分も用意しないとだしなぁ」


 クレアーツィの視線は未来を、ピュアグリッターを見つめていた。グリティアンという彼女のマシンは既に破壊されている。そして実戦経験豊富でありながら転生者という優れた技能の持ち主を遊ばせておくほどこの戦いは余裕がない。


「あー、さっさと戦争が終わって、好き勝手に魔導具作る機械技師に戻りたいぜ」


 彼がこぼした言葉はまごうことない本音、自らが作りたいものではなく作らねばならないもの、それを強制されている現在が早く終わってほしいと、じっと考えていた。




「ふむ、アレが生き延びたか」


 一方そのころネルトゥアーレ城のある部屋で、ビートゥ帝は一人呟いていた。


 星川未来、ピュアグリッターの生存。この事実を受けて少し驚いた様子を見せる……ものの、それも少しだけ、誤差の範囲内だとばかりに気に指定にい様子で。


「さて、一万を超える闘争……アレがこれに気が付くのは……未だゼロ」


 まるで過去の歴史を語るように、今を見る。


「である以上、あの男は到達できないのだ」


 それ故に彼にとって未知も既知であるかのように振る舞う。


「さぁ、時間はないぞクレアーツィ」


 この戦争を楽しんでいた。


「夢と希望が悲劇的な末路を覆し、愛と勇気を届かせる」


 歌うように口ずさみ、踊るように足を運ぶ。男の視線は空を見つめ、虚無を感じ取る。


「そんな夢物語はそろそろ幕を下ろそう、現実の時間だ」


 幕が下りる前に私の下に来い、そして私を殺して見せろ。


 終わることのない地獄へのマーチが鳴り響く、誰一人認識できぬままに歩みを止めることなど誰もできない。


 時が進むことを止めることができないのと同じように。

【ビートゥ帝】

 ネルトゥアーレ皇国を支配する暴君。

 しかしながらその在り様に反発するものもおらず、絶対的な力を持っていると思われる。

 また彼の構築した魔導理論によって、転生者が必ず彼の下に現れるようになっている。

 なお、まるで異世界転移のように見える今作での転生ではあるが、彼の手によって構築された魔導理論によって、肉体的に全盛期の状態で彼の前に現れるようになるという風にシステムが作り替えられている。

 すなわち、出産という過程を得ず、全盛期の肉体で、彼の意図したタイミングと場所で生誕するということである。

 

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最新作『絡繰武勝叢雲』連載中 こちらも面白格好いいぜ!! https://ncode.syosetu.com/n3777hj/
― 新着の感想 ―
[一言] ピートゥ帝、ヤバイっすねーループ者の匂いがプンプンします。 転生システム、やっぱりそういうのでしたか。 現実の時間……? ハッ。 まだ一万越え程度じゃあ結論出すにゃあ足んない足んない。数え…
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