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魔鎧戦記ゴウザンバー  作者: 藍戸優紀
第二章 転生騎士団編
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第33話 謎の美少女現る!? 妖精の国の激戦!!

【ザンバーランス】

 カバリオザンバーのために開発された武装。

 形状としては穂先から柄の辺りまでが円錐螺旋状、すなわちドリルとなっているという点が大きな特徴となっている。無論その形状からも推測できる通り魔導力を流し込むことで回転を始めて行く。これにより一撃一撃の貫通力と破壊力を向上させている。電撃を放つ機構も搭載されているので、これだけで遠近両用の優れた武装だと言える。

 ネルトゥアーレ大陸の国の一つ、ファーダ。この国の民は他の人間と比べて、身長が低い傾向にある。地球の単位で言えば凡そ二十センチほどで身長の伸びが終わる。またその背にある翼で空を飛ぶこともできるという特徴もある。どちらかと言うと純朴な人々の多いのどかな国であった。


 そんな国にも皇国軍の魔の手は伸び始めていた。町は焼かれ人々は逃げ惑う。その小さな体躯はもともと闘争には向かず軍事力は小さな国、そこに攻め込むのは従来以上に体格差の大きくなる、鋼の巨人や巨獣であるマギアウストである。彼らに欠片も勝ち目などあるはずもなく、一方的な虐殺が始まろうとしていた。


「ザンバーキャノン!」


 しかし天はファーダの民を見捨ててはいなかった。迫るマギアウストに命中する魔導力の砲撃。それと共に上空から四つの鋼の巨神が舞い降りる。


「ファーダは一応中立国だった筈だろ! そこに襲いかかるとはどう言うつもりだ!」

「皇国軍はここまで堕ちたってことなの?」

「どちらにせよ、罪無き無辜の民を苦しめる輩は成敗ですわね!」

「カバリオザンバーの初陣! 派手に行きますよ!!」


 暴れる魔獣を相手の軍勢に向けて、ザンバーランス片手に突撃を開始する。


「派手にって、気合入ってるわねぇ」


 その光景を見てはニヤニヤと笑いつつ、自身もまた剣を構えては突撃するエスト。カバリオザンバーが穿きそこねた敵を切り捨て追走を始めていく。


「では私は戦場全体を確認させてもらいますわ。またアレみたいなのが出てこないとは限りませんし」

「って訳だ、竜希……マルチドラゴネットの方でも確認頼む」

「任せてください!」


 この軍勢であれば前線担当の二機で問題はないと判断したクレアーツィ等は、敵増援に備え準備を始めていた。



「ふーっ、こっちは一応終わったわよー」

「初陣としてはかなり大暴れできたと思います!」


 やれやれと言った様子のエスト、ふんすと胸を張っているエポンといった個々人の性格が見える反応を示しながら、現れていたマギアウストを一掃したと戻ってくる二機。


「ん、お疲れさん!」

「今の所……反応はないですわね」

「こっちも無しだよ!」


 敵増援も現れる気配がないと気を抜いていた面々であった。しかし事はそう簡単にはいかない。


「こんなにこの町に大きな被害を出してっ! 沢山の人を殺してっ!」


 突如としてぶつけられる怒りの感情。声が聞こえる方向にクレアーツィ等は振り向けば、そこに在ったのは桃色の髪の少女。風貌としてはおそらく十三から十四ほどの年齢だろうか。この国の住民ではないと簡単に推測できる身長の彼女が、ゴウザンバーらを睨みつけていた。


「アレ、あの娘……どこかで見たことがある気が」


 そんな彼女の姿を見ては竜希はどこか懐かしいものを見るような気分になる。だが、この世界で彼女の知人などクレアーツィ等しか存在しない。故に彼女の存在に違和感を感じていた。


「そんな貴方たちを私は絶対許さない!!」


 口にした言葉と共に彼女は天高くコンパクトの様なモノを掲げる。


「マギアルリカリルリズプム! 光よ我に答えよ!」


 奇妙な呪文を口にした彼女は、足元から発生した凄まじい光の柱に飲み込まれていく。


「な、何が起きようとしているんだ!?」


 理解の外から発生したなどの現象にクレアーツィ等は困惑を隠せない。目の前で起きている事象とは一体何なのか、それを理解したのは竜希ただ一人であった。


「え、いや嘘!?」


 起きている事象の理解を拒むように呟いた言葉と共に、光の柱が消滅、人の姿を形取っていた。


「夜空の星の煌めく世界!」


 人影が真の姿を表せば、そこにいたのはフリフリとしたピンクの衣装を身にまとい、鮮やかなピンクの髪を可愛らしく整えた美少女。しかしその表情は確かに戦士のそれであって。


「ピュアグリッター!!」


 高らかに名乗りを上げた少女は、ビシッとポーズを決める。まるでそれが当然の事のように成し遂げたあと、彼女はゴウザンバーに人差し指を突きつける。


「沢山の人々を殺し、不幸を呼ぶ貴方たちの野望! この私が絶対に止める!」


 あまりにも常識からかけ離れた事象を前に、反応すらできずにポカンとした様子のクレアーツィ等。そんな中で竜希はまるで別のことを思考していた。


(どうしてあの魔法煌姫マジックプリンセスピュアグリッターのピュアグリッターがいて、私達の敵になるの!? アレってアニメだよね!?)


 竜希にとって突如現れた彼女は、前世で見ていた人気アニメの主人公。確かに彼女を知っていたのにも当人は納得してはいたものの。だからといって、はいそうですかと受け入れられるものではない。


「ピピレホズレリマリハータ! 邪悪と戦う力を私に!」


 誰しもが困惑を隠せないままに、ピュアグリッターはさらなる魔法の言葉を口にする。すると何ということであろうか。


「ぴ、ピンクのギガントアークだとぉ!?」


 突如として無から、ゴウザンバーを苦しめたギガントアークの様なソレが現れたではないか。

 だがしかし、ソレはギガントアークではない。


「クレアーツィ、よく見て……顔は可愛らしいし、体型もちょっと細身よ」


 よく見てみれば全体的な雰囲気がそう見えるだけで、別の機体であることに気がつく。しかし従来のマギアウストではないのは火を見るより明らか。ギガントアークの系譜であるのは間違いがなかった。


「いや、何これ」


 一人離れた場所で見ている竜希は理解しようとすることを、一度完全に放棄することにした。

【魔法煌姫ピュアグリッター(アニメ)】

 竜希が転生する以前にいた世界で放送されていた人気女児アニメ。

 全五十話。休日の早朝に放送されていた。

 第一クールは魔法の国からやってきた心優しいお姫様が、魔法のコンパクトの力で善なる大魔法使いピュアグリッターへと変身し自身の魔法で困っている人々を助ける物語だったものの、第二クールからは魔法の国の中の悪い魔法使いとの魔法バトル物へとシフト。更には第三クールからは主人公のピュアグリッターの仲間としてさらに三人の魔法少女が登場などとテコ入れをしまくったことでも有名となった。そんな人気作品だったものの、最終回ではすさまじい展開となり当時テレビの前で見ていた少女たちを絶望のどん底に叩き落とすトラウマものアニメとしても有名となった。

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