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発見

 フィオの身体能力はかなりのものだと判明したわけだが、フィオが動く時に発生する突風で俺が吹き飛ばされそうになることも判明した。


 体がないのに踏ん張らなければならない。どういう理屈だ?


 因みに俺はまだこの体に慣れてないこともあって、今すぐにフィオほど速くは動けなかった。


 あれだけ速く動けたら漫画のキャラみたいで少し憧れる。ロマンがある。


「生前もあんなに速かったのか?」

「流石にあり得ないよ」


 それもそうか。一瞬でかなりの距離を移動してたからな。


 もし瞬きしてたら瞬間移動かと思う速さだった。流石にあり得ないな。


「そうか」

「もちろん足が遅かったわけじゃないけど、見ての通り素人でもないからね」

「まぁ、武闘家って感じだしな」

「そうそう」


 フィオはあきらかに素人じゃない。一目で只者じゃないってわかるレベルで鍛えられている。それも俺みたいな素人でも判断できるレベルでだ。


 ただなんというか、目の前で自慢気に胸を張る今の姿は素人でもわかるレベルで能天気だ。


 まぁ、フィオの長所だと思うことにする。うん、愛嬌って大切だよな。


「無駄のない機能性を極めた体って感じか?」

「褒めてもなにも出ないよ」


 実用性を聞いたんだが、体を褒めたように聞こえたのか?


 ナイスバルク的な感じに聞こえたのか?


 ナイスバルクは別に否定はしないけど、地味に会話がかみ合ってないな……。


 気のせいかもしれないが。


「なにか出すほどお互いなにも持ってないだろ」

「素敵な笑顔は出せるよ」


 ハンバーガーチェーン店のスマイルか! 伝わらないから言わないけども!


 なにがそこまで楽しいんだ。ニッコニコじゃねぇか。


 逆に心配になる。


「なにも出ないんじゃなかったのか?」

「細かいことはいいじゃん」


 やっぱり、なにか引っかかるな。


 俺がしたことといえば、筋肉を褒めたくらいだ。もちろんフィオがそれを本気で嬉しがる筋肉マニアという可能性は否定できない。


 しかし、そんなことでここまで上機嫌になるってのもなんか怪しい。


 短い付き合いだが、なにか隠してるのか?


「別にいいけど」

「あと、さっきチラッと見えたんだけどゾンビがいたよ」

「はぁ!?」


 それか! そりゃ言いにくいよな! 素人に『ゾンビがいたよ』は刺激的だもんな!


 今になって苦笑いしてやがる。


 あれか、ちょっと明るい雰囲気にしてから言うことで、衝撃を和らげようとしたわけだな。


 相変わらず優しさに感謝だよ。全く和らいでないけどな!


「どこにいたんだ?」

「突き当りを曲がったところに」

「近いようで遠いな!?」


 いや、近いか!?


 もういまいち理解できない……。


 ファンタジーっぽいから敵もいるんだろうとは思っていたけどさ。いきなりゾンビって。


 最初はスライムとか小動物系が定番だろ。なに中盤に出てきそうなゾンビを出してきてんだよ。


「ポルターはゾンビ知らない?」

「いや、ゾンビがなにかはわかるけど……」

「魔物だね」


 魔物ってRPGにいるモンスター的な存在なんだろうな。


 ていうか、俺たちもそうか。そう考えると少し落ち着いてきた。


 未知の恐怖が既知の恐怖に変わった感じだ。恐怖がなくなったわけじゃないが、ゾンビがどういうものか確認してみるのも大切な気がしてきた。今後のためにもな。


 そう思った俺はフィオに付いてきてもらいながら、突き当りまで行ってゾンビを確認してみた。


 するとそこには執事のような装いをした人がいた。しかし、土気色の肌から既に死んでいることははっきり理解できた。またゾンビというわりに、その見た目は清潔だった。超怖いことには変わりないけどな。


「……逃げるか?」

「別に逃げなくても」


 こっちはびびってんだよ。そんな大袈裟なみたいな顔されてもね。


 ゾンビゲームに鉄板の銃も持ってないのに落ち着いていられるわけがない。


 いや、銃を持っててもパニック起こしてただろうけどさ。


「正直に言うと逃げたくて仕方ない」

「それでもいいけど、倒しておいた方がいいかな」


 フィオ曰く、ゾンビは腐敗していることが多いので、そこから疫病が発生してしまうとのこと。だから、見かけたらできるだけ倒しておくべきらしい。


 そういわれると、無視しづらいな……。


「じゃあ、怖いから任せた」

「正直でよろしい」


 フィオは納得したのか俺を庇うように前に出てくれた。


 多少の情けなさはあるが仕方ないと思う。相手は本物のゾンビだからな。


 お化け屋敷の役者さんじゃない。


 素人が意気揚々と出しゃばると早々に食われる。これはホラー映画でよく見かける。


「ゾンビって心臓をつけば死ぬって素人さんがよく陥る間違いなんだよね」

「頭が弱点じゃないのか?」


 普通は頭だと思う。


 まぁ、心臓を刺したくなる気持ちもわかるけどさ。


 実際にゾンビを見てみると、あまり顔を見て攻撃したくない。気味が悪い。


 そう思うと、まだ胸に視線を向けて攻撃する方が気が楽だろうしな。


「素人なんだよね?」

「本当だって! 元の世界では頭が弱点ってのはわりと有名なんだよ!」


 ちらっとゾンビ情報出したら疑われるのか……。


 下手なことは言うべきじゃないな。


「ゾンビの弱点が有名って、普通そんなことある?」

「じゃあ、訂正する。そこまで有名じゃない」


 全員が知ってる一般常識ではないからな。


 ゲーム好きか映画好きなら知ってるはずだが、それ以外の方は知らなくても不思議じゃない。いや、ゲーム好きか映画好きでも知らない人は知らないか。


 もう、わけわかんなくなってきた……。


「もうさっさとお願いします」

「仕方ないなぁ」


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